表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空の存在  作者: 進道勇気
13/215

ソラと誰か

「おやあ、来た来た」


ソラは目が覚めると、白い場所。

前には椅子に座った…少年だろうか?


「あなたは?」


「あ?俺?かっこいい俺はねー」


ルーは隣でいう。


「言わなくていい」


「えー!言わせてよー!そこは!」


少年はあわてる。

が、コホンと椅子に座り、いう。


「そうだな…んーと。シンていうんだ」


名前はシンらしい。


「シンさん。ここは?」


ソラが聞く。


「ここはねー。つながりの場所」


何だか偉そうな人だ。


「シンさんはここで何をしてるんですか?」


「椅子に座ってるよ」


「そうじゃなくて、一人で何してるんですか?」


シンはにこっとする。


「君としゃべりたかったんだ」


「しゃべる!?えっと、何をしゃべれば…」


ソラはわたわたする。


「君の最近のことを聞きたいんだ」


ソラは思い出していく。

そうすると話していく。

言葉でうまくいえないこともあるが、何とか(ルーが)伝える。


シンはふむふむとする。


「へー。そうなんだ。なんか楽しそうーっいいなー。俺も旅したいな」


「シンさんは旅に行かないんですか?」


「旅に行けるお金がないので…」


ぼそり。

ソラ聞き返す。


「?すみません!聞こえませんでした!」


「あーいいんだよ。こっちの話」


シンはここで一人なんだろうか?


「ここで一人なんですか?」


「んー。あー。まあね。一人だが何かあるの?」


「さみしくないですか?」


ソラははっきりという。


「んーまあ、どうなんだろう…うん…うん」


シンはうなずくを繰り返し、椅子から降り、地面に膝をつき顔を覆う。(ゆっくりとスローで)


「さみしいな。はい。」


ソラは手のひらをシンへ向ける。


「出ませんか?一緒に」


「えーと、必要な時は出てるよ、一応」


ルーはわざとらしく何も表情なくいう。


「友だちとかは?」


わざとだ。

そんな気がする。


「…………わざとだろ。ルー」


ルーは


「いや」


といった。


わざとだな。


「まあいいけどさ、ちょっと言いたくてさ」


ソラはいう。


「何ですか!?」


「その…ありがと」


顔が赤くなるシンにソラはいう。


「どうしましたか?」


「いや、あのさ。ちょっとした数年あったじゃん?」


「何の話でしょうか?」


ソラはわからない。

ルーはうなずく。


「まあ、まあいいとして…俺…性格悪いし!暗いし!そんなときだったからすっげー助けられた」


なぜか助けてたらしい。

覚えはないが。


「ありがとな!ほんとに!」 


「わかりませんがどういたしましてです!」


ソラは明るく、手を上げた。 


「絶望という希望ほしいとかなんか、言ってた気がするんだがその程度の絶望しか知らないくせにって感じだよな」


ルーが答える。


「絶望か。その程度でもお前にとっては苦しかっただろう?」


「まあなー。今思うと」


「絶望は希望になるか?」


「ならないかな、はっきりいうけど。絶望は絶望だよ…ほんと、でも…俺は…」


シンは笑う。

その顔は


「後悔はなくなったかも。それにたしかに絶望は…うん、俺にとっては希望になったかも…しれない」


「そうか。よかったな」


「ああ」


前よりは暗い目はしてないように…思える。

多分。


そこへソラがいう。


「後悔あった方がいいかもです!」


「え?」


シンはぽかんとする。


「後悔ないと前に進めないそうです!前にルーに言われたことあります!」


ルーはえ?我?という顔をしてる。

ルーは斜め上を見ながらいう。


「そんなこと言ったか?」


「言った!」


「そうか、言ったのか」


椅子へと座り直したシンは格好をつけてるのか右目を覆うように手をあてる。


「それでは、ソラにルー」


ソラは名前を呼ばれ「はい!」とつい答えてしまう。


「これからも前に進むように!」


ルーがいう。


「偉そうだな、ほんと」


「今だけだ。ちゃんと人前ではしっかりとしてるぞ!俺だって!」


ソラはにっこりとする。


「シンさん。もっとお話ししたいです」


「俺もしたいよー」


ルーがシンをなぜかにらむ。

多分ソラに対してなれなれしくしたからだ。


「ごめんなさい」


シンはすぐに謝る。


シンは椅子から立ち上がる。

膝をつくとソラと同じ目線となる。


「ソラの明るさはずっと俺を助けてたんだ。他のみんなもそうだけど……その、ありがとな」


ルーを見る。


「ソラのそばにいてくれよ?ルー」


ルーは静かに即答。


「ああ」


二人が消えるとシンはそこにいた。


「二人といて楽しかったなー」


本当の笑顔だった気がする。

人前では作り笑顔しかしてない気がするから。


「それじゃあ、俺はここを出るか」


シンは、空間を出ていった。



ソラは目が覚める。


「誰ですか!あの人!?」


ルーはあまりその話題にふれない。


「行くぞ、おぬし」


「え、あの人の話は!?」


その話はルーはする気はなし。


「ルー、なんか知ってそう」


「あれは、我にとってはもう一人のおぬしみたいなものだ。まあ、あれは偽りだが」


「え?え?どういうこと?」


ルーは飛んでいく。


「待ってよー!ルー」


二人は進む。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ