表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空の存在  作者: 進道勇気
107/215

迷う話

迷いとは現実では迷えない。

迷えるのはここだけ。


迷う人や、人以外の存在。

全員が迷ってる。

迷ってる、それぞれの理由で。

現実では迷えない。

時間は動くから。

遅くも早くも動く。

ここは止まっている。


人はいう。


「僕は、まだ考えないと」


人以外の存在もいう。


「私はまた、選ばなきゃ、どっちにしよう」


全員がしゃべる。


「迷える場所があるなんて、よかったよ。なかったらもう…俺は」


“「みんな迷ってるんだね。あたしもだよ」”


そこへ、小さな少女。

ソラが来る。


ソラは端っこへ行く。

浮かぶ小さな犬。

ルーと話す。


「ルー、いっぱいいるね」


「迷うことが許される場所だな…」


ルーは迷い、迷う全員を見つめる。

ソラはいう。


「迷うかー私は迷わないよ!ルーがいるから」


迷うのは、他の意味もある。

どうこれからあるのかとか。

ルーは、いう。


「我は迷うぞ」


「ルーが迷うなら手をつなぐよ!そうすれば迷わないよ!」


迷う。

迷う。


「そろそろ出るか?おぬし」


「う、うん!」


そこへ男性が来る。

黒髪のスーツ姿の男性。


「まだここへいていいんだよ?どんなことが現実で起きていたとしても迷うことは、あるはず。ここは迷うことが許される。“迷い許し”の場所」


男性はソラへニコリとする。


「迷って、十年もここにいる方もいるんだよ?君たちも迷いはあるだろう?いていいんだよ?許されるんだよ?進まなくてもいいんだよ」


男性の隣を遠くで話していた人や人以外の存在が通りすぎて、進んでいく。


男性は、笑う。


「迷い続けていいんだよ?あの方たちは行くみたいだけど」


ソラはにこっとする。


「私たちも行きます!」


「迷えることが許されるのに?」


ソラはルーの手を掴むと行ってしまう。


男性はソラを見つめると、後ろを向く。

まだたくさん残ってる。


「行くものはいってらっしゃい。行かぬものは迷えばいい」


男性はニコリと迷うものたちの中へと行く。

迷う。

迷う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ