夏のない話
物語を見守る女神
ミヨ
ソラ
ルー
ソラとルーと女神たちは今は一緒に動いている。
物語を見守る女神は気まぐれであり、ミヨに教えていた。
ソラとルーに勝手についてきてるだけだ。
ので、ソラは荒野で四角い箱と出会う。
そこには女性が白衣姿で何かしている。
「…君たちは?」
「ソラです!こっちルーです!」
「そっか。はじめまして。あちらは?」
ソラは、後ろを見て答える。
「ミヨさんと、女神様です!」
女性は信じてるかわからないが、「そうなんですね」と答える。
ソラは質問する。
「このおっきいのは何ですか?」
女性はニコリとする。
「この場所に夏という季節がなくて、作ったんです」
「夏を、ですか?」
「中へどうぞ。そちらのお二人も」
ソラたちは、箱の中へと入ると暑い。
暑さがあり
海がある。
青い海。
中は暑く、ソラは海へと走る。
「わー!海だ!あつい!」
ルーはヒョロロと飛ぶのが弱くなり、ソラの頭の上にいる。
「暑いな。おぬし」
「ルー。暑いの苦手?」
「そうだな」
そこへ、物語見守りの女神とミヨは水着姿だ。
女神は黒の水着。ミヨは青の水着?
ルーが質問する。
「どこから水着を」
白衣の女性は「どうぞ、遊んで行ってください」と、いってる。
ルーはソラの頭の上にいて、海で楽しそうに遊ぶ女神とミヨを見つめる。
「元気いいな」
「ルーは元気ないね。出よっか」
ルーは砂浜へと座る。
「おぬしも遊んできたらどうだ?さっき、断ってただろう。我のことは気にするな」
ソラはブンブンと顔を振る。
ルーを抱く。
「ルーといる!」
そこへ、女神が来る。
「おやあ、なんかバテてるね。水持ってこようか?ミヨが」
ミヨは「私ですか!?聞いてきます」と行ってしまう。
ルーは水着姿の女神へという。
「我を気にしなくていい」
ミヨは、コップを持ってくる。
ルーの近くへと行く。
「どうぞ、水です」
「ミヨはしっかりしてるね!次が楽しみ!」
ミヨはルーを抱くと、水を飲ませていく。
「すま………」
ルーはゴクリと水を飲んでから気づく。
水着姿の女性に抱かれている。
ルーは、「感謝する……」と、すぐにソラの頭に戻る。
女神はニコーッとする。
ルーは目をそらす。
ミヨはいう。
「女神様。あの、遊んでたんですが、これは教えられてるんですか?」
女神は「教えてる。教えてるよ!自分で触って、感じる。それが大事なの!」という。
ソラは、「ありがとうございます。ミヨお姉さん」という。
それから、ルーはソラの頭の上にいた。
水着姿の少女たちは見ないように。
そこへ、女神が来る。
「ねえ。ルーさん」
水に濡れた女神。
美しい。
ソラとルーは見つめる。
「何だ?」
「もう大丈夫?」
「大丈夫だ」
「そっか。ソラちゃん。そろそろ行く?」
ソラは答える。
「あ、はい!行きます」
「私たち着替えたらついていくわね!」
ルーはいう。
「まだついてくるのか?」
「うん!」
女神はソラの方へ来る。
ルーはうつむく。
女神の水着姿を直視しないようにする。
「ソラちゃんはルーさん。大好きなのね。かわいいわー」
ソラの頭をなでると、女神はミヨの方へ行く。
「またあとでね。ソラちゃん。ルーさんも」
ルーはうつむく。
ソラは外へと出る。
白衣の女性はいう。
「楽しかったですか?」
ソラはニッコリとする。
「はい!楽しかったです!ありがとうございました」
女性はニコリとすると、物語見守りの女神の元へと行く。
ミヨは不思議そうにする。
「女神様…ですよね。どうでしたか?」
女神は海や、砂浜や空を見る。
「いい感じね。あ、でも。暑すぎるのかもしれないわ。だから、丁度よくがいいかも、あと…砂に水こぼれたあとが長く残ってたから、そこは修正かも。あと、海がすこーし、痛いかも」
白衣の女性は頭を下げる。
「ありがとうございます。そこまで見てくれてたんですね」
ミヨは女神を見つめる。
物語見守りの女神は微笑む。
美しく。
「すばらしいものを作りましたね。私はここ好きですよ」
ミヨは気づく。
よく見てる。よく、感じてる。
物語を見守る女神へミヨは輝く目を向けた。




