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君と会えない一ヶ月  作者: ケイト
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9月23日 最悪の誤爆LINE

例のLINEから数ヶ月経ち、私たちの関係は今までどおりで、なんの進展も変わり映えもなく、月日だけが流れた。

二週間に一度程のデート、ランチを食べ、身の回りで起こったこと、時事ニュース、その他たわいのないことを話して、解散。

そんな日常が過ぎ、次第に彼への不信感も忘れていった。


それに私にはとても楽しみなイベントが控えていた。

大学時代の友人と行く沖縄旅行だ。

沖縄は私にとって初めての場所。

私は人並み以上に旅行好きで、日本全国津々浦々、様々な観光地を旅したが、沖縄は一度も行ったことがない。

それは同行する友人も同じで、特に彼女は沖縄料理好きで、沖縄アンテナショップ巡りも楽しむほどに沖縄に憧れていた。

なので今月9月末に企画している今回の二泊三日の旅行は、私たちの大きな楽しみになっていた。


それは沖縄旅行を数日後に控えた日に起こった。

彼、靴名善之は名古屋の大学で教鞭をとる准教授である。

ちょうど今は研究発表のため、イギリスのロンドンで開催されている学会に参加する海外出張中で、今日は確か彼が出張から帰国する日だった。

私は彼の学会での発表をねぎらい、帰路の無事を願うLINEを送り、帰国を待った。


「先程飛行機が無事離陸し、日本に戻ってきました」

「イギリスのお土産にアクセサリーを購入してきました」

彼から二つのLINEが届いた。


年数回の国際会議への海外出張を精力的にこなす彼は、いつも私に海外からの珍しいお土産も準備してくれていた。

その中でも海外の珍しいアクセサリーは私が最もうれしいお土産だった。

身につけられるアクセサリーは彼からの愛情を肌で感じることができる。

私はその真心を純粋に喜んでいた。


感謝する旨のLINEを送り、私はしばらく他の用をこなすため、携帯から離れた。

日頃忙しい彼の負担にならないよう、あまりLINEを頻繁に送り過ぎないようにするくせが、私には染み付いている。


一、二時間程度、携帯から離れていただろうか。

彼の帰路の様子はどうか、LINEの返信が来ていないか、携帯に目をやった。


彼からは三通のLINEが来ていた。


「色んな女性と同時進行されていますよ。勝てるかな?by M」


「善之さんのせいで眠れない。

言いたいこと言うと私が体調を崩しても写真をねだるばかりで心配もしてくれない。

仙台に来ようともしてくれない。

電話もしてくれない。

私より事務さんの方が結婚の対象でいる。

どれだけメールしても無視。

忙しいのはお互い様。

おかしいと思わないの?

不思議でならない。」


「あなたの末路」


???

読み終えた私の脳内はその文章の意味が全く分からず混乱した。

何を言っているのか?

彼は私を責めているのか?

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