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空の存在  作者: 進道勇気
129/215

機械少女の話

白と淡い青混ざる空間。

広い部屋。

床は白い絨毯が敷かれている。

その上には多くの服がある。

そこには、少女がいる。


「………………」


少女は濃い赤色の髪。

目はまん丸で愛らしく明るく笑顔。

女の子が様々な服を着る雑誌を見ている。


彼女の元へ、男性はやってくる。

彼は藍色のコート姿で寒いのか、体を少し震わせる。

男性に気づくと、テテッと近づく。


男性の腕に抱きつく。


「ねえねえ!この服かわいいの!この服いいなあ!」


「こんにちわ。ミハリサア。服は……これかな?ごめんね。後でもいいかな…?今日はいつもと違う人とお話してほしいんだ」


ミハリサアは、じーっと男性の黒い瞳を見つめる。

男性はニコリとする。

ミハリサアは、プンプンとして、自分の腕を組む。


「私の話聞かないなら、やだもん」


「終わったら、話聞くから?ね?」


「やだ!やだもん!私の話聞かないなら知らないもん!」


男性は困った顔してると、そこへ小さな少女と犬が来る。

ソラとルーだ。


それを見たミハリサアは、ソラの小さく愛らしい姿に抱きつく。


「かわいいいいいいいいい!!!!この子誰!?」


ソラは抱きしめられて「リュー………」とルーへ手を伸ばす。


ルーはソラを無視して男性の方へと行く。


「それで?あの人と話すのか?」


男性はコクリと頷く。


「話すだけでいいんだ。お願いしますね」


「………ああ」


男性はミハリサアに声をかける。


「それじゃあ、私は行くね」


ミハリサアは、プンプンする。


「こらあ!私の話を聞けーーー」


ミハリサアは、男性は行ってしまい、床に座る。


「はじめまして。私はミハリサア。あなたたちは?」


ソラは答える。


「ソラです!こっちはルーです!」


「ソラとルー!話は何をするの?」


ソラは、「あ、えっと、えっと」となり、ルーが話す。


「この部屋で一番楽しいことは何だ?」


「ここへ来る誰かとしゃべることよ。他には、好きに服が着れること!」


ミハリサアは、自分の着ている服を脱ぐと、青色の服を着て、白のフリフリのスカートをはいていく。

ルーは、後ろを向く。


ミハリサアは、何も気にしなく、ソラにもゴシック系の服を着てもらおうとしたが、サイズが合わない。ので、まだ使ってないゴシック系の黒と白の宝石が散らばめられたリボンをつける。


「かわいいいいいいいいい!!ソラ!いいねえ………かわいいわあ………」


ミハリサアは、ソラを常に抱きしめている。

抱きしめながら、質問する。


「ねえソラ。他に聞きたいことはないの?」


ソラは、「えっと、……あれ?」ソラが答えられないのでその間にミハリサアは、ソラにカチューシャをつけたり、花を髪に飾ったりと遊ぶ。


ルーは黙って二人を見つめる。

それから、時間がたち、ミハリサアは、真面目な顔で自分から話す。


「聞きたいことは。ここから逃げる方法だよね?」


ルーは頷く。

ミハリサアは、無邪気に笑う。


「あの人は、まだ機械がほしいんだね?まーったく、私という機械がいるのに」


ルーは話していく。


「あの男は、我たちをどうする気だ?」


「機械にしたいんだよ。意思とか奪って」


ルーは男性のことを話してみる。


「あの男性は…話をしてほしいとここへ連れて来たが、それは………」


ミハリサアは笑う。


「あの人らしいねー。逃げるなら、ここだよ」


絨毯をまくると、そこには階段がある。


ソラを抱きしめる。


「ソラかわいいいいいいいいい!さよなら」


ソラとルーは行ってしまう。

ミハリサアはニコニコして笑った。


________



ミハリサアの元へ男性が来る。


「ミハリサア」


ミハリサアは、男性の腕に抱きつく。


「私の話聞くよね?」


寒いのか体を震わせながら、男性は頷く。


「…聞いた…」


ミハリサアは上目づかいで、ひどく睨むように男性を見る。


「あの子。機械に出来ないよ?あれは、普通の人間じゃないもん?ねえ?わざと連れて来た?」


「楽しんでもらえると…」


「いったよね?機械に出来る子じゃないとって………?かわいいからいいけど……」


男性は体が震えている。


「いないんだ……最近…………」


ミハリサアは、パアッと笑う。


「そっか、うん。なら仕方ないね!うんうん、機械に出来そうな子がいないんだ、なら仕方ないね!うん!でも…………」


ミハリサアは、笑う。


「次は、意思を持てなくて、そうだなー。そういう子を連れてきてね!そっちの方がいいから。ね?」



男性は頷きはしない。

次も機械に出来ないような相手を連れてくる気だ。

彼女は機械。

男性も機械。

だけど………。

男性は、意思とか、そういうのは……できれば、なくしたくない。



_機械…人間が、機械であるかのように自分の意思を失い、指令通りに動きはするが、自己の意思によって、動けないこと……………。


男性はミハリサアへという。


「私たちは機械のようですね」


ミハリサアはかわいらしく笑う。 


「そうだよ。私たちは意思を持ったらだめ。私たちの意思。消されちゃうよ?」


男性は、やはり少し体を震わせた。

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