プロローグ
俺はあの日この世界での人生が終わった。いつも通り俺はただ大学で授業を受けていた。しかも最悪な事に何故かあの日だけ大学の最上階の5階の左端の場所だった。授業開始直前までは違う部屋だったのに急に教授から変更と言われた。その授業も終わり昼食を取りに行こうとしていた。ここからだと一番遠くて面倒で一瞬昼食を取るのをやめようかと悩んだがその時はいつも空かない腹が珍しく早く何か入れろとでも言うように「ぐ〜」とだらしない音を出していた。俺以外の生徒は既に食堂などに向かっていたようで5階は俺しかいない状態だった。
お腹が空いたなとか考えながら階段を降りようとしていた時だった。俺は足を滑らせて階段で転んでしまった、いや正確には誰かに突き落とされたという方があっている。いきなりの事すぎて頭が追いついていかなくとりあえずとっさに後ろを向いたがそこには誰もいなかった。あぁ、ただ自分が普通に転んだだけか?と呑気に考えているうちに体は床に叩きつけられていた。打ち所が悪かったのか微かに見えるのは真っ赤な床だけ。
「ま……じかよ」
振り絞って出た言葉がそれだった。だが周りに人は全くいなくその言葉は誰にも届かず消えた。と俺は思っていた。ただ一人階段の上で俺を冷たい目で見下ろしていた。まさか俺を突き落とした人物がまさかアレだということを知らずに俺はこの世界での人生を終えた。