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Ⅲ
「カイル様。外に向かわれるのですか。」
「うん、少しだけ。」
「ですが、」
「大丈夫。結界や警備のいる敷地内からは出ないから、ね。」
「かしこまりました。それでは護衛を、」
「ほんの数分だよ。近くの庭園でも見て帰ってくるから。それに3人の兄さんがいるから、4人目は少しくらい席を外しても大丈夫。」
そこまで言うと、護衛も何も言えないようで一人で外に出ることを許してくれた。
(息が詰まる。)
人目につかないところに行こう。
人目があるようなところでは、眠くたって口を開けて欠伸することだって悪評に繋がりかねない。
欠伸くらい気楽にさせて欲しいよ。
庭園の入り口には庭師達が数人いて、こちらに気づき慌てて頭を下げる。
(…さすがにここじゃまずいか。)
庭師達の横を抜け、鮮やかに色づく花々の先、自然さを残して青々と茂る自然へと足を向けた。
りんと澄んだ空気。
太陽の光を吸い込んだ草木の呼吸とでもいうのだろうか、ここに来て落ち着く空間に出会えた気がする。
「…………はぁ。」




