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緊急帰国

「どう言う事だ、マリア?すぐに帰国の手配をしてくれって?」「ごめんなさい、マーク、ワガママを言っている事は分かってるわ。でもね、私があの子達に感じたインスピレーションは”会うべき“じゃなく”会ってはいけない“だったのよ」

「言っている意味が解らないよ。だいたいレコーディングはどうするんだ」「後は仕上げだけよ。仕上げだけならソラに任せといて大丈夫。その他のジャケットの事なんかも、アメリカにいても出来るわ」

「分かったよ、しかし今夜はもう遅い。航空チケットの手配にしたって、明日言って明日の便は取れるか分からないぞ?」「とにかく、出来るだけ早い便をお願い」

「OK、じゃあ明日に備えて荷物の整理を」「そうね」そう言って、マリアは帰国する為の準備を始めた。

「ない…ないわ!」「今度はどうしたんだよ、マリア」

「パスポートがないの」「何?それじゃあ帰れないぞ!」

「違うの、私のお守りのパスポートよ」「あぁ、あの古い日本国のヤツか」マークは安心した様に言った。

「まずいわ、もしあのパスポートをあの子達に見られたら…」「何だよ!あの古いパスポートがそんなに大事なのか?」

「あのパスポートを見られて、真実を知られたら、私の妹と親友を深く傷付けてしまうの、それだけは避けなきゃ」「そんな事言ったって、あのボーイ達に拾われてたら、もう一度会う事になるぞ」

「そうね、やっぱりもう誰にも会う事なく帰るしかないわね。マーク、ヘクターにも私達の居場所は伝えてないわよね?」「オフコース、君がメディアを嫌っているのは俺が一番知ってるからね」

「なら安心だわ、とにかく一刻も早くこの国を出なきゃ」

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