冬美の話
冬美
ソラとルーは寒い大陸にいた。
物語見守りの女神とミヨもいる。
物語見守りの女神は顔をしかめる。
その理由は。
そこには、凍りついたガラスが立つ。
その中には建物や人々が凍るようにある。
住宅や駅、公園、塔などの建物。
人々の通勤通学の風景。
他にも、カフェのテーブルで座る人の姿。
植物へ水をかける少女。
カバンを手に持ち、急いでる状態で固まった男性。
ベンチに座るおじいさんとおばあさん。
鳥まで固まっている。
ソラは、固まる。
「これは……何があったんですか……」
女神は固まった花や、固まった人を見る。
その目は真面目だ。
「この大陸は凍りついたの。ここに凍る人と話したことあるわ」
女神は話していく。
ソラ、ルー、ミヨは聞く。
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過去のこの大陸の町
「この大陸は凍りつきます!逃げたい人は別へと逃げてください!」
人々はそういったが、ここに残ると決めた人もいた。
物語見守りの女神は残るものたちを見に来た。
反対に大急ぎで逃げる人もいる。
「ふーん、逃げてるなー」
女神は女の子と出会う。
女神は質問する。
「この大陸はこれから凍っちゃうんだよ。逃げなくていいの?」
騒がしい町中。
女の子は笑う。
「私たちは別の場所で生きられないから」
「まだまだ子どもでしょ?新しい生活だって」
女の子は笑う。
「他の場所で生きられない人もいるんだよ」
女の子は、他の子どもたちと行ってしまう。
が、女神の方へと来る。
「だからね!とっても美しくするよ!凍った町を。町の残る人たちと約束したの」
女神は選んだのは残る人たちだから。
残る人たちは、決めたらしい。
女神は町の残るリーダーのような人にいわれる。
「この大陸は冬の恐怖といわれてます。なら、冬の美しさとして残したいのです」
「残るのですか?」
女神は質問する。
リーダーのその人は女神を真っ直ぐに見る。
「残ると決めた方たちと決めたんです」
女神は大陸を去った。
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ソラは、その話を聞いて、人々や建物を見つめる。
「残ると決めたんですね」
ルーはソラの近くにいるだけで何もいわない。
ミヨは、いう。
「女神様なら…どうにかできたんじゃないですか?」
女神は質問する。
「何とか?」
ミヨはうつむく。
「だって、そんなの知ってて殺したのと…一緒…じゃない…ですか」
女神はその言葉へ何も言い返さない。
「そうね。…そうなるわね」
女神はニコリと行ってしまう。
ミヨは気づく。
地面に膝をつく。
「なんてこといったんだろう………私」
ソラは、ミヨの近くへと行く。
「あ、あのあの…………」
あわてて、うまく言葉でないソラの隣でルーがいう。
「知ってて…殺した…か。痛い言葉だな。だが、悪く思わなくていいと思う。たくさんあるから。そういうことはたくさん」
ミヨは「でも………私えらそうに……」と落ち込んでる。
ルーははっきりという。
「女神から全て教わるんだろう。何を気にするんだ。それに、あの女神は気にするように思えない」
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女神は凍るガラスを見ながら歩く。
「そうね。女神なのに…私は」
あの時のリーダーがそこにはいる。
凍ったガラスの中に。
「でも、選んだのはあなたたちだから」
女神は真っ直ぐにリーダーへといった。
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そこへ、女神は戻ってくる。
「ミヨー。戻ってきたわー」
ミヨは謝る。
「ごめんなさい。女神様……私……」
「いいのいいのー」
と、女神はソラの頭をなでる。
「ソラちゃん。あなたの物語が見れたわ。楽しかったわ。とっても。ここでお別れだわ」
「はい!」
「またどこかで会ったらよろしくねー。ソラちゃん。ルーさん」
ルーは頭のみ下げる。
ミヨは暗い顔だが、女神は気にせずミヨの手を握る。
「ミヨもソラちゃんにお別れいわないとー」
ミヨはソラの頭をなでる。
「あ…ソラちゃん。さようなら」
「さよならです!」
女神はソラを抱きしめる。
「あー!かわいい!!離れたくないよー!でも、仕方ないわね!ミヨ、行くわよ」
「は、はい!女神様」
ミヨはルーの頭もなでていく。
「ルーさん。ありがとう」
ルーは頭をなでられ、固まる。
ソラ以外になでられるのは慣れてない。
ソラは、むうと頬をふくらます。
「ルー!何ドキドキしてるの!」
「我はそんなこと思ってない」
「本当に?むうー」
ソラは、頬をふくらましつつ、歩く。
凍ったガラスを見つめる。
「ねえ、ルー。どうして残ったのかな?」
ルーは静かにいう。
「どうしてだろうな」
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女神は凍るガラスの中の植物を見つめる。
ミヨはうつむき、いう。
「すみません…あんなこといって、私そこにいなかったのに」
女神はニコリ。
「いいのいいの。私にはそういうこといっぱいいってね」
ミヨは聞く。
「いいんですか?いっても」
「いわなきゃだめよ」
「はい!」
女神は風に髪が揺れる。
「美しい冬を作るってこのこと……か」
女神は膝をつく。
ミヨは静かにする。
「残ったあなた方の冬の美しさ。冬美を私はこの身に、心に、刻みます。魂は凍りつきませんように。天へと昇ることを願います。」
女神はしっかりとした強い表情で誰かへ伝え、迷ってしまわないことを願うように言葉をつづる。




