001
……………。
…………、ここはどこだろう?
…………、何だか、長い間眠っていたような気がする。
…………、眠っていた?でも、何で?
…………、ちょっと待て……そもそも僕は……誰なんだ?
…………。
………。
……。
『……そろそろ完成するはずなんだけどなぁ……』
『どうせあなたの事だから失敗したのでしょう』
『それを言わないでくれよ……』
人が二人……僕を見ている。
あれ……でも誰が僕を見ているのだろう?
『あっ!藍川さん見てくださいよ!』
『言われなくても見ているわ』
『ほらほら!意識が!』
何だか……何もかも分からない。
とりあえず……眠るのにも飽きたし、起き上がるとしよう。
「…………」
僕は目を開き、ベッドから起き上がる。状況がまるで確認できない。
「わっ!わわわわっ!ほら見て見て!動いた!成功した!!」
「本当に……復活したのね……」
一人は慌てふためき、一人は驚いているようだが、それを表情には表さない。
この二人は……一体。
「大丈夫っすか『セツナ』さん!?」
セツナ……もしかして、僕の名前?
という事は、この人は僕を呼んでいるのか。
「……僕は……一体……?」
「あなたは長い間眠りについていたのよ。とても長い眠りにね」
長い黒髪の女性は澄ました表情をし、そう答える。
「長い眠り?……それってつまりどういう事なんだ?」
「あなたはさっきまで……死んでいたのよ」
「…………はい?」
何を言ってるんだこの人は。
死んだって……僕が?でも僕が死んだのなら……ここにいる僕は何なんだ?
「どうやら自分は何者なのか、かなり困惑しているようね」
「……正直言う所」
「……あなたは二年前既に死んでいるのよ。不慮の事故でね。それで今のあなたは……」
この時の僕は正直、頭が混乱していた。
だけど、この言葉には衝撃を受けた。もう何が何だか……さっぱりだった。
「サイボーグとして復活したのよ」