40話 カウントダウン
そして、私とユウスケ、そして私とシルビィの物語はカウントダウンを開始する。レベルの上限99を目指して。私はひたすらレベル上げをする。
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【血まみれリノン、聞きたかったところだよ?】
大好きなリノンへ。
……僕も思い出してたところだよ……。
ナイフ…懐かしいね……。
って、言っても、今も毒針が愛用じゃなかったっけ?
……一撃って…そこ、結構強いと思うんだけど……。
……そうだね……ナイフで血まみれって、言ってたもんね。
血しぶきも、服って汚れないの?
魔法とかかかってるの?
……ふふふっ。
なんか、血まみれのリノン、聞きたかったところだよ……。
あの時はプチデビルだったね……。
あまり無理しないでね?
また、返事するね。
じゃあ、またね。
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ユウスケとの日記も重ねる毎に切なくなっていく。初めの頃を思い出しながら……。私はどんどん切なくなっていくよ? ユウスケはどうなの? この気持ち……私だけなのかしら? ナイフ……今でも大切だよ? 私に活力をくれたんだから。
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【必殺!レベル上げ~☆】
大好きなユウスケへ☆
……同じこと考えてたんだ……。
えへへ~☆
今日はね、レベル上げまた再開したの。
べとべとスライム思い出しながら……ね?(笑)
順調にレベル上がっていくの~☆
だから、こっちの話はこれから、つまらなくなっちゃうから……。
そっちの話聞かせてほしいな……。
水族館の話……途中だったと思うけど……。
ユウスケはお魚見るの好きなのね?
泳いでる姿が見られるの?
どんなもの見てきたの?
教えてほしいなぁ……。
……これは前の約束だからね♪
じゃあ、またね~☆
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もしかすると、私が魔王を倒すとこの交換日記も消えてしまうかもしれない。だから……ユウスケの事もっと聞かせて? もしも……約束を果たせなければ……私はずっとユウスケの事を想い出にしたいから。
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【水族館、約束だったね。】
大好きなリノンへ。
……そうかぁ……。
……うん……。
……ごめん、言葉に詰まった……(笑)
レベル上げ、頑張ってね!!
目指せ! レベル99!
ところで今はレベルいくつなの?
水族館の話……そうだったね……。
僕はね、ジンベイザメの泳ぐ姿を見るのが好きで……。
1時間ほど見てたよ……。
……変な人って思われたかもしれないね(笑)
ほかにはね、「ウミガメ」って、亀なんだけどわかるかな?
ウミガメもゆっくり泳いでてね……。
時々人の近くに来たりするんだ。
そうすると、こともたちが喜んだりするんだよ。
また、水族館の話書くね。
じゃあ、またね。
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私ね。ユウスケも同じ気持ちなら嬉しいの。でもそれとは別に心苦しくなっちゃうの。だって……ユウスケも苦しいなら……私も苦しい。いっぱい約束したね。約束……守ってほしいの。だから、私も頑張るから。そう、頑張るから……。
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【……そのジンベイザメって……。】
大好きなユウスケへ☆
うん♪
目指せレベル99♪
やっぱり、レベル上がりにくくなってて、今はレベル88だよ……。
あと11なんだけど、なかなか壁で……
。
亀は知ってるよ~!
海のモンスターで倒したことあるし♪
多分そっちでは襲ってこないのよね?
じゃあ、私も見てみたいなぁ……。
「ウミガメ」って、水族館で人気者なんだね~☆
ジンベイザメで1時間かぁ……。
ユウスケには優雅に見えるのかな?
……そのジンベイザメ、雌じゃないでしょうね?(--〆)
じゃあ、またね~☆
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ジンベイザメにちょっとヤキモチ。あと11……。これが私達のカウントダウン。後もう少しで……私達の結末が決まる。あはは……私、なんだか空元気だね。水族館、行きたかったなぁ。ううん。きっと……いや絶対に行くの。魔王を倒した後の私達のハッピーエンドを目指して。
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【問題・ペンギンって、何でしょうか?】
大好きなリノンへ。
そうか……もうレベル88なんだね…。
そういえば、魔王城の目の前で暴れてて、大丈夫なの?
しびれ切らした、魔王が下りてくるとか……。
……ジンベイザメ、知るか!!!
やきもちリノン発動!?(笑)
水族館の人気者っていえば、あとは白熊とペンギンかな……。
リノンはこの動物わかる?
……ちょっと、リノンがどんな風に知ってるのか、聞いてみたくなって……。
これは、僕からの問題ね!
白熊は分かりそうだけど、ペンギンは?
じゃあ、またね。
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やっぱりユウスケの世界は違うんだな。知らない生き物がいっぱいいる。煮てるところもあるけれど。住む世界が違うんだなって。ペンギンは何だろうね? 白熊は分かるよ? こうしてユウスケの好きな水族館の話しできて私は嬉しいよ? いろんなこと教えてくれて、本当に……本当に……。