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イチゴとお月様
「リンゴー!どこにいるのー?」
リンゴは、見つからない…。
リンゴがいないと、僕は、またひとりぼっちになっちゃう…。
この森のなかで人間は僕とリンゴだけだから…。
僕は、空を見上げて、白くて丸い大きなお月様に向かって呼びかけた。
「お月様、お願いです。リンゴがどこにいるのか教えてください!」
お月様は、何にも言わない…。
お月様なら、空の上からセカイ全部を見ることができるから、きっとリンゴがどこにいるのか教えてくれると思ったんだけどな…。
「リンゴ…。どこに行っちゃったの…?」
というか、ここどこだろう?…リンゴを探して森の奥まで来ちゃったけど。
僕、1人でこんなところまで来たことないし…。
「僕、迷子になっちゃった…!!」
僕は、地面に座り込む…。今日は、もうここで寝よう。疲れちゃったし、眠いし…。
明るくなれば、帰り道がわかるかもしれないし…。リンゴ、どこ行っちゃったの…?
リンゴがいない夜。
ひとりぼっちの夜。
お月様が静かに照らす夜…。
リンゴがいないと、眠れないと思ったけど、僕のまぶたはが僕の瞳を閉ざして…。