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髪は黒く、両耳にシルバーのピアスをたくさんつけて、シャツのボタンをいくつか開けて中の黒いTシャツを見せつけている。
すらりと背は高く、きっと、先輩。
他の部員とは全く違う雰囲気で、あまりにも場違いな人だ。
なんでこんな所に居るのか不思議だったからついじっと見てしまって、私の視線に気づいたのか、細く鋭い目で見下ろした。
その目に、胸がドキッとした。
「お待たせ、帰ろうぜ」
「う、うん」
「綾部先輩、お先に失礼します」
「おー。ちゃんと彼女送って行けよ」
「はいっ」
“綾部先輩”
目が合うと細い目は弧を描き、にっこり笑って手を振ってくれた。
振り返すのは馴れ馴れしいと思い、軽く頭を下げて池田くんの側へ駆け寄った。
さっきの先輩が、なんとなく気になる。
池田くんとどういう関係なんだろう。
あんなに目立つ人がいることを、私は知らなかった。




