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魔法少女☆のどちゃん

作者: 和(のどか)

挿絵(By みてみん)


魔法使いの国のお姫様のケーキを食べてしまい、追われるはめになりました。


お姫様の怒りがおさまるまでは人間界でひっそりと暮らします。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

挿絵(By みてみん)


 ここは、魔法使いの国のお城。


 お姫様はお菓子が大好きで世界中から優秀なパティシエを集めて毎日美味しいデザートやおやつを食べてました。


「のどちゃん、口の周りにチョコがついてるわよ」


 ギクッ


「わ、私、知らないよ、ケーキ何て食べてないから」


「私、ケーキって言ってないよ、チョコって言ったのよ」


「お姫様のおやつのケーキを食べたの私じゃないからね!」


「お姫様のケーキ?やっぱり犯人はのどちゃんだったのね!お姫様のケーキなんて私は一言も言ってないからね」


「ねぇ、ミーシャちゃん内緒にして、お願い!」


 手を合わせて必死にお願いした。


「もう、お姫様カンカンよ!ケーキ20個も食べるなんて」


「違うわよ、私が食べたのは18個よ、きっと他にケーキを食べた犯人がいるのよ、そいつを捕まえよ!」


「のどちゃんが18個も食べるからいけないんでしょ」


「お姫様は20個食べないよ!2個残しておいたんだから!」


 守衛が来た。


「あっ、いた!おい、のど、お前がお姫様のケーキを20個食べたんだってな?」


「20個!?誰が言ったの?」


「お姫様の世話係が見たって言ってたぞ」


「そんなのウソよ!」


 世話係が現れた。


「私が見てたわ、20個食べるのを」


「20個なんて!?わかった!!犯人はあなたね!私が18個しか食べてないのに20個食べたってことにして、あなたが2個食べて私を犯人にしたてあげたんでしょ!」


 世話係の女の子の表情が険しくなった。


 こいつ・・・何を言ってるんだ・・・言ってることがめちゃくちゃだ!

 それに私が食べたのは1個だ!

 私を2個食べた犯人にしたて上げる気か?


「守衛さん、捕まえてください自分で食べたことを自白しました」


 のどは大急ぎで逃げた。


 のどがケーキをつまみ食いして逃げた事を守衛から騎士団にも報告が入り城中が大騒ぎになった。


「のどが逃げただと!?」


「のどを追え!逃がすな、捕まえろ!」


 のどの捜索が始まった。


 兵士が報告に来た。


「もう、この国にはいないのでは?」


「何があっても捕まえろ!」



 のどは、人間界に来た。


「お腹すいた〜」


 土手に座っていると、のどの近くを学生の女の子が通りがかった。


「あなたどうしたの!もう夜遅いよ、家はどこ?」


 のどが指をさした。


「あの橋の下です」


「あ、ああそう気をつけて帰ってね」


「待ってください、私を泊めてください!」


「何か訳があるの?」


「追われてるんです!」


 えっ!

「そ、そうそれは大変ね、この道を真っ直ぐ行くと左手に交番があるからそこで相談してね!私は急いでるから、さよなら!」


「待ってくださいお願いします!お願いします〜〜〜っ!」


「ダメよ!追われてる人を泊められないわよ!」


 あまりにも必死に頼まれたので、訳を聞く事にした。


「私、お姫様のケーキをつまみ食いして18個しか食べてないのに20個食べた犯人に仕立て上げられて追われてるんです」


「あ、ああそう・・・」


 18個食べたから追われたんじゃない・・・


「あなたは、どこから来たの?」


「私、魔法使いの国から来たのどちゃんです」


「のど・チャン?」


「はい、のど・ちゃんです!名前で呼んでも、のどちゃん、フルネームで呼んでものど・ちゃん、お好きな方で呼んでください」


「あなた魔法使えるの?」


「まだ学生で10回に8回くらい失敗しますが魔法は得意です」


 と言いながら、のどは10回に9回は失敗していた。


「そんなに失敗してるのに得意なの?」


「これでも私はクラスで成績は上位です!えっ、へん!」


「そんなに失敗して上位ってどういう学校なの?」


「魔法使いの名門です!」


 そんなに失敗して名門・・・


 のどには一つだけズバ抜けた魔法が使えた。

 特待生で入学したがそれ以外は落第点だった。


「ケーキ好きなの?うちケーキ屋だけど来る?」


「ケ、ケーキ屋!!お願いします!一生住んでいいですか?」


「一生はダメよ!何日も泊めるわけにはいかないよ、そうね・・・あなた魔法使いなら猫か犬に変身できない?家で飼ってもらえるようにお母さんに話してみる」


「猫にしましょう、猫なら部屋でゴロゴロできそう」


「子猫よ!」


 のどが変身した。


「こ、これが子猫!?」


 二頭身の成長した猫だった。


 二頭身の可愛い猫って聞いた事あるけど・・・


「子猫には見えないけど面白いからお母さん気にいるかも」


 家に着いた。


「お母さん猫飼っていい?」


 のど猫を見せた。


「変な猫ね、病気持ってそうだからやめなさい」


 のど猫が必死にお願いした。


「えっ、猫が土下座してる!?」


「何か病気持ってるといけないから飼うなら病院に連れていかないとダメよ」


「は~い!」


 び、病院!!注射!?


 お父さんが仕事が終わって部屋に来た。


「猫か?前にいたとき使ってたやつ、おっあった!」


 お父さんが猫じゃらしをのど猫の顔のあたりで揺らした。


「あれっ!猫じゃらしに反応しない!?」


 ハルが、のど猫を抱き上げた。


「のどちゃん、ダメよ!猫は猫じゃらしに反応するのよ!」


「面倒くさいよ!」


 お父さんはやる気満々で猫じゃらしを揺らしていた。


 もう・・・しょうがない、やるしかないか・・・


 のどは頑張って、一生懸命猫じゃらしに反応した。


 ハッハッ ハッハッ タタタタタァー ハッ ハァ はぁ〜〜〜ぁぁぁ〜〜〜〜


 疲れた・・・


「お父さんまだやるの?」


「えっ、猫が喋った!」


「喋るわけないでしょ!あなた疲れてるのよ、ご飯にしましょ」


 のど猫もイスに座った。


「あら、お行儀がいいわね」


 のど猫のお皿に煮干しが置かれた。


 これが食事・・・


「不満そうね、明日、猫の缶詰を買ってくるから我慢してね」


「ちゅーるもたくさん買ってこよう」


 そんな物、買ってこないでよ!どうしよう、ネコ缶とちゅーる食べさせられる・・・


「ハルちゃん、猫は肉食だって言ってよ!それに煮干し・・・」


 寂しそうにお皿の煮干しを見ていた。


「もう、私のお肉あげるわよ」


 美味しい〜〜〜!


 スープを飲もっと


 熱っ・・・


「この猫、スプーンでスープ飲んでる!」


「のどちゃんだめよ、怪しまれるわよ」


「だって熱いんだもん」


「何かこの猫、誰かが入ってる着ぐるみに見えてくるわね」


「こんな小さな人間いないよ」


 のどは猫の演技が面倒になり普通に食べだした。


「猫がナイフとフォークを使って肉を食べるのを始めて見た」


 ハルの部屋で元の姿に戻った。


「あー疲れた〜」


「のどちゃんお疲れ様」


「猫も大変ね、ゴロゴロしてるだけじゃないんだね!」


「ケーキいっぱい余ってるからお父さんが食べてもいいって、でもご飯いっぱい食べたから食べられないね!勿体ないけど捨てましょ」


「ダメー食べる!ケーキは別腹よ」


「味がいまいちね、これじゃ10個くらいしか食べられないわよ」


 と言いながら売れ残ったケーキを全部食べた。


「お父さんが作ったケーキあまり人気ないのよ」


「あれっ!こんなに夜遅いのに友達かい?」


「私、のどちゃんです」


「ケーキ好きなの?」


「お父さん、このケーキの原料は何を使ってるんですか?使っているフルーツもデコレーションもいまいち」


「君、ケーキ詳しいの?」


「はい、私は毎日、世界中の優秀なパティシエが作ったケーキをたくさん食べてきました」


 のどは昼間はケーキ屋で働く事になった。


 売れ残りがたくさんあった。


 残ったケーキは全部食べさせてくれた。


 お客さん少なくてケーキが余るのはいいけどお姫様の所のケーキとは大違いね・・・


「お父さん、もっと美味しいケーキを作りましょう」


 お父さんが一生懸命作り、のどが試食した。


「ダメよ、こんなんじゃ、お姫様に出すケーキだったら20個くらいいっぺんに食べられるわよ」


 あまりにも上達しないのでイライラしてきた。


「私が作る!」


 のどちゃんがお父さんから作り方を教わり二人でケーキの種類を増した。


「君、凄いね!宮邸のケーキみたいだよ」


 お姫様のケーキを毎日盗み食いしていた事がここで役にたった。


 のどは昼間はケーキ屋で働き仕事が終わると.のど猫になって生活した。


 店には毎日行列ができるようになった。


 だが、ある日事件がおきた。


「ハルちゃんどうしたの外が騒がしいし、お客さんが来ないよ」


「この街に凶暴な魔族がやって来て騎士達が戦ってるんだって、街の人達が避難してるのよ!私達も逃げる準備をしないと」


「大変じゃないお店が開けられなくなったらケーキが食べられなくなるじゃない」


「そういう問題じゃなくて命の問題よ」


「私にとってはケーキは命よ!」


 のどはケーキが食べられなくなることを心配して怒りが湧き上がり魔族の所に向かった。


 騎士が魔族と戦っていた。


 のどが、そこに来た。


 倒れてる兵士の剣を拾い魔族のボスに向かって行った。


「あんたがボス?」


「何だお前は?」


「私はのどちゃん」


「名前を聞いてんじゃないここに何をしに来たか聞いてんだ」


「帰れ!ここには二度と来るな!」


 魔族のボスが爆炎魔法を放った。


 のどが、火炙りになった。


 その爆炎から怒りの目をして出て来た。


 その瞳にはケーキが映っていた。


「地獄の業火が効かないだと!?」


「ケーキ屋に被害がおよぶことは絶対に許さない」


 のどがボスを剣で刺した。


 うぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!


 ・・・・・っ!?えっ、い、痛くない。


「なんだこの剣の攻撃は?」


 魔族の皮膚は硬く、本気で剣を刺しても、のどの力が弱くほとんど刺さっていなかった。


「痛いどころか痒い!」


 のどがボスの体中を剣で刺した。


「や、やめろ〜!」


 ボスは、体中が痒くなり笑いだした。


「こんな攻撃はいつまでやっても俺は殺せんぞ!」


 ボスの側近の魔族達がのどに斬りかかった。


 魔族達の体が時間を停止したかのように止まった。


 のどは周りにいる魔族達も剣で刺しまくった。


 配下の魔族達も痒い攻撃をあじわった。


 ある程度時間がたつと、のどが爆炎から怒りの目をして出て来る場面に戻った。


「な、何が起きた!?」


 のどは周りにいる魔族達を再び剣で刺した。


 痒い攻撃が魔族達にに続いた。


「こいつ時間をループさせてる?」


 のどは時間を操作する魔法が使えた。


 ある瞬間における全ての物質の力学的状態と力を知る事ができ、それらのデータを解析できる能力の知性が存在すれば、その知性にとっては不確実なことはなくなり時間を操作できる。


 物理法則の数値化をする事により過去に戻す事ができた。


 物理法則の数値化の計算式を書くことはかなりの時間がかかりその後に魔法の発動となればどのくらいの時間がかかるかわからない、それに確実に発動する保障はない。


 のどは、物理法則の数値を計算式を書く前に答えが解ってしまう天才だった。


 のどは一瞬にして時間を操作する魔法が使えた。


 ループしても魔族達の痒みは残ったままだった。


「こんな攻撃は永遠にはできないぞ!時間を操作してもお前の体力は落ちる」


「休憩にしよ、ケーキを食べて直ぐにもどって来る」


 時間を止めた。


「この魔法も使えるのか!?」


「さあ、体力が回復したわよ!」


 のどが、再び魔族達を刺しまくった。


「痒い!やめろ〜〜〜〜〜〜!」


「お前達のせいで店が潰れるかもしれない、許さない!」


 魔族達は次第に恐怖を感じ始めた。


 この痒さが永遠につづく・・・死ぬまで・・・


 時間を、操作する攻撃を普通の魔法使いができるわけがない、さっき、のどちゃんって・・・のど!?


 ボスが、気づいた。


「あなたは、もしや魔界の魔王様の姫、のどあめ様ではありませんか?」


「その名前で呼ばないで、家出して偽名で、のど・ちゃんって名のってんだから、それにその名前も家出をした原因の一つよ」


 魔界には美味しいケーキがなく魔法使いの国が気にいって家出をしていた。


 襲撃に来た魔族は二度とこの街を襲わないと約束して帰って行った。



 魔法使いの国では必死にのどを探していた。


「のどはまだ見つからないのか?」


「戦争が起きたとき、のどがいないと敗戦するぞ!」


 必死にのどを追っていた。


 魔族はお詫びにのどが作ったケーキを買いに来るようになった。


 その後、のどが作ったケーキの常連になり、おとなしく行列に並んだ。


「もう、魔法使いの国には帰らないでこの国で暮らそ」


 のどは毎日美味しいケーキをいっぱい食べ、夜と休みの日は、のど猫になってゴロゴロする幸せな一生を送りました。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 冒頭の絵本のような展開が可愛らしいですね。ケーキが好きでのんびりとした印象があるのどちゃんのキャラにもマッチしていたと思います。 そんなのどちゃんと相反するようにハルちゃんや彼女のお母さん…
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