MARIA
オクラホマの安モーテルの一室で“マリア”は目を覚ました「マークおはよう、コーヒー飲む?」さっきまで隣で寝ていた“マーク・スタンレー”に言った「んーっ、もう少し寝かせてくれ」「解ったわ」そう言ってマリアはモーテル備え付けのコーヒーメーカーに一人分セットした。コーヒーをカップに注ぐと、ブラックのまま啜りながらテーブルへ向かった。テーブルの上のノートパソコンを開くと、電源を入れネットニュースをチェックし出した。新聞を読まないマリアにとって、ネットニュースのチェックは習慣となっていた。
「何?またドル高、この国の経済はどうなってんの」と言いながら、コロラドの銃撃事件の記事を見ながら「本当物騒ね」等と呟いている。
ふいに“World News”のバナーをクリックし、継いで“JAPAN”の文字をクリックした。
興味無さげにスクロールしていると、マリアの目に興味を引く見出しが飛び込んで来た。
“ジャズ界に救世主現る 日本のN大…”マリアは思わずクリックした。
“ジャズ界に救世主現る 日本のN大生コンビプロデビュー”「へぇ、面白そうね」マリアは呟いた。
“日本の現役大学生「ソラ オオクラ」が同級生の天才トランペッター「ミナヨ サナダ」をプロデュース デビューアルバムが30万枚の大ヒット 音楽界に旋風を巻き起こしている”
「フーン」マリアは日本の若者がジャズを盛り上げている事が嬉しくなった。
“二人は現役のN大生でありながら、ヘクターレコードとプロ契約を交わし…”と、ここでマリアが反応した。「ヘクターレコード…たしか」と呟いた後、急に思い立った様に叫んだ
「マーク、マーク起きて」「何だよ、もう少し寝かせてくれって言ったじゃないか」「それ所じゃないのよ!マーク直ぐに日本に連絡して」「日本に?何だって言うんだ」「ほら、この間から日本のヘクターレコードの何とかって言う男が、私に日本でCDを発売しないか?って交渉して来てたじゃない」「あぁ、ソゴウの事か?しかし君は頑なに断ってたじゃないか、何を今更」「それがね、面白いものを見つけたの」マリアは少女の様に目を輝かせた。ソロになった時もそうだったが、こうなったらマリアはテコでも動かない事をマークは知っていた「判った、判ったよ…ただ、日本に行く事になると思うが構わないのか?」「えぇっ、勿論よ」




