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魔法物理学  作者: 尚文産商堂
上級魔法特性
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他者との同時魔法使用の遅延効果

 基礎魔法特性のひとつである、異種魔法同時発動の遅延効果に類似したものである。『他者との同時魔法使用の遅延効果』と呼ばれている効果は、異種ではなく、同一の魔法を使用する際に適用される遅延効果のことである。この遅延効果は、全く同一の魔法を使用するということを考えている。Bクラス以上の魔術は数百から1千種ほどがあるが、特にSクラスともなると、数十種類があるのみである。このため、互いに攻勢を行う場合、同一の魔術を使用するということが考えられ、事実行われてきた。古くは1091年、「アーサー・ルイーユ」と「サアイ・ギャン・ヒュッコ」による魔術合戦と呼ばれる戦争である。この戦争を始めとして、数多くの上位魔術師による戦争が行われてきた。その過程で判明した遅延効果である。

 この遅延効果は、まったく同時に魔術を行う際、発動することが判明している。許容誤差は、5ミリ秒ほどとなっているほどだ。この瞬間、互いの魔術元素は混じりあい、そして発動する。互いの魔術粒子は対象者へと向かうが、同一の魔術粒子は斥力が生じるため、わずかにそれる。これが遅延効果を発生させる要因となる。Bクラス以上の魔法では、極めて高密度な魔術粒子が放たれることがるため、斥力は増大する。同一魔法の禁則の項で説明したとおり、現在では、魔術師同士が魔術を使用する際に、互いに3メートル以上離れてしなければならないということになっている。これが守られているのは、自らに遅延効果によって発生する可能性がある魔術暴走のためである。

 さて、遅延効果のための公式が存在している。今回は単純化するために2人による決闘のような状態を想定する。片方の魔術量をMa、もう片方の魔術量をMbとした場合、その合計はM=Ma+Mbとしてあらわされる。これは、その場に存在する魔術の総量がMであるという意味となる。そして、互いの距離をDとし、遅延効果をTとしその面積をRとした場合、遅延効果をもたらすための公式は、『T=D*((Ma*Mb)/(R*(Ma+Mb))』となる。これは、遅延効果がどれほどの強度で発動するかを測っている。仮にMa>Mbとなった場合、MbにTの

 他者との同時魔法使用の遅延効果とは、同時に魔法を使用することによって、魔術粒子が斥力によってその進路がそらされ、相手へと作用するまでにより時間をかけなければならない状況を意味している。魔術は成功した場合、影響度合いは別にして確実に相手へ届く事になるため、斥力によって進路を乱された場合、直線よりも距離が延びる。この距離が先ほどの公式による遅延効果へ反映されるということになる。

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