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第4話 「女子更衣室という最大の試練」


四時間目。

それは突然やってきた。

「今日は体育だ」

先生の一言で、教室がざわつく。

そして俺――桜井翼の心臓は止まりかけた。

なぜなら今の俺は。

女子の体だからだ。

「……終わった」

小さく呟くと、前の席から声がした。

「ひなた、どうしたの?」

振り向くと、美咲が不思議そうな顔をしている。

「あ、いや……」

なんとか笑う。

だがその瞬間、隣の席から小声が飛んできた。

「つばさ」

俺の体になっている 水野ひなた だ。

「な、なんだよ」

「今から女子更衣室よ」

「知ってる」

「がんばって」

「他人事だな!」

だが逃げるわけにもいかない。

チャイムが鳴る。

女子たちは一斉に立ち上がった。

「着替えよー」

「今日はバスケだって!」

そして流れのまま、俺も女子更衣室へ向かう。

ドアの前で足が止まった。

「……」

人生最大の緊張である。

だが後ろから美咲が言った。

「ひなたー?入らないの?」

「い、行く!」

覚悟を決めて中へ入った。

女子更衣室。

そこは。

未知の世界だった。

女子たちが普通に制服を脱いでいる。

「……」

俺は壁を見つめた。

必死に。

絶対に。

見ないように。

すると横から声がした。

「ひなたどうしたの?」

美咲だ。

「着替えないの?」

「い、今やる!」

俺はロッカーの前に立った。

だが。

手が止まる。

制服を脱ぐということは――

この体のまま、着替えるということだ。

心臓がうるさい。

その時。

美咲が言った。

「早くしないと遅れるよ?」

「わ、わかった!」

俺は背を向けて着替え始めた。

とにかく急ぐ。

スカートを脱ぐ。

体操着を着る。

数秒後。

「……できた」

振り返る。

女子たちはもうほとんど着替え終わっていた。

美咲が笑う。

「ひなた今日ほんと変だよ」

「そ、そう?」

「なんか挙動不審」

図星すぎる。

だがその時。

男子更衣室の方から声が聞こえた。

「おーい翼ー!」

俺はびくっとした。

ひなただ。

つまり――

俺の体のひなた。

「なんだよ!」

思わず大きな声が出た。

女子たちが振り向く。

美咲が首を傾げた。

「ひなた、なんで翼にそんな怒ってるの?」

「え、いや……」

やばい。

完全に怪しい。

その時。

体育の先生が言った。

「全員グラウンド集合!」

女子たちは外へ向かった。

俺はほっとする。

だが。

グラウンドで、ひなたが近づいてきた。

小声で言う。

「つばさ」

「なんだ」

「男子更衣室、地獄だった」

「こっちもだ」

俺たちは同時にため息をついた。

だがその時。

体育の先生が言った。

「今日はバスケの試合をする」

俺は嫌な予感がした。

先生が続ける。

「男女混合チームだ」

俺とひなたは同時に固まった。

「「やばい」」

なぜなら。

今の俺は。

女子の体で男子とバスケをすることになるからだ。

そしてひなたは。

男子の体で女子とバスケをする。

つまり――

完全にカオス。

俺の入れ替わり生活は、

まだまだ

始まったばかりだった。

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