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高校生活が終わる  作者: チヨダ・コーキ
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5 更紗「放課後(前)」

     (5)

 学校が終わったら家に帰る。

 家に帰って、ご飯を食べて、テレビ見て、スマホ触ってたらいつの間にか11時になってる。そんな生活が続くと思ってた。小学校、中学校、そして高校。あと半年もすれば、12年続いたこの生活とも離れることになる。

「サラー、帰りコンビニ寄ってこー。」

「えー、昨日も寄ったでしょ?」

 チャイムがなると帰り支度を始める私達の横で、弦さんが窓を全開にしていく。私達に代わって、弦さんがクラスの掃除を請け負ってくれていた。「さっさと帰って勉強しろよー。」との事らしい。一日の溜まった空気が一気に吹き抜けて入れ替わっていく。

 窓を開けるって大事なんだと思った。

 今日一日、私達は受験生をしていて、将来について考える時期は多分少し過ぎていて、今はそれのためにしっかりと座って考えなきゃいけなくて。つまり動きにくくなってる。

 あの窓から流れてくる風が、多分そんな私達の隙間に挟まった誇りをフッとどこかへ払ってくれているようなきがした。

「いいの。今日はチョコミントのチッパチャップス買うんだぁ。」

「ホントにコンビニの飴、全制覇するつもりなんだ。」

「舐めた飴が溶けた分の時間だけ私は勉強を頑張ったという事なのだよ。」

 ふふんと、得意げな表情を作る由奈の事を、私は本当に可愛いと思う。

「それ、糖分ヤバそうだけど。」

「それ聞きたくない!」

 ケタケタと私たちは笑った。

 こんな風景も、あと3ヵ月。

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