2.5
僕の奥さんの名前は、ジュリアン・クロディア。宰相閣下の末娘です。
宰相閣下には四人のお子様がおりまして、それはそれは厳しく教育をし接していたのですが、末娘の奥さんには甘かった様です。ファシーラ公爵家の唯一の娘であり、三人の兄達とも年が少し離れている為、大層可愛がられながら育ったせいか、自由奔放で興味がある事には、自分から果敢に向かって行く人であります。マナー勉学共に一通り合格されてるみたいですが、性格は簡単に治らなかったみたいで、宰相閣下も頭を抱えていた処に僕が現れたので、押し付けられたとも言えるのでしょうか。
僕の性格を把握した後に宰相閣下が実際に彼女と現場で会わせられ、その後お見合いと言うか改めて顔合わせをさせられたのです。全く良い迷惑です。
まぁ、僕的には、上司の言うことを聞いていただけなのでこの時は結婚なんて考えていませんでしたがね、以外にも彼女の方が僕に会いたかったみたいで、父である宰相閣下に願ったみたいです。
僕は上司には逆らえませんからね、言われるまま彼女に会ったのですが、会った途端彼女の方がツンケな態度を取るので。
「僕は、結婚に興味有りません。仕事さえ出きれば良いので。」
そう口にして席を立つと。
「えっ、あっ。待ってください。私、あなた様の事が好きなんです。ですから、私と結婚して頂けませんか?」
顔を真っ赤にさせて、決意を込めた言葉の後に極小さな声で "言っちゃった" と溢していました。
それに対して、僕はクスリと笑みを溢してしまい、彼女が此方を凝視しながら。
「えっ…、何で笑って……。否、あっ、えっと。その……。」
何度も何度も口を動かして、言葉を出そうとしてるのだけれど、上手く纏まらずにあたふたしてる姿を見ていたら可愛らしい人だなぁ、彼女なら飽きることはないだろうと思い。
「分かりました。結婚しましょう。まずは、婚約と言うことで良いでしょうか?」
僕は、彼女の逆プロポーズを受けることにしました(後日、僕からもプロポーズはしましたよ。女性に言わせたままはしゃくですからね。)。
彼女は、目を大きく見開き、驚いた顔をしながら、何度も縦に首を振ります。
もう、そんに首を振って、首を痛めませんかね。
何て心配しながら。
「宰相閣下には、僕から告げても?」
笑みを深めて僕が訪ねれば。
「お父様には、私から伝えますから、絶対に言わないでください。」
彼女は、恥ずかしいのか強めに脅してくる。
赤い顔をして言われても、全然恐いとは思えないんだが……。
「そうですか。貴女の善いと思った時期でつたえていただければとおもいます。それでは、早速ですが、明後日在る劇団のチケットがあるのですが、一緒に行っていただけませんか?」
断られる事を前提で誘ったのですが。
「えっ、と。明後日ですか?……はい、喜んでお付き合い致しますわ。」
って、さっきとうって変わって嬉しそうに答える彼女。
そして、彼女が了承したのにとんでもない事が……。
思い返すと本当に僕を飽きさせない彼女ですね。
窓に目を向ければ、丁度村に付いたので、この話しはまたの機会に……。