思いついた話
ソラとルーは進む。
その先に草原に寝転がる黄色の髪を後ろに短くしばる少年がいる。
彼は、ソラとルーを見ると。
ジーーっと見つめてくる。
ジーーーーーーーーー
ソラは、ビクッとする。
ルーは落ちついた顔で見つめ返す。
少年は、ニコッと手を振ってくる。
ソラはすぐに自分もニコッとして、手を振る。
少年は、立ちあがると、ルーを見る。
「珍しい生き物。君、この動物は何?」
ソラは答える。
「ルーです!」
「へえ?ルー…何か意味がある名前なの?」
ソラは誇らしげに答える。
「いみないです!」
「誰がつけたの?」
ソラは答えていく。
元気に。
「私です!」
少年はニコッとする。
「良い名前だね。呼びやすいし。君の名前は?」
少年に名前を聞かれ、ソラは自分の名前も答える。
「ソラです!」
「良い名前だね。その名前は誰が考えたの?」
ソラはやはり元気よく答える。
「ルーです!!」
少年は、ルーを見る。
「どうしてソラなの?」
ルーの隣でソラが目を耀かせる。
ルーは答える。
「意味はないが………」
ルーは、広い青い空を見る。
「…空って名前がいいなと」
少年は、答える。
「ソラっていいね。いいなあ。ねえ僕にも名前つけてよ。思いついたものでいいよ。あと、僕のことをキャラクターみたいに設定をつけてよ」
少年は、ニコッとする。
「思いついたものでいいよ」
設定?
とは、キャラクター?
とりあえず。
ソラが答えると思いきや
「名前は私が考えます!あとはルーが!」
ルーは「我もか…?」となりつつ、考える。
ソラは考えこむと、ピコンっと手を上げていう。
「ムウさん!」
ムウと呼ばれた少年は、「うれしい」と笑う。
ルーは、ハッとする。
「そういうことか。思いついた話。」
少年にムウという名前が刻まれる。
「あれ?気づいた?上書きして、別の者になろうとしたのにね」
ソラは不思議そうにする。
ルーは答える。
「この者は誰かに作られてここを離れられない。だから、我たちを使って、存在に上書きをしようとしている」
ソラは頭がグルグルする。
ムウは、笑う。
「あーあ、もう少しなのに、でもムウはうれしいな。ソラありがとね」
ソラは、「あ、いえ!」と答える。
ムウは、ルーの目を鋭い瞳で見つめる。
「これだからルーみたいな設定キャラは苦手だよ」
「我にそこまで設定はない」
「えー。本当に?ねえ設定つけてよ僕に」
「なら、思いついた話。でいい」
「うわー!てかよく気づくね」
思いついた話。
思いつきで考え出された存在。
存在に意味も名前も設定もないはずなのに。
強い力持つ設定を無理につけられることで封じられている存在。
そのため、ここを離れられない。
ルーは長い設定に正直ムウを見てしまう。
「長いな。ある意味」
「そうなんだよ、無駄に長いんだよ」
ムウは、ソラの頭をなでる。
「ソラから名前もらって僕うれしいよ」
「ムウさん………」
ムウは、うれしそうに笑う。
「この名前があればあと少しで上書きできるよ。いつか会おうね。ソラ。ルー」
ソラは、笑顔。
「はい!会えます!」
ルーはムウを見る。ムウは、手を振って、別れた。
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ソラはいう。
「ルー。どうして、せってい?作らなかったの?」
ルーは答える。
「面倒だった」
「えー!それが理由……………」
「そうだ」
ソラとルーは行く。
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草原に寝転がる黄色の髪を後ろに短くしばる少年がいる。
彼はムウという名前をつけられた。
「本当気づく設定キャラには困るね。でも、ソラがいたからだね?ルー」
思いついた話。
思いつきで考え出された存在。
存在に意味も名前も設定もないはずなのに。
強い力持つ設定を無理につけられることで封じられている存在。
そのため、ここを離れられない。
_ルーが共にあると決めたのはソラ。
ソラという存在を消す可能性ある僕。
それじゃあ…………ルーは僕に設定なんてつけない。
あーあ、まあいっか。
ムウ、か。
思いついた話の僕の名前。
…………とても…良い名前。




