開く話
開く
開いたのは
重なる茶色と赤。
斜めに重なるのは縦横左右。
開くには必要なのは嘆くこと。
嘆きは村の人々が膝をつき、顔の前で自分の指を重ねること。
開くには
嘆きがいる。
その重なる茶色と赤の前に赤紫の着物の少女がいる。
彼女は、人々の嘆きを聞く。
嘆き
なげき
なげき
始まりの時から
終わらない嘆き。
始まるから生まれる嘆き。
少女は、その嘆きを聞き、閉じ込める。
少女は、茶色と赤の重なりに手を近づける。
ザクリッと、手は爪痕をつけられる。
それと同時に手首、額、足までも爪痕が現れる。
そして、開かれる。
ソラは、そこへ行こうとして、ルーに止められ草木の後ろに隠れる。
ソラは見つめてると、爪痕がつけられる少女は、ソラを見た。
何かをいう。
その直前、光が放たれ、茶色と赤の重なりへ光がぶつけられる。
少女は、その光を見つめる。
赤と茶色の重なりから異質な腕が飛び出る。
その腕は少女へ伸びてくるが。
少女の爪痕は腕へと飛んでいき、腕は中へと入っていく。
少女の額のみに爪痕は残り、腕も茶色と赤の重なりも消えた。
少女は、ソラへ何かをいうように口を動かす。
『 』
ソラは目を開く。
少女は口を動かす。
『嘆きは終わり来ない…?』
ソラは、少女や、村人が消えていくのを見た。
何であったのか?
何もなくなった場所は、草木のみが生い茂る。
ソラは、そこへ行き、回りを見る。
「誰もいないよ?ルー」
小さな犬。ルーは答える。
「誰もいないな…」
ソラは不思議がっているが、前を向く。
「行こう!ルー」
ソラは進む。
ソラとルーも一緒に進む。




