Ⅰ
「………、お隣が植物の国の第一王女・エレノア様、第二王女・エリアーナ様。」
「本日はこのような素敵な懇親会にお招き頂き光栄ですわ。」
「私も嬉しく思います。」
「お隣が闇の国の第一王子・キリアン様。」
「皆様とお会いできたこと、そして本日同じ時間を共有できることをとても嬉しく思います。」
「お隣が、……」
(アイリスは、大丈夫だろうか。)
もちろん頭の中はそれでいっぱい。
人目につかないところで見学してると朝言ってたものの、心配じゃないわけがない。
アイリスはしっかりしてるようで抜けてるところもあるからな、なにかに巻き込まれたりしなければいいんだけど…。
俺の挨拶の順番はもう既に終わった後だけど、後に残る王族たちの挨拶を聞きながら、本当ならアイリスもここにいるはずなのに、と思わずにいられない。
「定例会議が炎の国で開催されるにあたって皆様に我が国にお集まり頂けたことを本当に嬉しく思います。炎の国ならではのおもてなしを準備致しましたので、今日をきっかけに王族同士が交流を深められる様、…」
(あいつもまともに話そうと思えば出来るんだな。)
魔法学校で実験の爆発に巻き込まれて、綺麗な顔に汚れをつけながら俺を睨んでいたあいつ、もとい炎野郎。
比べ物にならない落ち着いた様子で話をまとめる姿を見て、少し感心してした。
感心してから2秒後には、アイリスのことで心配になってたけど。




