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どうして名前を知ってるの?
どうして、ここに居るの?
急なことに、頭が回らない。
「ねぇ、なんで連絡くれなかったの? 俺、待ってたんだけど」
「え、あの……」
池田くんとの約束は言えず、黙る。
正直に言ったら、池田くんが不味い立場になるかもしれない。
綾部先輩は「はあ」とため息をつくと、私の腕を掴んだ。
「やっ、」
抵抗は虚しく、強い力で引っ張って行く。
怖い、何が起こるのか分からない。
昇降口から一番近い空き教室に連れて行かれ、ドアを閉められる。
瞬間、唇を塞がれた。
その熱に驚いて、体が固まる。
軽く下唇を噛まれ、熱い肉厚が口内に入って来る。
今まで、誰かと唇を重ねたことなんてない。
ましてやこんな、ねっとりと絡みつくキスなんて、想像もしたことない。
「や、やだっっ」




