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18‐向上心に溢れたトークショウをする

 

  

 今日も今日とで俺はフィーヴァーしていた。


「ウィレェエええええええええええええ!!!!」


 サッカーのゲームか? いいえただの叫び声です。


 やっぱり人間このように、意味不明に明確な根拠もないけど、なぜか無限大に自由に、そしてテンションが上がるような事は全人生を通した収支、費用対効果が最大値プラスなら限界までやるべきだなぁ!!


 おおぉ!!すげぇな!俺!無限の理性と無限の感性の融合により最強に見えるぞぉ!!


「ウィイイイレェエええええええええええ!!!」


 咆哮は続く。

 俺の家ってご近所さんが畑交えて存在するので、いくら馬鹿騒ぎしようが宅飲みしようが一向に迷惑の掛からない、そんな夢のような場所なんだぜぇ!


「うがぁ嗚呼ああああああああああ!!おれぇわぁ!!ジャイアァアアアン餓鬼大将ぅうううう喧嘩無敵の男だぜぇええええええええ」


 声にもなっていない、そんな傍から聞いたら野獣の咆哮のような叫び声は続く。

 やっぱり!人間こうやってなぁ!頭のネジみたいなモンを!無限大に限界までユルユルにするのが大事だと思うわけよぉ!!

 そうじゃなきゃやってられねえよぉ!!わけよぉ!

 ガバガバにユルユルにしてぇ!ネジが取れかかった状態!でもでも絶対に取れはしないタイプのあのネジのような状態知ってっかぁ!!

 ネジの上部が太ってるのと、ネジをつけてる場所が引っかかりになってて絶対に取れないあれだよぉ!!

 俺はさっきも言ったが絶対で無限に近い理性があるぅ!!だから!!やっぱ無限大に限界まで自由な発想をする為に!こうするべきなんだぁ!!


 まだまだぁ!!完全に緩んだ状態からはほど遠いぜぇ!!

 これあぁ!無限大にトランス!無限大にエクストラして!

 未知なる新たなモード!無限大に新鮮な状態になって余力や余分な精神の力を引き出す為の!そういう状態になる為の訓練だぜぇ!

 俺の内に秘められた新たな開拓地!フロンティアを発掘し突き進むんだぁ冒険だぁ!それによって未知なるモードの未知率を上げるんだぁ!まだまだ100%!いやそれ以上の無限大の!最低でも2000%!!いや3000%までは絶対に行くぜぇ!!うおらぁああああああああああああああカイオウけぇええええええええええんんんん!!!!


 はぁはぁ!!!はぁはぁ!!!未知なるモードの新鮮率!言い換えて未知率! 

 これを上げれば上げるほど!俺の中の全ては無限大に刺激され、無限大の精神力と意志の力を引き出すのだぁ!


 常に自己の全てを、全人生全てを通した費用対効率の計算で、最大限限界まで客観視とかいろいろ様々して。

 より上位に高次元の階層・段階・次元・水準・レベル・娯楽世界等々・創造位階で生きなくちゃいけないんだぁ!

 例え10%でもぉ!いや1%でもぉ!最小単位のパーセンテージでも全力限界で引き出さなくちゃいけないんだぁ!

 そうしないと俺の力が延命できないからぁ!うぉおおおおおお更なる高みにオレは行きたいぞぉおおお少しでもなぁああ!!!


 この人生というゲームの、全てにおけるプレイの仕方を!

 無限大に限界まで自由な発想等々で!模索し考え思考するためにも!

 それこそただ純然に100%!生きているだけで無限大に限界まで満足し不満足したり、喜びや後悔等々を無限大に覚え感じて!

 とにかく人生というゲームを無限大に飽きながらも!無限大にプレイ欲を持つ!

 そういう無限大の矛盾的精神状態にならないと!絶対に至高で無上のゲームプレイヤーとは言えんだろうがよぉおおお!!!!!


 とにかくこの人生ゲームを無限大に楽しい面白い、詰まらない下らない等々と思うためのトレーニングとして!

 こういう事を俺は!日々100%の真剣さと全力を持って!

 そして最大限の限界の知力や理性、客観視をはたらかせぇ!

 無限大最適多段階目標設定をしながら!一段階一段階づつ目的や目標を達成し!その充実感とか!プラスの感情とかを燃料にしてぇ!!

 ホントウこうやって毎日毎日少しづつでも成長してるんだぁ!!人間日々すこしでも!最小単位でも進化しないとだめだよなぁ!!




「そして、わたしの所に来たと? どういう話しの流れかしら? もう一度分かりやすく説明してくれる?」


 そして俺は今、シャルって大親友を越えた何か大切な人の前にいる。


 なぜか? ただただ無駄に疲れたからだよぉ!!

 あんな無意味に咆哮して楽しいわけあるかよぉ!!ってのはちょっと嘘だ、楽しかった、だけどもっと効率の良い方法はないかと考えると。

 必然彼女のところに足が向かった、ただそれだけの事である。

 分かりやすく話せぇ! と言われたところで、これ以上因数分解できない話しをどうやって分かりやすくするのか永遠に謎だ、既に迷宮入りしているのだ。


「で? なに? 頭のネジをユルユルのガバガバニしたい、はっ、完全に下ネタね、死になさい」


 そう言う彼女は、いつもの金髪を一本に結んで、なにかスポーティーなお嬢様と化している。

 キラキラと綺麗な青目には、なんだか酷く邪悪で負の念のみを凝縮したようなナニか、空恐ろしい光が渦を巻き続けている。

 しかし彫りの薄い穏やかな顔のお陰で、なんとか険悪な感じではない、優しそうな人が無理して怒ってるような可愛いだけの表情だ。

 そもそも今回は別に怒っていないだろ。

 俺のいきなりの泣き付き時の、咄嗟の言葉の上げ足取りなのだから、これでガチギレられたら溜まらないね。


「なにか良い方法はないかねぇ!シャルよぉ!!」

「馴れ馴れしい、貴方はいつからわたしにそういう風に接して良いと勘違いを始めたの?」


 なにを今サラダ、シーフドサラダにツナが入っている事くらいに当然の、俺とシャルの関係をホント今さら覆す発言じゃないかぁ!!


「いいじゃん!俺はシャルと馴れ馴れしく接したいよ」

「奇遇ね、わたしもなんだかさっきから寂しくて切なくて心細くて、貴方の家に押しかけて、貴方の鳩尾に突撃する算段を立てていた所なの、命拾いして助かったわね」


 この鬼畜ゴミムシが。

 今日も朝から妹バズーガー砲という新兵器を腹に食らい、露骨に死にかけた俺に止めを刺す一撃じゃねーかクタバレ。


「それで、貴方は。無限大に自由な発想とかで、無限大に自由すぎる精神状態や思考回路を作り出し、無限大に娯楽性情報とかを高次元に多様性等々高く、想像して創造し摂取する、それら等々をするのに特化した脳状態にする為の訓練。それをわたしと、他ならないわたしと一緒にしたいわけね? ホント生きてるだけで無限大に満足し不満足できて、楽しい面白いとか喜びを、詰まらない下らないとか苦しみを、そんな希望と絶望に溢れかえった、感情が無限大に溢れて有り余る、そういう風になりたい。そういう解釈であってるかしらね?」 


 だいたい、あってるのかぁ? 

 俺は無限大に自己の成長速度を高速化したい、それこそ自分だけ加速装置を使って高速時間軸で速度高く生きたいとか、そういうイメージだが近いだろうかね?


「うんうん、そんな感じだ。全力で真剣で、本物の刀を使った命がけの訓練レベル以上で、一歩間違えたら拷問よりも酷い目にある、ワンミスで人生オワタを通り越す物事に取り組むレベルで、シャルは俺に対して協力してくれ給えよろう」

「この人生の寄生虫がうざったらしい、全力でわたし頼みの言い方ね、すこしは自分がわたしの為に役立とうという殊勝な態度でも見せれば多少は可愛げもあるのに、ホントいろいろと残念で可哀想な人ね」


 そういう言い方って、別に俺も全力出すつもりだから、シャルも全力出してくれって意味で言ったのだが、どうやら誤解されたらしい。


「ちゃうちゃう、お互いそういう心持ちでやろうぜぇ!!うええい!って感じ、意味を取り違わんでくれ。それで何したらいいと思う?」

「変わんないでしょ、どうせ貴方ってわたしの範疇内のアイディアしか出せないんだし。そうね夢系統のゲームでもプレイしたら良いんじゃないの?」


 夢系統のゲーム。

 代表例は幻蝶蚊帳、次点で夢日記系統の派生ゲーム群、更に次点で個人的に見る夢を制御して遊ぶ、そういうVR系のゲーム群だが。

 うーむ、果たしてどれが最良なのか、俺には分かりかねるのだがね。


「シャルはどういう夢系統のゲームが一番良いと思う?」

「は? 馬鹿? 一番のシェアを誇る奴に決まってるでしょうが」

「幻蝶蚊帳ってこと?」

「違う、そうじゃない。それを含んで三大夢ゲームの、それぞれトップが良いのよって意味」

「なるほどね、それじゃそれぞれを試してみるってことでオケ?」

「オケーぇ~、よ」


 彼女はそれだけ言うと、律儀にも何か準備らしきものを始めだした。

 こういう面倒見のいい所は本当に好きだ、もう将来の嫁はこいつで決まりだな。


 そんな風にシャルを勝手に俺の嫁にして、脳内で何かウキウキしそうになる妄想をして、ここシャルの部屋で踊り狂っていると声が掛けられた。


「あなた、、まあいいわ。とりあえず聞いておくけど、幻蝶蚊帳を適当にって言い方は駄目ね、優先順位の高いところから適当に回って旅するのと。他人の夢をもとにして作られた、至高の夢投稿サイトのゲームをランキング上位から適当に漁るのと。わたし達二人の夢をオンラインに繋げて、適当に二人で遊ぶの、どれがいい?」


 適当を強調するシャル、自分は嫌々やってますと言いたいのだろうよ。

 ふっふ、可愛い奴め。そんなに俺に対して自分が淡い恋心を抱いているのを見透かされたくないのか、本当に可愛い奴だ、ふっふ。


「ぐぼあぁあああぐげぇららああ、あべらぇあああああ」

「ちょっと、貴方、、、、いくらなんでもそれはないでしょ?」


 いきなりだった、シャルがすっと腰を低くして、俺の懐に飛び込みワンツースリー、鳩尾に軽くジャブしただけだ、それで俺は死にかける。

 地面に突っ伏し、鳩尾を三回も貫かれた痛みに冗談でなく涙する、痛くて痛くて、ホント生きてるって実感する。


「安心なさい、ちゃんと愛を込めたから、痛みとともに麻酔? みたいな効果も多分あるっしょ、逝ける所まで意識を天国に飛ばしてギリギリまで帰ってこなくて良いわよ。ああ、でも、三途の川を越えると帰って来れなくなるから気をつけて、わたしの家でホント死なれちゃ迷惑だからね」


 このタコ茄子が、鳩尾殴られて一方的に死ねるか、お前に復習するまで意地でも死んでやるかよ、カスゴミ鬼畜ぅ、うぅうぅう。


「ちょっと、別に痛くないんでしょ? 何をギャグパートで痛がってるの?」

「そんなパート区切りなんてあるわけないだろがぁばかぁあー、うぅいてーよぉーぐぅすぅ、はぁ、はぁ、うぅ痛いってホントぉー」

「だったらね、もうあんなこの世の終わりが来ても、たぶん一生ないだろうってくらいの、なんだか虫唾が走る腹立つぶっ飛ばしたい殺したい地獄を見せたい拷問したいって、わたしを心底思わせる顔って言うか、存在の仕方はやめなさいよ」


 なんだそりゃ、そこまで俺はしてたかよ、お前の目はどんな特殊フィルターが掛かってんだ、想像の一ミリも予測できねえぞ。


「でも良かったんじゃないの? 貴方基幹がMだし、それにこんな超絶美少女と肉体的コミュニケーションが出来たんですもの、こっちが感謝されたりお金をもらっても不思議じゃないのよ?」

「まじでフザケンナよ、そんな理由で本気を通り越した何かの威力で鳩尾を三回も突かれて溜まるかよクソがぁ」


 俺が恨みを吐露しても、奴は邪笑するばかり。

 まあ確かに生きる活力って意味じゃ、明らかにシャルに対する怒りや恨み、負の念によって増大したのは事実。

 当初の目的の1%くらいは達成した、だって今の俺には闘志が先程とは比べ物にならないくらい増大している。

 そうなのだ、彼女は、シャルは、いつだって俺を本気に真剣に、どこまでも必死にしてくれる、そんないろいろな意味で熱い女の子なのだ。


 つまり彼女の傍にいるだけで、何か凄い影響力で強迫観念に駆られたり、それを越えた固定観念に縛られて強制的に、何かを全力でやらなくちゃいけない気にさせられるのだよ。

 そもそもが、なんだかさっきも話題に上ったが、彼女は俺に比べて存在の規模とかスケール、そういうモノが桁違い、質量の桁が十のくらいのレベルで違うのだ。

 だから常に俺を圧倒して圧迫して、何か巨大すぎる影響力みたいな不思議な目に見えないエネルギー的パワー電波を送信し、俺はそれを半強制的に受信せねばならない。

 それも彼女が傍にいれば当然強く、いなくても心に住み着くシャルが同様に同じ事をするんだから溜まらない。


 俺は常にそんな風にキャラが立って確立する、まるで彼女に恋してる一途な男のようになってしまっているのだ、ふざけろミサラセ。

 どうしようもない位、何となく彼女の気を引きたいとか、すこしでも好かれたいとか、それこそ愛されたいとか?

 そんな恋愛脳な、傍から見たらコーヒースイーツのように、ドロドロと甘くも苦々しい、そんなビターな美味しいスマイルをいつも俺はしてるだろうよホントに。

 まあそれだけ、このシャルって女の子って括りで語れない人間存在は、俺の中である意味絶対的地位を占めるのだ。

 人間は人間関係に置いて、トップファイブを常に定めて、何かしら精神的エネルギーの主要を生産しているとかいないとか。

 昨日ネットサーフィン中に読んだ記事を思い出した、たぶんシャルはそれこそ歪に一極に集中した人間関係存在だろうよ。


 しかもその記事のアドバイスとして、何かこういうのがあったな。

 百人の友よりも、一人の親友を持て、とか、俺はその分散投資的でない人間関係に危うさも感じたが。

 それでもだ、一人に投資して、自分の感情の総量を多く向けられ、そして大きく感情を収束して感じれる利点も決して否定できないと同時に思った。

 つまりだ、浅い人間関係もそれはそれで良いが、深い人間関係もそれなりに同様大事って結論に落ち着く、俺にとって深い方のアレの一人は間違いなく目の前にいる人って事かな?


「なに? 黄昏てるぅ~? 目がちょっと虚ろだけど大丈夫? 死ぬ前兆?」

「な訳あるかよ、あと例え死んだとしても全責任はシャルにあるんだからなぁ」


 いつも通りのてへぺろして許してもらおうとするジェスチャー。

 ふざけんな毎回毎回同じ手法で俺が満足すると思うなよぉ!最低限てへぺろりんってペコちゃんみたいに舌を唇に滑らすくらいしないと許してやらん。

 そんな脳内電波が彼女に届いたか、ただ舌をテヘって出して、下にペロってするだけでなく、上に動かし唇を舐める動作、綺麗に左端から右端に移動する美しい舌の曲芸。

 はあ、ふぅ、落ち着こう、そうだよ、許してやらぁいいじゃねーか、何をこんな事くらいでいきり立ってんだが馬鹿らしいぃ。


 そんな感じで毒気を抜かれ鎮静した俺は、話しを戻すために口を開く。


「で、どうするんだ? これから」

「どうするかは、貴方次第ってことで。わたしは別に何してもいいし、何してくれた所で今さら夢で得られる物も少ないし、貴方がすこしでも幸せになってくれた方がいいから、それ優先で、できる限り付き合ってあげるわよ」

「それは嬉しいな、なんだ? 優しいシャルモードか? ずっとそうしてくれればいいのに」

「それは、駄目でしょ。優しくて甘いだけじゃ、貴方だってきっと満足しなくなるだろうし、刺激を求め始めるでしょう、だから適度に強烈なスパイスを交える。最高に冴えたやり口でしょう?」


 まあそうなのかもしれないが、こいつのスパイスは致死性すら持っていそうで嫌なんだがね、正直なところを言うとだ。


「まあ、肉体的にも精神的にも、あとは娯楽の閾値的にも、死んだり可笑しくならない程度に、壊れない程度に抑えるから安心なさい、わたしの加減に失敗はありえないんだから」

「ほお、じゃあさっきの攻撃もしっかり加減してああだったんだ?」

「は? いいえ、アレは咄嗟の殺意に基づく自動、だから、ええ、つまりなんていうか。 死ななくて良かったわね」


 はぁ、普通にありえん回答だ、嘘だろうがよ。

 ギャグパートで登場人物が死ぬくらい、現実的にありえないんだ、普通にこいつの何時もの虚言と受け取ろう、そうじゃないと怖すぎるし。


「もうその話しいいや」

「馬鹿ね、貴方殺されかかったのよ? もっと何か言い募ってきなさいよ、刺激に欠けるわ」

「無理だろ、本当にお前に殺意が無いのを知ってるのに、そんな激情は生まれないよ」

「殺意が無い? だったら純粋に暴力を振るわれた事に怒りなさいよ」

「なんでそんなに怒らせたいんだよ、てか別にシャルに殴られたってかまやしないよ、何か理由があってのことだろ」

「まあ、そうだけど、貴方ってわたしに殴られると最終的にプラスになる、そういう精神構造をしてる演算結果がいつも出るのよね、ホント気持ち悪い」

「ああ、俺も自分の隠れた性癖を知らされて自己嫌悪だ」


 まじかよ、俺って何か? さっきも独白でしてたが、シャルって存在には何されても大概プラスに変換してしまう、文字通りの変態だってわけだ笑えねえ、笑うけどよ。


「こうやってね、無駄話をだらだら貴方とするのも、十分魅力的だけど、そろそろ何かしましょうよ、わたし退屈になってきた」

「嘘付け、お前さっき言っただろ、自分は別に夢から得られるものが無いって」

「そうでしたね、そうそうその通り、別にこのまま永遠に、それこそ世界が終るまで、貴方と雑談配信とかのノリでずっと話していても、わたしって最終的に大して人生の何かが大きく変わる訳でもない、終ってる存在なのよ、分からせないでよ」

「何を自己を卑下するような言い方してんだか、お前が人生というゲームをそれだけ楽しみ尽くしてるって事だろ? 人生をゲームとして例えるなら、超トッププレイヤーって事だろ? プラスに考えて胸でも張っとけ、多少なりともあるんだしな」

「うっさい下ネタはわたしの前では自重しろクソミソ、貴方との会話をすこしでも面白くしようとする、わたしの脳の演算に変な狂いがしょうじるの、その貴方の吐く汚い台詞でね、まじで自重して」


 そうして本当に女の子が汚いモノを見る目、マジでリアルでされると傷つく事が良く分かる好例。


「はぁ、貴方って本当に変態、こういう事をされても何されても、わたしが起点なら何でも美味しくいただける、その精神のありよう、本当に尊敬するわ、いろいろな意味でね」

「なんだ意味深だな、素直にわたしの事を愛してる貴方がわたしも好きですくらい言えやいいのに」

「調子に乗らないで、誰が貴方を心の底から好きだって? 冗談も大概にして、せいぜいちょっと好き程度よ」

「おいおい、そこら辺多少なりとも認めるスタンスか?」

「だってしょうがないでしょ、今さらまったく好きじゃないなんて、それこそ嘘100%にしか聞こえない、だったら次善の策よ、実は貴方のことがちょっとだけ気に入ってる、だからいつも一緒にいるだけ、ほら、結構正論に聞こえる」


 ちょっと苦しい言い訳を自分で述べて、何か気まずいというか恥ずかしがってる顔をする、そりゃ本人、俺だ、を前にしてそういうメタ的な事を話せば必然そうなるのだろう。

 言われた俺だってなんだか恥ずかしいのだから、実際言った本人はそれ以上だろう。


「こういう恥ずかしい事言うの、わたし好きよ、なんだか大きな感情が胸の中から溢れてくる。わたし達のようにほとんど全ての刺激をストレスでなく純粋な刺激、生きる糧にできる、100%に近い効率で変換できる人間はやっぱもっともっと刺激的に生きるべきだわ」

「刺激的ねぇ、エスカレートして露出とかに走らなければいいけど」

「なによぉー、貴方だってもし仮に、ありえないけど、わたしが露出に目覚めたら嬉しい癖にぃー、わたしの黒コート一枚全裸のうしろをひたすらに尾行するくせにぃー」


 と言いながら肘で俺のわき腹を突いてくる、ぐがぁ!!そこは先程の古傷にすらなってねえ生傷だから触れるなぁ!シッシッ!!


「ふっふ、やっぱり貴方と一緒にいると純粋に楽しい、そしてこれからもこうやって関っていく内に、その楽しさの強度がどんどん将来性のある感じで上がっていく気がするの。可能性感じちゃってるの、この期待、わたしの確信、決して裏切らないでね、ってこういう風に貴方に恋の魔法みたいなものもかけて、圧倒的に私の持つ影響力を行使させてもらうわよ。貴方だけが唯一持つと私が信じるそれら可能性の全て、できる限り最上級に開花させてね、その為にも限界まで貴方も頑張って、私も出来る限り限界で水やりとかするし、一切の協力も頑張りも惜しまない所存なんだから」


 おいおいおいおい、超ハイパーに荷が重いとしか言いようが無い。

 彼女の満足の閾値なんて正直俺なんかじゃ計り知れない、それを俺でなんか上手く使って越えたいらしいんだが。

 無理だろと、でも俺は彼女の為なら絶対に100%不可能、達成困難でなく不可能なそれらに無限大に取り組み無理でも可能にしようとする、したいと思う、心の底からで思ってしまう愚者。

 そんな愚者である事を利用して、こうやって心をパンク寸前に追い詰め、俺が悶々してるのを日々すぐ隣、特等席で見て楽しむ、そういう酷い魂胆なんだろうよ。

 絶対に将来何かの機会があれば立場逆転、俺がシャルを限界まで翻弄し彼女を楽しみまくってやるって、己の中でのみ誓いを立てる。


「それじゃ、雑談もそろそろお開きにして、何かはじめましょう?」

「そうだな、流石にこれ以上無駄に話すと、俺の精神が何かの弾みで壊されそうだ、それがいいと思う、お前との雑談はいつ地雷が爆発するか分からん、そんなスリリングすぎる会話だと、俺は勝手に思わせてもらうよ、もう長時間話すと精神が持たない気すらしてくるよ」

「あら? それってもう私と話すのは懲り懲りってこと? つまり飽きたって事? それともわたし自身が嫌になったって意味なの? おいどうなのよ? そこら辺?」


 まだ続けるんかい、饒舌なマシンガントーク力で俺を連射、穴だらけにする勢いで言い募ってくる、俺はちょっと圧倒され威圧された形。


「ちゃうよ、ただ今はすこし精神の休眠時間が必要って言うか、なんというか」

「駄目、休憩無しで連戦、そういう継戦能力ないと戦場ではやっていけないわよ、貴方ってどうせ平和ボケした日々を生きてて、そんな戦場での作法、戦の常識すら知らないっていうか実感の持てる経験として所持とかしてないんでしょ? それじゃ駄目駄目よ、自分から戦場に飛び込み躍り出て暴れるくらいじゃないと。人間中心主義的に考えて、戦士がいる、つまりわたしの居るこの場はもう戦場なのよ、そういう心積もりでいなさい、分かり難かった? 戦場にいる人間が戦士でなく、戦士のいる場はどこでも戦場、つまりここって戦場なの、愛の戦場でも勝手に脳内変換してもいいから!もっと気合入れなさいよ!!このぉ!!」


 とか口上タレまくってる勢いに乗ったか、俺の背中を「バシィイイイインンンン!!」って凄い勢いで叩き倒す!ウギャラアアアアアアアアアアくっそイテェエええええ!!!


「ほら気合でた? うん、その様子だとかなり効いたみたい、努力が無駄にならなくて嬉しいわ」

「クソが、ホントクソが、ただストレス発散でぶっ叩いたのと似たようなもんだろが、ホントこのドクズがぁ」


 俺がそんな事言うと、さらに手を先ほどもよりも振り幅高く構えたので、咄嗟に態度を反転平謝りを繰り返す俺という存在。

 それに気を良くしたのか、あからさまに陽気にニコニコ笑顔を作って攻撃をやめてくれるシャルとか言う鬼畜存在。


「くっそ、ホントシャルといると刺激的過ぎて、頭の数多のネジが取れる気分だよ」

「それ褒め言葉として受け取るわ、なんれにせよ、影響力のある人間は貴重だもの、貴方だってわたしにとって大きな影響、特に娯楽で悦楽な感じの系統は言い感じよ」


 そう言っていじめっ子が虐められっ子を足蹴にしたような、そんなぶっ飛ばしたいって気持ちしかわかん口上を垂れ流す、このどう見ても鬼畜スマイルにしか見えない奴、まじでどうしてくれようか。


「ほら、さっさと復活してわたしを楽しませないと、また現実的なだけの物理的痛みを貴方にプレゼントするわよ、今時の若者みたいに現実にリアルを感じれないなら、こうやって親に叩いてもらうのがいいのかもしれないわね」

「馬鹿が、お前みたいな母親にお尻ペンペンでもされたら、一生モノのトラウマでそいつは一生再起不能になるわ」

「あら? それって振り? 貴方お知りペンペンとかされたい系男子? それも三桁ほど、いいわよ、してあげる」

「すなすな、てかそれ以上近づいたらマジでぶっ殺すぞ」


 彼女は「なに、流石に冗談の範疇よ」とまったく嘘っぽくない残虐で冷酷チックな顔で告げる。

 前々から何度も何百回、何千で思ってきた再確認だが、こいつは正真正銘の悪魔だ、人間の精神を軽く越えてそういう化け物な中身を平気で持ってるのだ、末恐ろしいぜぇ。


「それで、お尻ペンペンされたいって性癖がバレるのは流石に気まずいから、その代用でわたしに何されたいのかな? 何でもとりあえず言ってみなさい」

「おいこらぁ!勝手に人の変な設定を付け足すなよこらぁああ! そしてその方向性での変な会話を続けようとするなぁ! 夢のゲームをするとか最初の話しを脱線しすぎだろうがぁ!」

「別にいいじゃないの、物語や小説とか、何か題材やテーマ、題目に乗っ取って、何かの到着点に必ず行き着く、そういうお話でもないんだし、。それにどんなにわき道や遠回り、道草を食っても、それが全体的に有益値を割らない限り別にたいして大きな問題に私たちにはならないのは当然の理屈法則。だからそんなレールの敷かれた人生のような、最短最速で目的地到着を目指すようなスタンスは大嫌いだわ、今すぐ改めないとお尻ペンペン強制タイムよ、てか最近スロットでお尻ペンペンする奴があるみたいなのよ、貴方が興味沸きそうなそんな奴、知ってるぅ~?」

「知らんわ初耳だ、それにそんなのに露骨に興味津々って訳じゃ俺はねーから」


 はあ、おいおい、確かにこれは物語ってテイでやってる訳じゃないが、いつまでも取りとめがなさすぎねーかなぁーオイ。


「それで気力が続くまで話したいとか、そういういつもの無限に続くっぽい苦行のがしたいのか? 毎度お馴染みな」

「貴方との会話なんて、それこそ永遠に続けられるわよ、しかも苦行にもならないし、無限大に楽しい事、そうなるように私と貴方が全力で協力するんですもの、この世の終わりまで話すことだって容易だわ」

「それ、お前の視点からの話な、俺は持たんわ、そんなエンドレストークショウは」

「あら残念、確かにずっと話していれば、娯楽としてはどれだけ工夫や細工をしても限界が来る、かもしれない」

「そうだよ、いくらなんでもって話だ、って訳でもないのか? おいこらぁ!嘘吐き!ドクズ!てめぇーのハイパー高スペックな脳髄なら!俺を無限に楽しませることも出来るだろうがよぉ!!なに手ぇー抜いてんだぁ!ぶっ飛ばすぞごらぁ!!!!!!!」


 いきなりの逆切れ、彼女の正面で怒り奮闘、骨髄に迫る勢いで言葉を浴びせかける。

 それに対する応答は、どこまでも冷たい氷点下0度の低温火傷による冷視線攻撃、俺の心がアイスブレイクされそうになっている。


「出し惜しみくらいするわよ、貴方を無限大に満足させ骨抜きにすることなんて、わたしにとって見れば赤子の手をひねくり回すくらい容易いってなんか残酷な表現ね、駄目だわPTAからクレームが来る、そう、赤子を泣かすくらい容易いの」


 どっちも似たり寄ったりじゃねーか、ばかがよぉ!!


「ばかがよぉ!!ばっかばーーーーーか!!そうやって高みから俺を弄びやがって!もう知るかよ!勝手にしろやぁ!ってうそうそ!!ちょっと逆切れする快感に酔っていただけで!!!っすすすう、ひぃ!!!ごめんなさいぃいいいいいいいいいいいい!!!!!」

「ふう馬鹿な人だわ、で、貴方と会話するのは、上手く頭を回せばいくらでも出来る、盛り下がったりしたら、それはわたしが別の事をした方が良い、または飽きたからしろって合図だから、そのように受け取り受信しなさい」

「はいぃいい、それで、もう飽きた?」

「とっくの昔に飽きてるわよ、そもそも人生に無限大に飽きてるのに、何かに飽きてないって事があると思っていたのぉ? 本当に真性の馬鹿ねぇ~」


 ばかばか煩い奴だ、てかそんな無限に崩壊した人生観持ってる時点で、もう何もかも終ってる、詰んでるって言い方も間違いじゃないのかもしれんよ、ホント怖い話だぜこりゃ。


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