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38話 ファンファーレ・レイの試し打ち

「お姉ちゃんおはよう!」

「おはよう! シルビィ顔色良いね?」

「うん! 昨日一杯遊んだから!」

「よかった! そういえば……まだ『魔力の源』飲んでるの?」

「うん、後もう少しだし。大丈夫だよ?」

「あの苦い薬を……本当に大丈夫?」

「うん! もう慣れたし」


 昨日のカラオケでシルビィは元気を取り戻していた。この調子なら次の村に行ってもよさそう。しばらくこの街にもお世話になったし、いい加減魔王の城を目指すことにする。


「準備は良い? 次の村に行くよ!」

「うん!」


 こうして私達は街を後にして、次の村に向かった。


 ------

 【リノンの世界でカラオケって楽しそう!】


 大好きなリノンへ。

 うん……。

 花火やイルミネーション、行くこと約束するよ。


 ……なんだか、約束事いっぱいできちゃったね……。

 僕の手料理や、魚料理、花火、イルミネーション……。

 水族館も……。

 ……やっぱり、こっちにリノンが来てくれないかなって、考えちゃうことも多いな……。

 こっちのカラオケはね、音楽も鳴るんだよ?

 部屋になってて、スピーカーっていうのがあって。

 そこから音楽が流れるんだ。

 で、マイクっていうものをもって歌うの。

 そして、その歌に採点つけてくれたりもするんだよ?


 二人の息抜きの手伝いが出来て、ちょっとうれしいかも?


 じゃあ、またね。

 ------


 ユウスケとの交換日記。本当、約束が増えたなぁ……。まだ顔も……声も知らないのに。ユウスケに逢いたい気持ちが加速する。これまでしてきた沢山の約束。守ってもらうんだから。ユウスケのおかげで息抜きも出来たし。私の冒険は続く。


 ------

 【血まみれリノン参上(笑)】


 大好きなユウスケへ☆

 ……うん、ありがとう……。

 なんか、約束事いっぱいだね……。


 …こうなったら、私も張り切って、そっちに行く方法考えなきゃね♪(^_-)-☆

 そっちの話は、もう少し後に取っておきたいかも?


 ……魔王倒したらこの日記が消えちゃうかも……って話、思い出しちゃったけど……。

 ……でも、まだ魔王倒すのは先の事。


 もう少ししたら、こっちも落ち着きそうだから、

 その時はゆっくり話聞かせてね♪


 ……それにしても、今度はライオンのモンスターが多いの……。

 また、血まみれになってるリノンでした~☆


 じゃあ、またね~☆

 ------


 魔王を倒したら。この交換日記は消える可能性もある。多分普通の倒し方であれば消えずに残り続けるとは思う。けど私はユウスケに逢いに行く方法に賭けてみたい。せっかく覚えたファンファーレ・レイ。今までの勇者たちが叶えられなかった望み。その望みと私の望みを賭けてみたい。それに私の我儘でこのチャンス……この世界のチャンスを逃すことは許されない。せっかくここまで来たのだから。私は望みに賭ける。


 ------

 【リノンの戦う姿が聞きたいな……。】


 大好きなリノンへ。

 …うん、待ってるね……。

 リノンばっかりに調べさせてごめんね……。

 こっちではそっちの情報ほとんど無いから……。

 ……申し訳なく感じるよ……。


 また、血まみれリノンになってるんだね!(笑)

 リノンが戦ってる姿、見てみたいな……。


 ……やっぱり、まだ毒針のドレス姿なの?

 ……本気でやるつもりなのかな……。

 ちょっとだけ、心配だけど……。

 リノンなら何とかしそうな感じがするな……。


 そういえば、ファンファーレ・レイは使ってみた?

 また、色々聞かせてね!


 じゃあ、またね。

 ------


 ユウスケの所にはこちらの情報はほとんどないらしい。だからユウスケの方に望みを託すのは難しいことだと思う。血まみれりノン……なんだか懐かしいな。そう思いながら私は戦闘に明け暮れていた。目的の……魔王の城を目指して。


 ------

 【ファンファーレ・レイ、試しに使ってみる~。】


 大好きなユウスケへ☆

 ううん、気にしないで?

 多分、こっちの世界だと魔法とかがあるから、可能性はこっちで調べたほうが高いと思うの。

 だから、ユウスケは勉強頑張ってね~☆


 ……そういえば、ファンファーレ・レイは、まだ使ったことなかったな……。

 魔王の前に試しておきたいから、明日使ってみるね。


 シルビィも魔力の源を全部飲み終えたから、魔力は私の半分くらいまで、上がってるよ~♪(^_-)-☆

 試し打ち、報告するね~☆


 じゃあ、またね~☆

 ------


 そして。


 ------

 【裏エンディング目指して!】


 大好きなリノンへ。

 ……ごめんね……。

 じゃあ、世界の行き来については、リノンに任せるね?

 力になれなくてゴメン……。


 ……ファンファーレ・レイ、やっぱり忘れてたか……。

 試し打ちは大切だよ。

 シルビィも頑張ったんだから、それにこたえてあげて?


 僕もどんな魔法なのか気になるな……。

 そういえば、単体攻撃だっけ?

 魔王にそれでトドメをさせるかも、確認してほしいな。

 リノンには、裏エンディング見てほしいから……。

 裏エンディングってどんなだろうね?


 じゃあ、またね。

 ------


 そして。裏エンディング。この世界での最後のエンディング。私の望みはそこに賭けるしかないと思っている。この世界にとってはハッピーエンドかもしれない。でも私とユウスケにとっては? 本当に……ハッピーエンドになるのだろうか? きっと……こうしている間にも私とユウスケの交換日記はカウントダウンを始めているんじゃないだろうか。魔王を倒すその時に向けての。


「シルビィ。今日ファンファーレ・レイを試してみようと思うの」

「うん、ついに試すんだね?」


 私達は村や町を点々として魔王の城にだんだんと近づいていた。魔王の城まではあと少し。その前にファンファーレ・レイの威力を試してみたかった。町の外に出るとライオンのモンスターたちがうろついていた。モンスターの群れを徐々に徐々にと数を減らしていき、最後の一匹となった時に私は魔法を発動させる。


「ファンファーレ・レイ!!」


 唱えると、私の体は暖かく光り、胸から光の一閃がモンスターめがけて解き放たれる。祝福するかの様にどこからともなく流れてくる笛の音色は美しく、モンスターを浄化するかのように光で包んだ。そして……モンスターをも貫いた光の一閃が消えると、爆音と共に光の線上が爆ぜる。私はその爆風に耐えながら、塵で見通しが悪くなった視界が晴れるのを待った。晴れた後に広がった景色は……。


「お姉ちゃん!?」

「すごい……ね」


 餌食となったモンスターは塵一つ残さず消え、モンスターの後ろにあった崖の壁に大きな穴が出来ていた。でも。


「でも、なんか魔王には威力不足って感じもするね」

「そう……かな?」


 多分、この一撃では魔王は十分に仕留められない気がする。もしかすると初手でいきなり撃っても、魔王は自らを封印して眠りについてしまうかも知れない。そうなってはせっかくのチャンスも無になってしまう。だから……。


 ------

 【……威力足りないかも……( ;∀;)】


 大好きなユウスケへ☆

 うん、大丈夫♪

 ちゃんと、そっちに行く方法探すから、待っててね~☆


 ファンファーレ・レイだけど……。

 ちょっと火力が足りないみたい……。

 ……でも、この辺のモンスターだと、オーバーキルでよくわからなったけど……。


 うん、単体魔法だよ?

 でも、威力としてはサンダージャベリンの方が、上のような気もするの。


 ……手ごろに試せる相手が居ないのがちょっと……。だけどね。


 う~ん……(-ω-;)

 もしかしたら、魔王はなぶって弱らせないとダメかも…。


 じゃあ、またね~☆

 ------


 魔王を弱らせてから、最後のトドメをファンファーレ・レイに委ねることにした。


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