君を失ってはじめて君の気持ちを知れた時、僕の心は満たされる!
僕の大好きだった彼女が亡くなった!
“唯一、良かったことは彼女を最後まで看取れた事。”
僕と彼女は、5年も付き合って結婚はしないと二人で決めていた!
彼女は“このままずっと、僕の内縁の妻でいいと言ったからだ。”
僕は何度か、彼女に籍をだけでも入れた方がいいんじゃないかと言ったが、
彼女は僕の話に耳を傾けなかった。
・・・今思えば? 彼女は僕と出会う前から“乳がん”で初期だった事も
あってその時は、薬で散らしてなんとか病状を抑えていたらしい。
でも? 彼女の乳がんは次第に彼女に牙をむく!
“彼女の乳がんがまた、再発したのだ!”
彼女は治療を受けながら仕事も家事もこなしてくれた。
僕とはそういう事もあって、“籍を入れない”と言ったのかもしれない!
彼女なりの僕への心遣いなのだろう。
でも? 僕は彼女が例え乳がんであっても籍だけは入れておけば良かった
んじゃないかと少し後悔している。
あんなに愛した女性は、“後にも先にも彼女だけだ!”
僕の心の中にはいつも彼女が居る。
『“ごめんね、何もしてあげられなくて、”』
『別にいいよ。』
『昨日の晩ご飯は、何食べたの? ちゃんと自分で料理してる?』
『・・・あぁ、ううん、出来てないかな?』
『じゃあ、部屋も散らかっりぱなしよね! 私の病気が治ったら、、、?
部屋の掃除を一番にしないとね!』
『・・・ううん、』
『洗濯は? その服、昨日も着てなかった?』
『そう? でもまだ臭わないし!』
『どれどれ? 臭ッ、臭ってるわよ~本当に!』
『“僕は君が居ないと、何もできない奴だよな。”』
『“もし? 私が居なくなったら? 直ぐに好きな人を見つけて!
結婚しないとね!”』
『な、何を、縁起が悪い事を言ってんだよ! 早く、病気を治して
僕達の家にふたりで帰ろう。』
『・・・う、うん、そうね、』
『いつも僕は君の傍に居るから!』
『“あなたは、私の為に涙を流さないでね! 笑って私を看取って!”』
『だから! そういうのは今はやめよう! 早く元気になってさ、』
『・・・ううん。』
僕は彼女の居る病室を出て、屋上で一人で泣いた。
僕にもよく分かっている。
“彼女の病気がもう治らない事を、、、。”
それでも僕はどこかで、“奇跡が起きないかと”僅かな望みを持っている
それは僕が彼女を失いたくないからだ!
ずっと彼女には僕の傍に居てほしい。
“誰よりも僕が彼女を心の底から愛している事を、、、!”
でも? そんな僕のちっぽけな願いは神様には届かなった。
彼女は次の日、旅立ってしまう。
僕の見ている前で静かに目を閉じて亡くなった。
僕の頭は真っ白になり、僕の心は空っぽになった!
そんな時、彼女の亡くなった病室に一通の手紙が置いてあった。
それは“亡くなった彼女から僕宛に、、、。”
【リンリン リンリン リンリン】
『はい。』
『寿史さん?』
『はい、そうです。』
『“京子さんからあなたへ手紙を残してましたよ。”』
『えぇ!? 僕に、、、?』
『そう、いつでもいいから、取りに来てくれますか?』
『分かりました、仕事帰りに病院に寄ります。』
『そう、じゃあ待ってますね!』
『はい。』
僕はその日、仕事帰りに病院に寄り手紙を看護婦さんから受け取って
家に帰った。
僕は一人、ゆっくりできる時間が出来ると彼女の手紙を読み始める。
Dear 寿史へ
この手紙を今、寿史が読んでいるという事は私は寿史に看取られながら
安らかにあっちの世界へ逝ったのでしょう。
実は私? 寿史にずっと言っていなかった事があるんだ。
“本当の私の気持ち”
【私は寿史と出逢えて幸せだった。】
【私は寿史と一緒に居れて、物凄く幸せだった。】
・・・でも一つだけ!
“やっぱり寿史と籍だけでも入れておけばよかったなと後悔している。”
もうひとつ欲をいえば? 結婚式を挙げて、私の両親にウエディングドレス
姿の私を見てほしかった。
あなたに愛されていた事を家族に自慢したかったの!
でもその願いは叶わなかった。
だけど、亡くなった後も私は変らず寿史を愛してる。
だから、“私が亡くなった後は、新しい女性を見つけて、幸せになって!”
私をここまで幸せにできたんだから! 寿史なら他の女性も幸せにできる
はずよ。
私はお空の上からあなたを見守っています。
ただただあなたは、“幸せになって! その権利をあなたはもっている!”
ありがとう、さようなら。
京子。
彼女の手紙を読み終えた時には、僕の目には涙がいっぱい溢れていた。
最後の最後に、彼女の気持ちを知れて良かった。
そうだよな、籍ぐらいは入れておけば良かったよな。
でも? ウエディングドレス姿も見たかったよ。
僕は天国にいる彼女に向かってそう言った。
ただ、今の僕には正直分からない!
彼女が残した、僕に新しい彼女ができるかは、、、?
“今の僕には叶わない願いだろう。”
最後まで読んでいただいてありがとうございます。




