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漫画の主人公椎名くん

 椎名くん。隣の席の男の子で文武両道でイケメン。女子の憧れの象徴。こんな男の子漫画にしかいないだろって言うような人。

 私はそんな彼の隣の席で色んな女から敵視されている。いい迷惑だ。私は別に椎名くんのことなんて好きじゃないし、とゆうかなんとも思わない。

 そもそもこんな男のどこがいいのか私にはわからない。頭が良くて、スポーツ万能、すごく優しくて、イケメンで、そして…そしてすごく変人なのに。

 まぁ、別に好きじゃないけど、もし告白?とかされたら遊んであげてもいいかなー程度の男かなこんなやつ。

「なぁ、お前」

 椎名くんが私の方を向いて話しかけてくる。

「なによ?」

「アイラ、お前…今日誕生日だろ」

「ええ、そうだけどなにか?」

 え?え?もしかしてプレゼント!?うそ!?別に好きじゃないけどみんなの憧れである椎名くんからプレゼントもらえるって優越感がやばいんですけどーーーー!!!

 落ち着けー。ふぅー、はぁぁ、ふぅー。まだプレゼントとは決まってない。よし

「なんですか?別にあなたには関係ありませんけど」

「そうだな、いやよー、そういやお前今日誕生日ってこの前自分で言ってたからさ。とりあえずおめでとうだけ」

「へ、へぇ、あありがとう」

 ……それだけ!?プレゼントはぁ?

「眠いから寝るわ」

「あ、ちょっと授業中よ!」

「るっせー、眠いんだ」

 そう言うと、眠ってしまった椎名くん。くぅーっ!こんなやつのどこがいいのよ!

 そのまま椎名は放課後まで寝続けてしまった。

「ちょっと起きなさい。もう終わってみんな帰ったわよ」

 本当こいついつまで寝てるのよ。さっきまで女子が貴重な寝顔とか言って写真撮りまくってたのに一切反応したいじゃないのこいつ。てゆうかなんで女子たちは誰も起こさないのよ!

「ちょっと!起きてよ」

 体をゆさゆさ揺らしても起きないので頭を思いっきり叩いた。

 するとイテッ!と言いながら起き上がった。

「痛いなぁ。ふぁぁっ。じゃ」

 そう言い、教室を後にする椎名。くぅーっ!私にお礼ぐらい言いなさいよ!

 私は椎名の寝ていた机を見ると文字が書いてあることに気づいた。

 まさかあの人机にしょうもない落書きをしてんじゃないんでしょうね?

 読んでみるとそこには"アイラヘ。ロッカーの中にプレゼント置いといた。PSこれ消しといてー"と。

 ………ん?これって私宛て?

 早速椎名のロッカーを見てみるとそこにはでっかいクマのぬいぐるみがあった。

 …いやでっかいクマのぬいぐるみって。少女漫画で主人公がヒロインにあげるやつじゃん。これ実際にもらって喜ぶ人ってそうそういないよ?

「でも…普通に渡しなさいよ」

 一応感謝はしておこうかしら。

 私は机の文字を消してぬいぐるみを持って教室をあとにした。帰り道でっかいぬいぐるみを持って帰るのがすごく恥ずかしかったのは別の話。

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