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‐2

 

 

 この世界は大きく分けて四つに分かれている。

 まず、今俺達がいるドリームワールド。ここは現実的な世界観だ。しかしあんまり意味がないかもしれない、だって後述する世界がそれを簡単に蹂躙するからだ。

 ルナルティア・アトランティック・ドリームランド。それら三世界はそれぞれ、超幻想的・超現実的・超神話的な世界だ。意味は砕けた感じで言えば、超メルヘン・超リアリティ・超クトゥルフだ。

 この世界は参加者の集合的無意識が、実質的に支配する世界なので。それら、およそ人の頭の中が。そのまま反映すると言ってよい。しかし全てを混ぜ合わせると混沌とする。別にそれでもいいのかもしれないが、ある程度の棲み分け。分類に近い形で世界を分けた方が、面白いという考えで、この様な四つの世界に分かたれた。行き来は参加者全てに配布される”鍵”によって常に行なうことができる。


 ここは超現実的世界・アトランティックと、対照的な世界と言っても良いだろう。

 つまり前時代的、昔っぽい世界観で存在する大世界だ。更に言うなら生贄的世界とも言える。なぜなら前時代的世界は、神話の脅威や、幻想の被害を受ける。そういう世界観が支配しているからだ。

 対するアトランティックは、未来科学力とか色々。全人類の未来に対する理想や夢や希望とかなんとか、ある種その手の幻想や神話を体現する世界。なので先進的時代という世界観は、幻想や神話の脅威が一切ない。そもそも使えないか通用しない、被害を全て受けない。それが基本スタイルで、矜持として持つかのような世界なのだ。


 まあこの世界のあらまし。基本的な所は理解したと思う。そんな世界で何をするかって?それはこの十人十色千差万別の、個性が溢れる世の中だ。好きなように好きに生きればいいのさ。

 でもさすがにコレはないと思うんだな。


「ちょっと!!あんたも隠れなさい!」

「ああ、わかってる。けどきつ過ぎるって言うか、、」

「貴方を囮にした方が良いかしら?」


 今俺がいるのは、さっき見た城の中だ。正式名所もなんも知らないが、中々に立派なものだったと思う。その内装通りに、ここも立派で綺麗なものだ。

 なぜ俺がこんな所にいるのかって?そりゃこの二人に無理矢理連行されたからにほかならない。なぜだか知らないが、ここに重要な物があるとかないとか。一体何があるか問うても、答えはしない。隠すような物なのだろうか、そしてなぜ隠れてまで忍び込む必要があったのか?別に勘が鋭くなくても分かる、大方盗みのスタイルなのだろう、今の状況全て含めて。


「一体何があるんだ?そろそろ教えろよ」

「ううん?まあいいわ、教えてあげる。この世界はこの世界なりに、幻想や神話の脅威に対する何か。そういう物も想起されてる。それによって発生した物が此処にあるらしいのよ。」

「そうよ、それがちょっとありえない位強力らしくてね。私達善良なプレイヤーが奪えば。いえ管理しなければいけないのよ」

「お前達は邪悪なプレイヤーじゃないのか?」

「ばっかっ!私達の何処が邪悪よ、超善良なプレイヤー、夢の住人でしょうが!」

「まあいいか、で。その物品を掠め取る為にここまで進入したんだな?」

「それはおまけよ。此処には一流のシェフが居て。現実ではありえない、美味な料理を提供してくれるらしいの」

「はぁ?意味分からないんだが??」

「つまり服を盗まないといけないのよ。こんな大きな城よ、服さえ盗めばバレないでしょ」

「ゲーム脳過ぎるだろ。そんなんでバレないと本気で思ってるのか?」

「まあバレたらバレたでそれも面白いしね。そんな混乱の中、貴方を囮に取り残して私達はお宝を掠め取る、ってのも凄く面白いでしょ?」

「面白いわけあるか、お前達のおふざけに付き合う方の身にもなれ」

「大丈夫よつー君。そんな事態にはならないわ。私を信じなさい」

「信じられないから言ってるんだがなぁー」

「そんな事いってる間に付いたんだけど?ここでいいのよね?レイア?」

「ええ大丈夫よそこで。速く着替えてしまいましょう」


 俺達はその部屋の中に入った。中は衣類を保管するスペースだったらしく、目当ての物は全て簡単に見つかった。


「えと、じゃー俺はちょっと外に行ってるな」

「だめよ、外に居たら万が一見つかる可能性があるもの、イツキここにいなさい」

「はぁ?お前達いまから着替えるんだよなぁ?」

「あら?見たくないのかしら?鑑賞に値するものは持っているつもりなのだけれども」


 そう言って、服をすこし肌蹴させる。レイアの白い肌が露になり、とても目のやり場に困る。

 調子に乗ってリリまで。パンチラでもかますかのように、スカートをちらちらさせて挑発してくる。まじでこいつ等どうかしてやろうか。


「ふざけんな。俺は外に行ってるからな」

「あら?私達の命令に逆らうつもり?貴方は私達に命を、命以上のモノを握られているのを忘れたの?絶対服従、そうするしか術がない。その事を忘れたわけじゃないでしょう?」

「そうよそうよ、私達の僕、それがイツキ!貴方のアイデンティティでしょ?」

「クソが、お前達きっと地獄に落ちるぞ」

「あれをばらすか、これをばらすか。ふっふ、本当につー君は奇想天外な人生を送ってきたのね?」

「まあ、何をばらした所でイツキは社会的に終わるでしょうね」

「チっ、わーたよ。さっさと着替えろよ」

「なに?その態度わぁ!わたしたちの犬ならもう少し媚びた態度を取って欲しいわ」

「わかりました女王様方」

「ふっふぅ~ん♪まあ恨むなら日頃の貴方の変態さ加減を恨むのね」

「変態は大変ね、日頃の罰をこういう所で支払わなくちゃいけないんですもの」

「変態変態言うな、俺はそこまでじゃないだろ?」

「いいえ、貴方のそれは口外すれば人生が終わるレベルでしょ?へ・ん・た・い・さん♪」

「まあ一言で言えば最低のクズって所ね、変態が過ぎればそうなる、教訓としなければならないわ」

「かってにしろやぁ!!馬鹿どもがぁ!」


 その後、羞恥を絶えながら、奴らの挑発にも耐え耐えて。俺も服装を一新させた、執事のようなスタイルになった。

 さて?これから何するんだったか?


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