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あなたに送る物語を

作者: 榊 凪

 人は絶望した時こそ、輝ける。



 彼は日記をつけていた。


 とある春の日は、桜を見た。








 いつの日か分からない日記だ。日付は記されていない。




 ━━


 病室から見える大きな枝垂れ桜がとても綺麗でした。


 1週間後に大きな手術が控えていて少し怖いです。


 今まで生きてきてここまで大きな手術はしたことがなくて、怖くて夜も眠れません。

 だけど、沢山の鶴やお守りで埋め尽くされたこの部屋は私のかけがえのない宝物でした。


(強く擦られた跡)


 お母さんが今日来てくれました。

 学校の友達からの手紙を持ってくるためでした。


 お母さんは少し痩せこけて、涙袋は潰れていました。大きな隈があって心配をかけているのかな……と思いました。



 お母さんは私の横に腰掛けてそっと手を握ってくれました。

 なんども、何度も手を摩り「がんばって」と声をかけてくれました。

 とても勇気が湧いて安心することが出来ました。



 お母さんは用事があると、直ぐにどこかへ行ってしまったけど、とても愛を感じました。



 持ってきてくれた手紙は沢山ありました。


 一日で読めるかな……なんて心配したけど、ゆっくりと読みたいから気持ちを込めて読みました。


 宮藤ありがとう。

 あなたの気持ちよく分かりました。

 大好きだなんて僕には勿体ないよ。


 他にも沢山読んだよ。


 みんな、僕のことを心配してくれてありがとう。



 先生が言ってた。この手術で失敗しちゃったら僕は死ぬかもしれないって……。


 でも、先生は言ってた。

 必ず命を繋げてみせるからって……。


 僕ね、正直死んでもいいかなって思ってたんだ。

 だって、助かる見込みはほとんど無いよって言われた病気だったから……。


 沢山お金がかかって、色んな人に迷惑をかけてたくさんの人を泣かしてしまったから。


 先生は言ったよ。だから、元気になってねたくさんの人を笑顔にしなさいって。


 だから、僕はこの手術が終わったら色んな人を笑顔にできる何かをやるって決めた。


 んー何にしようかな……。


 そうだ!


 僕の好きな漫画を書こう!

 そして、色んな人を笑わせて感動させて、笑顔にするんだ!


 だから、僕は病気に負けないから……。


 みんな、ありがとう。






 ━━


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