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罵られ捨てられた少年と魔物使いの少女  作者: 儚月
第一章 少年の出会い
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第二話 魔法とは

しばらくシンさんの後を追って歩いていると古びた祭壇のようなところについた。直径10メートル高さ5メートルぐらいの祭壇は苔むしていてもかつてあった神聖さを失っておらず、祭壇の周りだけない木々が光を取り入れ、そこだけがまさに別世界の様になっていた。


『ついてきたか。では、まず魔法とは何かを教えてや...』


「待ってよ! まずなんでこうなったかを説明してよ」 


シンはカレンの顔をまじまじと見ると大きなため息とともに


「お前がこっちの話を遮るようになるとはな...昔とは大違いだ」


そう言って何か納得しているようだ。昔に何かあったのかな。僕も状況を聞きたいのは一緒だし質問をしておこう。


「シンさん、僕もわからないので先に経緯について教えてください」


そういうとシンはこっちを見てまたため息をついた。


『お前、年の割にしっかりとしているな...。分かった先に説明をしておこう』


そういうとシンは自分たちに語ってくれた。


シン曰くここの魔物は上位以上が滅多に人間なんて来るところじゃない場所だった。そんな中、木の実をいつも以上に集めているカレンを見つけたので問うてみると人が倒れていたそうだ。

この森にはかなり珍しい魔物や素材が無数にあるのでそれ目当ての冒険者と思いカレンとともに様子を見に来たらしい。


その先で見たのはカレンと変わらないぐらいの少年が無傷で倒れている場面だった。少年は武器など何も持っていなかったので魔法使いかと思い魔力を見てみたそうだ。そこにあったのはいままで見てきた人間を遥かに超える圧倒的な魔力量と、全く使われておらずただ漏れ出しているだけの魔力だった。なかなか面白そうだったので暇つぶしがてら鍛えようと思って連れてきたらしい。


「その話を聞くと僕の魔力が普通より多いということですか?」


『まあ、単に多いというより、他のやつらより格段に多いぞ。なかなか鍛えがいがありそうだ』


シンはくつくつと笑みを漏らしている。僕は断ることもできそうにないので話に身を任せようと決心した。


「てことは、レイ君って魔法を使えるの?」


カレンがそう聞いてきたので僕は


「そうだよ、ちょっと見てて」


そういうといつもより大きい魔力弾を作り適当に近くにあった木に向けて撃った。すると木は大きな音とともに木が崩れ落ちた。

あれ?いつもはこんなふうにはならなかったのに何でだろう?大きくしたのがいけなかったのかなぁ。


「なにこれ! すごい!」


『お前、ただの魔力弾でここまでの威力をだせるのか...。』


カレンは純粋にほめ、シンはどこか呆れているようだった。


「まだまだできますけど、やりますか?」


『いや、もういい。ところでお前はそれ以外の魔法は使えないのか?』


「え? 魔法ってあれ以外にあるんですか?」


つい聞き返してしまった。シンさんの口がこれ以上ないほどに広がっている。おかしなことを言ってしまったのだろうか。


『お前、ほんとに知らないのか?』


「はい、全く知らないです」


なんかシンさんの顔が表現できない感じで歪んでいる。


『わかった。まず魔法とは何なのか基礎から教えてやろう』


そうして始まったシンの説明は長かったがとても興味深いものだった。


基本的に魔法とは6つの属性がある、火、水、風、土の四台元素と光と闇を加えた6属性だ。

ただ、レイが使う魔力弾などの純粋な魔力魔法はこの中に当てはまらず無属性として扱われることが多い。6属性と無属性を比べると無属性の方が圧倒的に弱く使っている人がほとんどいないため、そもそも無属性を知らない人の方が多いかったりする。


魔法は学校などで習うことが当たり前であり、学校の存在を知らなかったレイが属性魔法を使えないのは仕方のないことであった。シンは風魔法が得意であり、その応用で情報を集めれるので今では闇以外の全属性を操れるようになったという。


『試しに風の基本魔法を見せてやろう』


そう言ったシンはおもむろに前足を振ると風の刃ができ、目の前の木が真っ二つになった。


『今のは「風の刃」という魔法だ。他の属性はこんなのがあるぞ』


言った後、近くの木の葉に火が付き地面がひとりでに掘られたかと思うとそこに水が現れた。


『どうだ。魔法というものが少しはわかったか?』


「村に時々来ていた魔法使いの人は必ず魔法を使う前に、ぶつぶつと独り言を言っていたのは何か関係があるんですか?」


村に来ていた魔法使いは皆、魔法を使う前に何かを言っていたのだ。小声だったのでなんて言っていたかはわからなかったがぼそぼそとつぶやく様子が気になったのだ。


『それはたぶん詠唱だろう。大魔法やそれに並ぶ魔法を使うときにするものだ。体の中の魔力を言葉によってより効率的に使うことができるのだ』


「ん? でも彼らが使った魔法はさっきシンさんが見せた魔法と似たようなものでしたよ」


『それは、たぶんその者たちの実力が低かったのだろう。基本魔法にも詠唱があるが普通そんなこと言ってるよりすぐに使った方がいいからな』


シンの説明では魔法は学校で魔道学として教えられ、詠唱学、無詠唱学、魔道工学の三つに分かれているらしい。詠唱学と無詠唱学は名前の通りで、魔道工学は魔道具作りを主としているらしい。しっかりと学園で学べば基礎魔法は無詠唱でできるのが当然であり村に来た者は、学園を中退したような人だと思われるといっていた。


『なんとなく理解できただろう。我は言葉で教えるのがあまりうまくないので実際に魔法を使いながら学ぼう。何か言いたいことはあるか?』


「特にありません。早速魔法を教えてください」


僕は新しい魔法を覚えられることが楽しみでしょうがなかった。





妙におとなしいカレンは説明の途中で飽きて、花飾りを作り始めていた...。

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