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少し下水の匂いがするけど、そんなことを気にする余裕もなく、行為は進んでいく。
お互いを貪る様に激しく、熱く、奪い合う。
指が肌を伝い、舌を這わせ、細く鋭い目で見つめられると、疼く体。
綾部先輩の熱に体は蕩けていく。
池田くんのことなんて、一切頭に無く、名前も、顔も、声すら思い出さなかった。
私を大切に扱うように触れ、細い指が動くたび、今まで感じた事ない刺激が背中を走る。
もっと乱暴に扱われると思っていたのに、綾部先輩はとても優しかった。
前髪の隙間から見える細い目は熱を帯びていて、きっとこれが、“欲”というものなんだろう。
初めての行為だけど、人並みに知識はあるから、最終的にどうなるのか分かってる。
でも、それまでの過程で自分の体がどんな風に感じるのか知らない。
綾部先輩は何度も「口開けて」と言って、唇を重ね、舌を絡ませた。
手は段々と下へとなぞっていく。




