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魔法物理学  作者: 尚文産商堂
上級魔法特性
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遅延発動による魔術変性

 魔術で遅延効果を及ぼすものはいくつかあるが、そもそも魔術の発動のタイミングをずらすことができる魔術と言うのも存在している。これを『魔術の遅延発動』又は単に遅延発動と呼ぶ。具体的には、御札がこれに該当する場合が多い。魔法陣はトラップのように遅延発動によって硬貨を得ることを目的とすることもあるが、魔術構文と同様に、ほとんど即時に働く事が多い。一方の御札は、原則として専用の魔術符と呼ばれる紙に魔法陣を書き、魔法使いの資格を持っていない人でも魔法を使えるようにしたものである。そのため、御札は遅延発動の最たる例として広く知られている。ここでは、御札を例にとり、遅延発動による魔術変性の説明を行う。

 御札は、現在のところ、『魔術符による魔法陣生成の国際条約』に従って、CクラスまたはDクラスの魔術について適用されることとなっている。この制限は、当分の間続く事とされており、将来的には、Aクラス以下の魔術について開放されることとなっている。さて、御札を使用する際、最も必要とされることは、魔術符自体の劣化である。遅延発動を行う際、その魔術の効力が薄れるということは当然にある。これは、魔術元素が揮発または拡散してしまい、魔術を行うための量に満たないことが原因の一つとされる。魔術符が劣化することは、魔術元素を引きとどめておく効果が薄くなるということとなり、そのため魔術効果が薄れる、又は変性するということとなる。このように、同一の魔術において即時発動時と遅延発動時に、異なる魔術として発動することを、『遅延発動による魔術変性』と呼ぶ。この変性度合いは、魔術元素の密度に反比例して高くなるため、グラフとしてあらわすと、当然反比例のグラフとなる。密度が高いということは、高クラスの魔術ということとなるため、現在のところ、さほど気にすることではない。変性の進行は、Bクラスの魔術で、半分となるのはおおよそ1年必要となる。

 変性といっても、2つの場合が存在する。1つは魔術元素の密度低下に伴う魔術発動の失敗。この場合は、魔術自体は発動し、ロッシェの魔術限界距離が縮小することとなる。もう1つは、文字通り、魔術自体が変化をしてしまい、遅延発動に伴って本来と別の魔術として発動する場合である。前者は『遅延発動による魔術限界距離の縮小』、後者は狭義の遅延発動による魔術変性と呼ぶ。狭義の場合、どのような魔術となるかは不明であるため、ここで記すことはできない。但し、魔術元素は変性しないので、同一種類の同ランク又は下級ランクの魔術が発動する。

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