キーホルダーの話
ある森の中
「ねえ……………」
ピンクの髪色の少女は、座る。
絶望の目だ。
「…………どうしてこんなこと………」
俺は地面にあお向けに寝ている。
俺の手にはピンクの髪の少女の命が握られている。
キーホルダーとは、色々な鍵をまとめているもの、という意味らしいが、俺の持つのはピンクの心の形のものがまとめられている。
俺は、そのキーホルダーを彼女へ向ける。
「お前の命、取り戻したからな」
「私の命…………別に…………私の命は食べられるはずだったのに………なら………なら」
俺の前でかわいらしい表情が変わっていく。
悲しそうだ。
「俺のキーホルダーをあいつらにやった」
彼女は、俺の手を掴む。
「なんで、どうして、決まりなんだよ!?なのに、どうして!」
彼女は涙目だ。
それでも、俺はキーホルダーを向ける。
「お前の命。受け取れよ」
「私!いってく……!」
俺は彼女の腕を掴む。
強く掴む。
「これが俺の命の使い方だ。邪魔させない」
彼女は泣いている。
でも、俺は絶対に嫌だった。
彼女は俺の腕を払おうとしても俺は離さない。
「………なんで………!ねえ!」
「俺の命。どうやって使おうなんて考えてた。ごめんな。勝手なことして」
「私は…………」
彼女は、座り込む。
俺は笑う。
ちゃんと笑えてるかわかんないけど。
「生きてくれ。俺なんかの命が、役にたてたはずだ。だから」
「やだ、やだよ………なんかじゃないよ………!」
俺の手を握ってくれる。
彼女が握ってくれてる。
うれしい。うれしいんだ。
____
ソラとルーは森にいる。
ソラはビクッとして木の後ろに隠れる。
そっとのぞくと。
何か緑の生物がいる。
二足歩行だが、人ではない姿。
三体ほどいて、一体は、何かピンクの心の形のまとめられたキーホルダーのようなものを持ち、バクリと食べてしまう。
ソラはよくわからないがじっとして、生物が遠くに行くのを待つ。
どこかへ行くと、まだ待ってから、動き出す。
ソラはルーへという。
「何かいるよ。ルー…」
ルーは静かにいう。
「気をつけて行こう。おぬし」
ソラとルーは進む。
どこかで泣き声がしていることは分からない。




