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片付けをし、池田くんを迎えに校庭に行く。
いつもみたいな気分になれない。
頭の中は静かに重たい。
ふと前を見ると、綾部先輩が正面からこちらへ向かって歩いていた。
きっと、顔を出しに部活へ行った帰りだろう。
お互い目を合わせる事なく、他人みたいにすれ違う。
しかしその瞬間、誰にも気づかれないように、小指と小指を絡めあった。
絡めた小指しか神経が無いような感覚。
ピリピリと、電気が走って拳を握った。
「池田くん、お待たせ」
また部員に揶揄われながら一緒に校門を出た。
ねぇねぇ、私のこと、何も分かってないでしょう?
綾部先輩とあの後何があったのか、私の耳にピアスが着いてることも。
でもそれはお互い様で、私はもう、池田くんを知る事はない。
少女漫画みたいな、キラキラして可愛い恋に、憧れていた。
池田くんのあの告白に、ヒロインになれる予感をしていたのに。
今では池田くんの真っ直ぐな瞳に見つめられても、ドキドキしない。
全身から溢れる私を“好き”って気持ちを感じても、心は動かない。




