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第二章 4月30日 超ローカルルール

 ハーフタイムが終り、フィールドに出てきた相手チームのメンバーは、前半とまったく違っていた。

 前半は三年ばかりだったが、ニ年主体に総入れ替えしてきたらしい。

 厄介だな……。

 こっちは5人丁度だってのに、向こうは大人気なく総力戦で来るつもりらしい。

 ニ年だから三年より弱い……といいんだが、そう言う訳でもあるまい。

 実際の試合でツートップを組むニ年コンビ、中野と荒川は中学の時それぞれの学校でエースを張っていたそこそこ有名な奴等だし、他の三人もキーパー以外レギュラーのはずだ。

 てかまあ、こちらとあちらの戦力差に比べたら、三年とニ年の差なんて誤差みたいな物だし……。

 しかも、始まる前からヘラヘラしていた三年と違い、ニ年からは妙な緊張感を感じられる。

 何か言い含められたか……?

 三点差が有る事を考えれば、単に俺を警戒しているからと言うだけではなさそうだ。

 ふう……。

 あまりの絶体絶命ぶりに溜息しか出ない。

 まったく、俺の人生こんなんばっかだな。

 常に劣勢。

 いつも負け戦。

 戦いってのは、勝つべくして勝つもんだろう。

 たまには余裕で楽勝とかしてみたいもんだ。

 瞳を閉じる。

 さて、試すとしようか。

 どこまで“奇跡”に迫れるかを。

 

 ピーーー!


 相手のキックオフで後半が始まった。

 中野(9番)がいったん後ろの5番にバックパスを出し、荒川(11番)と共に両サイドに展開。

 隣の8番を経由して右サイドの荒川にボールが渡る。

 「!」

 ボールを受けた所で荒川の動きが止まった。

 岡崎さんがその前に立ち塞がったからだ。

 前半と違い、一定の距離を保ちながら。

 慎重にも荒川はいったんボールを下げ……ると見せかけて、ボールを切り返し突破を図る。

 だが、十分に距離をとっていた岡崎さんは直ぐにそれに追いつき、ピッタリと並走し中に入れさせない。

 「くっ」

 前半と違い簡単には抜けないと悟った荒川は、今度こそ8番にボールを戻す。

 その8番には、すかさず智代が詰める。


 ピッ!


 智代が自慢の長い足を伸ばしてボールをつつき、ボールはタッチラインの外へ。

 「オッケー、それでいい」

 声をかけてやると、褒められた犬の様に自慢気に尻尾を振った。

 「次、始まるぞ」

 放っとくとそのまま餌をねだりに寄って来そうだったので、試合に集中させる。

 8番のキックインを、センターサークル付近まで引いた中野が受ける。

 その動きに、中野のマークをしていた左サイドを守る杏さんもついていく。

 すると、左サイドにスペースが出来、そこに5番が走り込みノーマークでパスを受ける。

 「そのまま9番ついて」

 持ち場のテリトリーを侵された杏さんが5番に向かおうとしたのを止め、あえてそのまま攻めさせる。

 完全フリーの5番。

 彼はパスの出し所を探してチラリと中央を確認したが、自分で少し持ち込みシュートを打った。

 「任せろ!」

 春原さんが正面でガッチリキャッチ。

 元々小さいフットサルのゴールは、角度のある所からシュートされても怖くは無い。

 「ナイスキー!打たせて取っていきましょう」

 中央からノーマークで打たせなければ、春原さんなら止めてくれる。

 そう信じ、むしろ打たせていい所は打たせていくつもりだ。

 それが、彼の調子を上げていく事にも繋がるだろう。

 先輩はこのチームのエースだ。

 だが、ニ年のブランクと相手からの執拗なマーク、そして、その……“へタレ”がすっかり染み付いてしまっているおかげで、今のままでは本来の力は発揮出来まい。

 後に追い込みの際の切り札となってもらう為にも、まずはキーパーとして体力を温存しつつ気持ち良く活躍してもらうとしよう。

 その間に、打てる布石は全て打つ。

 「走れ!」

 ゴールエリアの脇で先輩からパスをもらうと同時に号令を発っする。

 智代が右サイドを駆け上がり、両サイドの岡崎さんと杏さんがパスがもらえる位置に開く。

 その瞬間、俺の目には相手ゴールの一点に向けて走る集中線が見えた。

 いける!

 迷わず撃鉄に見立てた右足を起こす。

 まだ自陣の深い所に居る所為か中野、荒川はパスコースを消すだけで詰めてはこず、8番は智代を追い駆け、攻め上がっていた5番も戻りきれていない。

 そして相手陣地にほとんどディフェンスが居ない為、その空いたスペースを詰めるように相手キーパーは前目に出ている。

 つまり……キーパーの頭上を越す様なシュートならば、決められると言う事だ。

 「っけ!」


 ボッ!!


 偽・ドライブシュート!!

 弾丸の如く中心を爪先で蹴られたボールは大きな弧描き、自陣を飛び越え敵領空を侵犯する。

 そう、これは本当のドライブシュートではなく、爪先で蹴ったいわゆるトゥキックだ。

 日本では使う事すらタブーとされている、あの素人キックである。

 だが……そんな物はただ迷信に過ぎない!

 コントロールが難しく、また爪先を痛める可能性もあるので確かに素人には向かない。

 が、普通のキックよりコンパクトなモーションで打つ事が出来、使いこなせればドライブっぽい球や最近流行りの無回転ぽい球も蹴る事が出来るのだ。 

 また、ボールが弾まない=重く、選手が密集しがちなフットサルとは相性が良く、割と普通に使われている立派なテクでもある。

 「うおっ!?」

 キーパーがボールに手を伸ばすも届かない。

 強力な縦回転によって程よく落ちたボールは、そのままゴールへ吸い込まれ……


 ガッ!


 なかった!

 ボールはゴールポストに当り、惜しくもゴールならず。

 だが次の瞬間、地上に現れた流星が長い尾を引き相手ゴールに飛び込む。


 ピッピーーー!


 「キャ~~~、智代せんぱーい!!」

 深々とネットに突き刺さったボール。

 久々の黄色い歓声。

 誰よりも早くゴール前に詰めていた智代が、スライディングで滑り込み跳ね返ったボールを押し込んだのだ。

 「オーキ!」

 起き上がるや、真っ直ぐこっちに駆け寄ってくるごっつぁんゴーラー。

 『どんなボールでも追いついて、どっからでもシュートしろ』

 そう指示はしていたが、あれに追いついて決めちゃうのか……。

 「凄いな、今のパス!まさかゴールに当てて私の前に跳ね返すなんて、思ってもみなかったぞ!」

 パスじゃねえよ!

 その体操着の一番ぱっつんぱっつんなトコにつっこんだろうか!

 「……まだ一点返しただけだ。次来るぞ」

 「うん!」

 なんて事を公衆の面前でやれる訳もなく、皮肉を言う奴でない事もわかってるので、頭をぽんぽんと叩いて軽く労うにとどめる。

 サッカー部がこのまま終わるとも思えんし、集中を切らせる訳にはいかない。

 「おいニ年、40周~!」

 智代の得点に思わず立ち上がったキャプテンが、苛立った様子で謎の言葉を発してから座った。

 40周……罰走か。

 一点取られて40と言う事は、前半と同じく3点差つけないと一点ごとにグラウンドを10周させられるってトコだろう。

 後輩を鞭で脅して死力を尽くさせ、自分達は高見の見物。

 クソだがうまいやり方だ。

 

 ピーーー!


 試合再開。

 と、同時に中野がドリブルで切り込んでくる。

 どうやら、様子見はもう終りのようだ。

 「あっ!」

 「しまった!」

 5番とのワンツーで杏さんと智代を一瞬で抜きさり、中野がゴールエリア付近まで迫る。

 だが、ここまでだ。

 「くっ……!」

 展開を読んでいた俺がすかさず距離を詰めて中野を牽制し、速攻を許さない。

 「杏さん下がって5番、岡崎さん中気をつけて」

 1対1。

 俺に背中を預けながら隙をうかがう中野に対し、俺は動きを抑えながらも全体を把握し指示を出す。

 「ちっ……」

 抜く事を諦め中野が荒川にパスを送る。

 マークの岡崎さんをサイドに流れながら振り切り、荒川がシュート。

 「川口!」

 誰かの名前を呼びながら春原さんが倒れこんでキャッチ。

 んん?俺……じゃないよな?

 元・日本代表のキーパー?

 「智代ちゃん!」

 俺が余計な事に気を取られている内に敵の隙を見つけたか、春原さんはセンターライン付近の智代にロングスロウを送る。

 

 バスッ!


 智代はそれを直接シュート!  

 『ゴールが見えたらとりあえず打て』

 どうせドリブルとか出来ないのだから、彼女にはそう指示してある。

 まだ距離はあったが、智代のキック力なら余裕で届く。


 ピッ!


 と言うか、有り過ぎてボールはゴールのはるか上を越えていった……。

 「キッー!何やってんだよ、このノーコン!!」

 「うるさい!もっとゴールに近い所にパスを出せばいいだろう!」

 う~ん……わかってはいたが、本当にノーコンだな……。

 素人が力いっぱい蹴っ飛ばしてるだけなんだから、当然と言えば当然なんだが……。

 さっきの得点も、外しようが無い程至近距離だったから入っただけだろうし。

 前半考えていた策を、試してみるか……。

 「坂上」

 「ん?何だ?」

 相手チームがボールを取りにいってる間に、智代を手招きして新たな作戦を伝える。

 「……それでいいのか?それじゃあ、狙い通りの所に飛んでも、点が入らないんじゃないか?」

 「枠に飛ばないよりは全然いい。狙ってみろ」

 「わかった」

 ボールが戻ってくると、相手キーパーはボールを持ったままやや下がって助走をつける。

 フットサルではゴールキックの代わりに相手キーパーが投げて試合再開するが……来るな。

 ツートップの中野と荒川が走り出し、それに合わせてキーパーがロングスロウ、直接こちらのゴール前にセンタリングを上げてくる。

 「春原さん!」

 「キエエエェェェ~~~ッ!」

 奇声と共に飛び出した春原さんが、中野との空中戦を制しパンチングでクリア。

 しかし、そのボールは8番に拾われ、そのパスを受けた荒川が無人のゴールにシュートを打つ。

 

 バサッ!


 ゴールネットが揺れる音。

 だがそれは、ゴールの外側のサイドネットだ。

 俺がフォローに向かっていたので、隅を狙うしかなかったのだろう。

 しかし、今のは少しヒヤッとした。

 空中戦になると、こちらがかなり不利である。

 てか、そもそも俺も背が低いから苦手だ。

 荒川は長身で、中野も俺より高い。

 俺より低い杏さんには競り合いは辛いだろうし、智代はヘッドを嫌がる。

 唯一上背で負けていない岡崎さんも、サッカー流の競り合いには慣れていないだろう。

 となると、頼みの綱は春原さんだけだが、キーパーが飛び出せる範囲は決まっているし、今の様にゴールが無人になるリスクを伴う。

 フットサルではボールを上げ辛くヘッドも威力が出ないが、それでも頻繁に狙われるとヤバイ。

 「杏」

 春原さんのパスで試合再開。

 俺には中野がマークについていたので、春原さんは杏さんにパスを出す。

 だがそこに、敵の5番が迫る。

 「ああ、もう、仕方無いわ……ね!」

 パスを出せない杏さんは、適当に前に思いっきり蹴る。

 『迷ったら外か前にクリア』

 これも事前の決め事だ。

 ただの苦し紛れだが、ただ相手に取られるよりマシである。

 蹴ったボールは不意をつかれた5番の足に当たり、誰もいないセンター付近に。

 それを俺と中野が同時に取りに行く。

 

 ガッガッ!


 中野は腕を使って俺をブロックしにきたが、逆にそれを吹っ飛ばしてこちらの体をねじ込む。

 「智代!」


 カッ!


 爪先差で競り勝ち、ボールを敵陣の空いたスペースに蹴り出す。

 そこには一瞬にしてマーカーを置き去りにし走りこんだあの女!

 追いつくと同時に軸足を軸に回転し、竜巻さながらに長い髪を巻きながらシュートを放つ。


 ボンッ!!


 走ってきた勢いと回転力を加えた凄まじいシュート!

 は、やっぱりゴールのはるか上を飛んで行った。

 ……う~ん……作戦失敗か?

 「すまない……また外してしまった」

 バツが悪そうに智代の方からやってくる。

 「ちゃんとキーパー狙ったか?」

 「ああ。これでもお前に言われた通り、相手にぶつけるつもりで蹴ったんだ」

 そう、俺が考えた作戦は、『キーパーを狙って打て』である。

 前半を見ていて、春原さんの顔面にのみピンポイントで百発百中だった事からどうかと思ったのだが……あそこまで外れるとなると違いそうだ。

 相手が春原さんでないとダメなのか?

 てか、何で春原さんには狙って当てられるんだ?

 「よし、じゃあ、次は相手のキーパーを春原さんだと思ってやってみろ」

 「あいつを春原にか……?わかった。やってみる」




 だが、再びボールを奪い智代にパスを回すも、彼女は相変わらずふかしてしまう。 

 ダメか……。

 なんとかこいつのシュートを枠に飛ぶようにしたいんだがな……。

 これは、春原さんを早めにトップに持ってくる必要があるかもしれない。




 再びキーパーがロングスロウを狙ってきた。

 荒川へのパスだったが、飛距離が足りずマークしていた岡崎さんがヘッドでクリアする。

 しかし、それを8番がフォローし、前方にフィード。

 そこに走りこんだ中野は、直接左足でシュートと見せかけてトラップし、それに釣られた杏さんをかわしてシュートにいく。

 

 ガッ!


 それを読んでいた俺がブロックし、ボールはタッチラインの外へ。

 だが、5番が早いリスタートで8番とワンツー。そのままドリブルで斬り込んでくる。

 春原さんと1対1。

 5番は春原さんをかわそうと外へ逃げる。

 それに合わせて春原さんは十分に腰を落とし身構えながらにじり寄っていく。

 そして、十分に春原さんをひきつけ5番は……中央へのパス。

 「させるか!」

 なんと、そのパスを読んでいた春原さんが足でそれを止めた!

 中野が詰めていたが、ボールに抱きつく様にしてそれを防ぐ。

 「ナイッキー!!」

 「ナイスガッツ春原!」

 「おにいちゃ~ん、ナイスセーブ!」

 「春原さん、凄いです!」

 「キャ~先輩カッコい~!」

 これには内輪だけではあるが、次々と賞賛の声が上がった。

 まさか、ここまで体を張ってくれるとは……。

 このままずっとキーパーやってもらうか……?

 などと思っていると、

 「ふっ、このグレート・ティーチャー・春原が居る限り、ゴールはわらせないぜ!」

 教師なの?と誰もがつっこみたくなるが、それどころではなかった。

 何を思ったか、春原さんのパスは荒川の足元に。

 「しまった!間違えた!」

 当然、荒川は即シュートを打つ。

 

 バキッ!!


 「ぐへっ!!」

 至近距離からの強烈なシュートだったが、全身で止めにいった春原さんの顔面を直撃!

 こぼれ球は俺が大きくクリアし、敵陣のタッチラインを割った。

 あっぶね~!!

 「何やってんだ春原!!」

 「おにーちゃん!かっこ悪いなぁもう……」

 調子に乗せ過ぎると、今みたいな大ポカが有るのか……。

 やはり、1つのミスが失点につながるキーパーよりフォワードにすべきかな……。

 いや、今ので点が入らなかったのもまた春原マジックの気がするが……。

 「ドンマイ。気を取り直していきましょう」

 そろそろタイミングを見てポジションチェンジを考えた方が良さそうだ。

 5番のキックインで試合再開。

 中盤までボールをもらいに行った中野がスルーし、クロスするように走りこんだ8番が受けると、そのまま上がってきた。

 前には荒川、後からは中野と5番がフォローに上がってくる。

 ついに波状攻撃できたか……!

 試合開始から大分経ち、敵にもかなり焦りが見える。

 俺はあえて右サイドをきりつつ8番に詰め寄った。

 すると8番は左前方にフィード。

 「春原さん!」

 春原さんがクリアに飛び出る。

 だが、それより早く中野が追いつき、春原さんを抜いてシュートにいこうとする。

 「よっ!」

 だが、ボールが流れた隙を背後から来ていた杏さんがつきボールを奪った。

 二対一を作れると踏んでいたが、うまい具合にいってくれた様だ。

 「ナイスカット!」

 すぐさま走りだし、その杏さんからパスを受ける。

 敵は急いで戻り始めているが、全員こちらの陣地内。

 対してこちらには、あの伝説の大砲少女が前線に残っている。

 決定的なカウンター。

 なので俺は……確実に自分で持ち込む事にした!

 5番が体を寄せてくる。

 それに対し、おもむろに俺はシュート体勢に入った。

 「なにっ!?」

 だが、これはフェイント。

 ブロックに足を伸ばしてきた所を切り返し、5番を抜きさる。

 “キックフェイント”

 いわゆるシュートやパスを出す振りだが、俺が唯一得意……と言うか唯一まともに出来るフェイントだ。

 だが、この最も単純なフェイントも、布石次第で強力な物となる。

 自軍のゴール前からのロングシュートだ。

 あの一発は点を取る事よりも、相手に俺のキック力を見せ付ける為に打った物である。

 それにより、相手は俺の何処からでも打つ可能性があるシュートを警戒し、フェイントにかかり易くなっていた。

 まあ、もちろん何度も同じ手が通じる訳ではない。

 “たまに”だから効果的なのだ。

 智代のマークにつこうとしていた8番がこちらに来る。

 相手がシュートブロックにいけるギリギリの間合い。

 そこで俺は右足を振り上げる。

 「くっ!」

 またもフェイント。

 必死に足を伸ばしてきた所を、冷静にかわしていく。

 残るはキーパーのみ。

 そしてこちらには、横に智代が居る。

 「クソッ!」

 最後の一人、キーパーが突っ込んでくる。

 そこで俺は……ここで智代に無情のラストパスを送った。

 

 ザザーッ!!

 

 「オーキ!?」

 はじめからファール覚悟だったのだろう。

 パスを出した直後、俺は足に相手キーパーのスライディングを受け倒される。

 だが、これで確実に一点返した。

 外したら、ただじゃおかねえぞ。


 ピッ!


 そう思いながら倒れこむ俺の耳に、妙な笛の音が聞こえた。

 まさか外したのか!?

 急いで顔を上げると、ボールはまだ智代の足元に有る。

 まさかファール!?アドバンテージだろ!

 だが、この審判の判定は、俺の予想の遥か上を行っていた。

 「オフサイド」

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