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プロローグ 「人生で一番おかしな朝」

朝。

目覚まし時計の音が、部屋に鳴り響いていた。

「……うーん」

ベッドの上で体を起こす。

眠気の残る頭で、いつものように一日が始まる――はずだった。

だが、何かがおかしい。

まず視界の感覚が、どこか違う。

それに、体のバランスも妙に変だ。

「……ん?」

胸のあたりに違和感がある。

布団の中を見た瞬間、

俺――桜井翼の思考は完全に止まった。

そこにあったのは、

見覚えのない体だった。

「……は?」

思わずベッドから飛び起きる。

鏡の前に立った。

そして――

鏡の中にいたのは、

俺ではなかった。

長い髪。

見慣れた顔。

それは、幼なじみの少女――

水野ひなただった。

「え……?」

状況を理解できないまま立ち尽くしていると、

隣の部屋から、

聞き覚えのある声の悲鳴が響いた。

「きゃあああああ!!」

その声は間違いなく、ひなたのもの。

だが次の瞬間、

部屋のドアが勢いよく開いた。

「つばさぁぁ!!」

そこに立っていたのは――

俺の体をした、ひなただった。

数秒の沈黙。

そして、俺たちは同時に叫んだ。

「「なんであんたがあたしの体なの!?」」

こうして始まったのは、

原因不明の

男女入れ替わり生活。

それが、

俺たちの毎日を大きく変えることになるとは、

この時はまだ

誰も知らなかった。

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