表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/49

顧問

翌日以降も、練習の合間を縫っては、宙良と美奈代は、浜松周辺を捜索し、産みの母と思われる人物の情報を得ようとした。

しかし手懸かりが、20年前に白川医院の患者であった事と、美奈代に似ていることだけだった為、大した情報は得られなかった。

途方に暮れて、練習場所として借りている、公民館に戻った二人は、目を疑った。

白川医院の一件で、気分を悪くしていた上杉だったが、メンバーに対して、アドバイスを送っているのだ。

「オーボエの山口茜君、もう少し音を抑えた方が、いいんじゃないかな?全体に音が重く聴こえてしまうよ」

しゃべり方は相変わらずだった。

「上杉先生って、音楽に興味ないんじゃなかったっけ?」美奈代が困惑した表情で、宙良に訊いた。

「うん、でも的確な指摘だ」そう言うと宙良は、上杉の元へ歩き出した。

「先生、只今帰りました」「やぁ、で…何か進展は?」「いえ、それより先生、正式に同好会の顧問になって頂けませんか?」

「えっ、僕がかい?冗談はよしてくれよ、僕は研究に忙しいし、何より音楽に、ましてやジャズになんて興味ないよ」

「音楽は興味でも知識でもありません、センスです」「僕には音楽のセンスも…」

「ありますよ、先生は今、山口さんに、的確な指摘をされていました。音楽を聴くのは、殆どが音楽の知識がない人です。その人たちは音楽を感じて、いいか悪いか判断します。知識じゃありません。先生はそのセンスを既に持っています」

「フフッ、学者の僕が、学生の君に、論破されるとはね…」

「研究を疎かにしてまで、見てくれとは言いません。気分転換の時間等に見てくれるだけでいいんです」

「解った…解ったよ、まぁサンプルの君達に絡める、大義名分が出来たとでも、思うことにするよ」

そう言って上杉はニヤリと笑った。

宙良も苦笑で返し「ありがとございます」と頭を下げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ