表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/49

DNA鑑定

「広瀬君、例のもの持ってきてよ」

「はい、かしこまりました」と言って、奥から、先程二人を出迎えた、クセっ毛のひどい男が、薬品や脱脂綿、ピンセット等の器具が乗った、銀のトレーを持ってきた。

「それでは、まず君達の、耳の後ろを消毒させてもらうよ、広瀬君、君は真田君を頼むよ」

「えっ‼」広瀬が返事をする前に、美奈代が露骨に嫌な顔をして言った。

「嫌かい?じゃ僕でも良いかい?」「ハイ‼」今度は嬉しそうに言った。

「じゃ、広瀬君は大倉君を頼むよ」「はい…」と広瀬は少し膨れて言った。

「きゃっ、くすぐったい」上杉に首筋を触られ、美奈代が言った。それを見て、宙良は“ドキッ”とした。驚いたと言うより、胸が高鳴ったのだ。

この時、宙良は、改めて美奈代が、女なのだと言うことを認識した。

「それでは、耳の後ろから、フェロモン物質を採取するんだけど、その前に、変な質問をして良いかな?」

「何ですか?」

「君達は二人とも恋愛対象は異性だよね?」

「勿論です、それが何か、関係あるんですか?」二人は語気を強めて言った。

「実はフェロモンと言うのは、常に分泌されている訳ではないんだ。異性を意識したときに、多く分泌されるんだけど、同性愛者じゃ意味ないからね」

「なるほど…」上杉の言う事は、なんとなく解った。

「ではまず、君達、手を繋いでくれないかな?」

「手を…何でですか?」

「だから言っただろ、異性を意識する為だよ。残念ながら女性は真田君しかいないしね」

宙良と美奈代の、鼓動が早まった。

二人は長く、一緒にいるが、スキンシップは、これが初めてだった。

「じゃあ…」遠慮ぎみに言いながら、二人は手を繋いだ。

「ダメダメ、もっと両手を重ねるように、強く握って」上杉が二人を煽るように言う。

やがて、二人の首筋が、じんわり濡れてきた。

「よし」上杉は綿棒で、二人の耳の後ろを拭き取り、それをシャーレに入れて、ラップをかけた。

「これでいいよ」

「これだけですか?」

「後は、これを溶液に溶かしたり、遠心分離機にかけたりと、やる事は沢山あるんだ。結果が出るまで10日程は掛かる」

「10日もですか?」

「うん、そんなもん……あれ?」上杉は突然、何かを思い出した様に言った。

「何ですか?」

「いや、さっきの話なんだけどね、代理母の女性は、なぜ君達を同時に出産することを決めたんだろう?仮に代理母を一人しか、用意出来なかったとしても、時間は掛かるけど、別々に産めば良かったと思うんだよ」

「なるほど、リスクを考えてもそうですよね」

「その辺りにも代理母を探し出す手掛かりがあるかも知れないね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ