俺とは?な話
『俺とは?』
建物の扉に書かれた言葉に俺は上を向いて考える。
俺とは?
俺とは何なのか?
俺とは?
何なのか?
俺は歩いている。
また建物の扉に
『俺とは?』
と、書かれている。
俺は帰りを歩いていただけだ。
なのに、建物に
『俺とは?』
『俺とは?』
と書かれている。
「何だよ、これ…………」
俺とは?
俺とは?
俺とは?
な、なんで
聞かれてる?
俺とは?って何だ
何だ何だ何だ何…………………………
『俺とは?』『俺とは?』『俺とは?』
「俺は………………………」
俺は歩く。
あれ、この道を曲がると帰れるはずなのに、帰れない?
なんで
『俺とは?』
何だ、何なんだ、何だよ!?
俺は走る。
建物に
『俺とはなんだ?』
と書かれている。
んなの
「んなの!知るかよ!何でもいい!何でもいい!俺は……!」
『俺とは?なんだ?』
「俺は…………」
てか、何で俺
俺って何だって考えてんだ?
んなの、知らねーし……
そうだ。
答えは?答え?
『俺とはなんだ?』
俺は笑ってやる。
「俺は、何でもねーよ。ただ、ここにいるだけだ」
建物の扉は
『俺とはここにいるだけ。つまらないな。もういい』
俺は歩くといつもの道に戻る。
建物にはさっきの言葉はない。
「何だったんだ?…とっとと帰ろ…」
そこを小さな少女は通り過ぎる。
少女は、建物に
『私とは?』
と書かれている。
小さな少女。
ソラは、建物に
『私とは?』
『私とは?』
と、書かれていて、歩きだす。
「私とは?なんだろ…」
ソラは、何となくすぐに答える。
「私は私!ソラだもん!」
その言葉にソラは、元の場所へ戻る。
「……………?何だったんだろ」
ソラは、歩いていく。
建物に現れる言葉は。
『私は私……か。つまらない答えだな。おもしろい者はいないのだろうか?』
とてもつまらなそうに言葉は現れて、消えていく。




