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空の存在  作者: 進道勇気
135/215

ソラがかわいい話

椅子が一つ置かれる。

俺は、その椅子の表面を自分の人差し指でツーッとなでる。


「ふふ………今日はソラをかわいいといいまくる」


俺は決めている。

ソラをかわいいといいまくると。

ソラ来ないかなあ。

ふふふ………


「ソラにかわいいといいまくりたい!!」


そこへ、誰か来る。

ソラだ、きっと…………

俺は椅子へと座る。

額に指を当てる。

顔はにやけが止まらない。


俺は、前を向く。


「ソラ!ようこ……」


俺は止まる。

小さな浮かぶ犬。

ルーだ。


「ルウうううううう!!!?」


いや、ルーもうれしいけど!

だけど、だけど


ルーは俺を冷たい目で見てくる。


「おぬし………………」


「ル、ルーかあ、ソラは?」


ソラはルーのあとをついてくる。


「ルー!待ってよー!」


ソラああ………。

かわいい………………

いやまじでかわいいな…………。

かわいい

かわいいかわいい………かわいいよソラ


俺は椅子から降りると顔を覆う。


「かわいいいいいソラあああかわいいいいいいかわいい」


ソラはテテッと歩いてくる。

俺の方へ来る。


「あ、シンさん!」


「うわあああ、かわいいよおおお!ソラ!」


俺は起き上がる。

うん、かわいいいいい。

俺のことバカと呼んでくれ。

かわいいばっかいってんじゃねえぞと思われてもいい。

だって、かわいい!!

かわいいから!!


かわいい!!

あ、声に出そう。


「ソラかわいいな。かわいいを………たくさんいわせてくれ」


ソラはかわいいといわれ、ほんのりと桃色に染める。


「か、かわいい、はずかしいです………」


恥ずかしがるソラに俺は地面で転がる。


「かわいいいいい!かわいいいい!!」


ソラがかわいい!

俺は後ろから何かを感じる。

ルーが俺をジッと見てる。

冷たい視線感じる。


「ルー。後ろでこええよ………」


ルーは静かにいう。


「おぬしは相変わらずだな」


俺はでも、でも……………。

俺はいう。


「かわいいんだよ!ソラちっちゃくてかわいいんだよ!ルーだって!分かるだろ!?」


ルーは冷たい目だ。

なんでだ!?


「ルーだって分かるだろ!ソラのかわいさ!」


俺は立ち上がり、ソラの隣に膝をつくと両手で紹介をする。


「ソラ。ちっちゃい。明るい。ルーだって好きなはずだ!」


ソラは恥ずかしそうにしてる。

俺は気づく。


「あ、ごめん。ソラ。大きい声出して…俺……その、テンションが上がってしまって……」


ソラは顔を振ると、ニコッと笑う。


「大丈夫です。シンさん」


「あ…俺…………やばい………心が………」


俺は膝をついて、地面に両手をつける。


「かわいい………………………かわいい……ソラ」


ルーはソラの方へと行く。


「おぬし。行こう」


俺はハッとする。


「もっと、いわせてくれ!ソラかわいい!」


ソラは俺の方へとくる。

俺の頭に手を乗せ、なでる。


「シンさん!そろそろ行きます!」


頭なでられた……………!

俺は地面に倒れながら、ソラへいう。


「ありがとうございます!」


ルーは俺を見下ろす。

冷たい目だ。


「ルーの目冷たい!それも悪くないけど!」


ソラは、笑顔で手を振ってくる。


「またねです!シンさん!」


俺も手を振る。


「また来てくれ!ソラかわいい………」


ルーは冷たい目だが、一言。


「我たちは行く」


俺は地面で答える。


「ルーもまたな!」


俺は起き上がる。

俺は本当に思う。


「ソラ……………かわいい……。ルーの目の冷たさ………好きだ………」

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