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Ⅱ
(そういえば髪の毛の魔法は途中で切れちゃってたみたい。…なおさら、あの時、あの人の前で風の魔法が切れてなくてよかったよ、ほんとに。)
まだ頭にはっきりと記憶される水色の瞳。
(………かっこよかったなぁ。)
ベッドの横にある本棚に手を伸ばし、魔法王国の歴史についての本を取る。
何度も読んだ本のはずなのに、何故だか今の私には気になって仕方なかった。
(落ち着いて物事を判断することの出来る視野の広さが水の魔法使いの特徴。水の魔法は繊細で造形度が高く、見る人を魅了するーーか。)
「かっこいいなぁ…!」
またバタバタ。
そこで私をじーっと見つめる目線が気まずくなって、こほん、と咳払い。
(いつまでも私の分身と一緒に住むことは出来ないし、解除しておこうかな。)
分身の私を手招きして、「解除」と口にすると、小さな巾着がぽん、と音を立てて床に落ちた。
分身を作るために髪の毛を入れた巾着。
なんだか捨てるのも変な感じだし、私は一人しかいない部屋でなんの意味もなくこっそりと、窓際の棚の上に置いた。




