プロローグ
私、大河 花は、なりたい職業が自宅警備員しか浮かばないようなどうしようもない社会人です。ええ、社会人です。よくある中小企業でOLしてます。
人生は基本平坦な道のりで、特に盛り上がりもなく生きてまいりました。恋も高校時代に適当にして、結果は一年程度でフラれて嘆いたりとかしたりもしましたが、これまでの人生は、何かに情熱を注いだりするようなこともなく気楽に生きてまいりました。
しいて言うならば、友人に勧められて何の気なしに始めた、イケメンたちと恋愛する恋愛シュミレーション。所謂乙女ゲームが趣味なくらいです。楽しいですよ。床ローリングしたくなるくらいに恥ずかしいことを言ってくれるイケメンに私はいつも腹筋が痛くなります。あ、ときめきもしますよ。そこまで枯れちゃあいないです。
そんな私が、なぜ、いったいどうしてこのようなことになっているのか。全く理解できない。
「おい虎!右いったぞ!」
「虎ぁ!やっちまえ!」
虎、虎という雄々しい声に我に返れば、こちらへと向かってくる大きな熊のような生き物。
「タイガ!!」
「ッ!はい!今やりますから!!」
ひときわ大きな呼び声に押されるように、私は持っていた薙刀を思い切り振りおろした。
ああ、一体全体、どうしてこうなってしまったのか。