Ⅱ
「それぞれの王国に存在する魔法の特徴によって瞳の色や髪の色は異なります。炎の王国では赤、植物の王国では緑、水の王国では水色、そして我が幻影の国では紫です。ここまでは既にお話をしましたよね。」
(赤がいいんだけどな。…俺そこまで紫好きじゃないし。)
「王国の魔法使い達が使うことのできる魔法にはそれぞれ特徴がありますが、幻影の国の魔法は実践の授業で習っていらっしゃることだと思いますので、本日は他の国々の扱うことのできる大まかな魔法をお伝えします。」
目の前の魔法学担当教師・カサンドラのアイコンタクトによって空中に文字とグラフが浮かび上がる。
ちなみにカサンドラの髪の色は紫。
幻影の国の魔法使いだからこそ使える、無から生み出すこの力こそ幻影の国の魔法。
(赤も良いけどやっぱ黒か。黒髪とかかっこいいもんなー。)
「炎の国では主に攻撃魔法を得意とする力の強い魔法が多く、それに伴って、ーー。」
…?
なんか話が途切れたな。
そう思ってカサンドラの方に意識を向けると、想像していたよりも何倍も近いカサンドラの顔がそこにはあった。
「わ」
「アイザック様?」
「っ、聞いてるって。」