動物と
気づくとそこは知らない何処かの森だった。
「いや呑気にそんな事考えてる場合じゃないよ何処だよここ。」
普通にあれれ?みたいな感じで始まったけどいや、うん。だめだよ?まず整理していこう。えーと、俺はさっきまでは大学にいて昼食を取りに行こうと階段を降りていた時に誰かに突き落とされたような感覚がして死んだ……。うん死んでるわ。でも生きてる、どういう事だ?
「んー体も動くしなぁ、なんなんだろうか蘇ったのか?」
と、その場から全く動かず状況整理するため必死に頭を回転させる。手などをブラブラさせながら考えていたら少し違和感があった。
「まってまさか!?」
俺はすぐさま近くにあった湖のような場所に移動した。水面に俺であろう人物が映し出される。あぁ、こんなことがあってたまるか
「俺の顔と全く違う顔してる……」
水面に映ったのは普段の俺ではなく、知らない誰かだった。でも確かにコイツが俺だっていうのはわかる。だって俺が動くとコイツも動くもんそんなんもう認めるしかなくない?
「これは転生したっていうことであってるのだろうか?まずここ何処?日本なの?」
また新たな疑問が出てきてしまいその場で考え込んでしまう。日本にこんな場所なんてあったのだろうか、まさか外国なのかと考えつつ自分の体についても考えていた。前と同じ男で身長は170はいってそうだ。髪は黒く、目は青い
「俺もう日本人じゃないよ。日本人青い目なんて普通はいないよ!」
でもそこそこイケメンだなと考えていると
「おや。こんな森深くに人間がいるとは思わなかった」
急に後ろから話しかけられたのですぐ後ろを向いたが、人らしきものはいなかった。いるのは鳥とリスみたいな変な動物
「まさか、幻聴!?」
「幻聴じゃないわい、まぁ良くあることだが私だよ。」
一番近くにいたリスのような動物が喋りかけてきた。なに?この世界動物喋っちゃうの?いやまて、そうじゃない、なんでお前喋ってんの……!?
「私はこう見えても元人間だよ。そうだなぁ、イースとでも呼んでくれ」
「えぇ……。話についていけない。俺中二病の期間終了してるよ?」
普通この状態が起きたら無理だろう。だって動物が急に喋りかけてくるんだよ?普通に考えてみて、やばいからね?え、俺だけ?
「何か困っていたようだったから話しかけたのだが不要だったかな?むしろ困らせてしまったようだね」
助けてくれようとしていたのかこの動物……めっちゃ困惑しちゃったけどまぁ少し聞いてみるか
「あぁ、気づいたらこの森にいてよくわからない状態になっているんだ。」
「気づいたら?さっきまでは違う場所にいたのか」
「あぁ」
イースは考え込んでしまった。やはり動物にはわからないか……
「恐らくだがここ……この世界は君が全く知らないものだ。ちなみにこの国は世界で一番栄えているゼルバジア王国という国だが君は知っているか?」
ゼルバジア王国……歴史とかの授業で習ってないしなぁ……まず一応成績は優秀だった俺が覚えていないのならここは完全に前と同じ世界ではないのだろう
「いいや、初耳だ」
やっぱりかと言いたげな顔をしてイースは基本的なことを教えてくれた。
「そうだな、君は何か重要なやるべき事を授けられたのかもしれない。ここから北の方角に進んでみるといい。この位置はまだそこまで森深くではないからなすぐ出れるだろう」
「いや何も授けられてないと思うけど多分」
まぁずっとここにいてもしょうがないしイースの言う通りにしてみよう
「ではここでおさらばだな。私も私でやらなければならない事があるからな。君の無事を祈っているよ」
「あぁ、ありがとう。」
俺とイースは少し握手をしてそれぞれの行く方向へと向かって行った
ここから俺のこの世界での大冒険が始まると同時にこの世界の悲劇へのカウントダウンも始まっていった。
そのことをまだ誰も知らない
「さて、どう動こうかな」