2話 帰り道は捨てた
翌日の朝
「…今日は何をしようか…飯は食ったしな…」
いつも通り何も無い日だと思っていたその時
「お前ら!学校に陽栄軍が奇襲してきたらしい!」
東部外壁に仕掛けておいたから盗聴器から不穏な言葉が突然聞こえてきた。
「厄災の前兆を出せと言ってる!早く行かないと死人が出る!」
その言葉と共にスタスタと、冷静に焦ってるような足音が聞こえ、少しして聞こえなくなった。
(陽栄軍が俺を?こんな急に?…バルトか)
俺は≪総黒渦≫で学校上空に移動した。
学校上空
「≪真眼≫」
(…契約…約4万を余分に使って力を強くして生き返ったのか。全員屑だし、いいか)
俺は≪永闇孤光≫で雑兵を消し飛ばし、唖然としたバルトの目の前に降り立った。
「遺言は決まったか?」
「…は?」
「遺言は決まったかと聞いている」
「な、何を言って」
「お前は相手との実力差を見ないのか?その程度強くなったくらいで慢心するのは流石としか言いいようが無いな」
「さっきから言わせてばふざけやがって!!」
バルトは前とは比にならないくらいの速さで殴りにかかろうとしたが、動き出した時には既に四肢は無かった。
「ッ!?」
(あいつの動きが見えな…いや、違う…動いてなかった…こいつ、ノーモーションで四肢を…!)
俺はバルトが動き出した瞬間、総黒渦でバルトの四肢だけ入れ、そのまま総黒渦を閉じて四肢を切断した。
「いらねえからやるよ」
俺は≪総黒渦≫で必然的に入れてしまった四肢を、バルトの胴体に突き刺した。
「何か言い残すことは…あ、そうか。叫べないし喋れないか。まあいいや。死ね」
俺はバルトの口に足を突っ込んで捻って顎を外し、開いた口に3発入れた。
(…潰すか)
そこに残すのは嫌だったから、≪真眼≫で潰した。辺りに血が飛び散った。
「…疲れた…」
俺が帰ろうとした時だった。
「クソッ!」
頭に複数の魔法が飛んできた。
(弱いな、生徒のか)
俺は振り返り、学校にいる全員を≪真眼≫で見た。
(…そうか、そんなに俺が憎いか。…あ、俺と同じの奴もいる。でも10人…こんなもんか)
俺は生徒らと1人を除く先生らに、糸のような細い線を四肢のどれか1つに通しては次の生徒(先生)のどれか1つの四肢に通した。そして、全て終わった。
「≪軌跡≫」
俺はスキル≪軌跡≫で俺の手元の糸から爆破し始めた。学校から焦った声が聞こえ始める。腕や足を振ったりちぎろうとしたりするが、全く効果は無い。徐々に迫ってくる爆発はそこ知れぬ恐怖だろうな。爆破が始まって少しした時
「…ま、来るよな」
「ッ!」
ガリヤードが殴りかかってきたが、≪永闇孤光≫で拘束して止めた。
「くっ…レオ!!」
(…この状況でもその名前で呼んでくれるのか…)
「…1年ぶりだな、ガリヤード。できればこんな形で会いたくはなかった」
「止めろレオ!!相手は人間だぞ!!冷静になれ!!」
「お前にはあれが人間に見えるのか?命に見えるのか?あいつらは深く考えもせずふざけた理由で私刑をしている。暴言や石を投げる程度でも、簡単に自殺に追い込める。それすら分からずに本気で殺しに来てる。子供の手本となるべき大人もだ。これまでは英雄隊やキルとかのがあるから、多少慈悲をかけて殺してないだけだ」
「だが!」
「黙れ」
≪永闇孤光≫でガリヤードの口を塞いだ。
「…まぁ、見るのは嫌だろうし、苦しめるのはやめる」
「ッ!」
「安心しろ。俺と同じく歪んでああなった奴とかは避けてる。そして…死ぬのはお前の生徒じゃない。快楽の道化だ」
俺は特定の生徒を≪心牆≫で守った後、≪烈火の氷風≫で学校ごと爆発させた。
「…ガリヤード。1つ言っておく」
「…」
「俺は隊長になったつもりは無い」
「ッ!」
「じゃあな」
俺は≪総黒渦≫を開き
「…疲れた…」
家に帰った。