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空の存在  作者: 進道勇気
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円柱の話

円柱の形が荒野にある。

円柱が並んでいる。

その円柱へ、ソラが歩いていく。


「わー!ねえ!ルー」


小さな犬、ルーは答える。


「なんだ?」


「なんかいっぱーい!」


「そうだな」


円柱はきらりと光る。

そこは、斜めに流れる赤と青の色。


“「空の気。くれる?」”


小さなかわいらしい声が円柱からする。


“「くれる?」”


ソラは不思議そうにする。


「“くう…のき”?ってなんですか?」


“「くれる?」”


ソラは答える。


「いやです」


ソラははっきりと嫌だという。


“「なら、あのね、一番向こう、黄色と緑の場所…………行って」”



ルーはソラと共に行く。

端の円柱。

それは、黄色と緑が流れる。


「これ、かな?ルー?」


「これだな……」



そこへ声がする。


“「おやあ………誰か来てくれたかいな」”


おじいさんの声。


“「あんたさん。ワシの後ろのボタンを押しておくれや」”


ソラは質問する。


「押すと、どうなりますか?」


“「当分はこどもたちは空の気はいらなくなる」”


「押して、いいんですか?」


ソラは後ろへまわるとボタンを見る。


「押します」


押すと、おじいさんの円柱は一言。

安心するようで、哀しげな声を出す。


“「ワシらは奪い、ある。だが、もう奪わなくてもいい。が………ワシに続くあの子たちはすまぬ」”


そして、多分ソラへ向けて。


“「ありがとう……」”


パキッパキパキと円柱は割れて崩れる。

ソラは見つめる。


「あ……………」


ルーは他の円柱を見てから、ソラを見る。


「行くぞ」


「え、うん!わかった!…………あのね、ルー。これでよかった………?」


ソラは困る顔をしたが。

ルーは迷いなく答える。


「これでよかった」


ソラは笑う。


「うん!」

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