ロッシェの魔術限界距離
次に述べるのは、ロッシェの魔術限界距離と呼称される魔術の発動限界の距離についてである。これは、「ニジェライ・ロッシェ」という魔術師が発見した、魔法物理において記憶しておかなければならない距離のことである。
魔術粒子は無制限にその影響力を及ぼすことができる。但し、これはミクロの場合に限られており、マクロの場合、おおよそ1マイクロメートル以上の距離となると、その影響力は極めて小さくなる。これは、重力の伝わり方と酷似しており、逆二乗に従って魔術の影響力は小さくなることが知られている。この影響力がある一定の計算式によって1以下になった場合、人体魔術限界という現象が発生する。これは、魔術の効果が人体へと及ぶことが無い距離を指す。さらに0.1より小さくなった場合は、物理的魔術限界と呼ばれ、ほぼ全ての事象に対して魔術がその効果を及ぼすことはない。数式によって、0.1を下回る地点までの距離が、ロッシェの魔術限界距離と称される距離となる。
さて、発動され成功した全ての魔術量をM、その魔術のレベルを数値化したものをC、そして効果を及ぼす面積をAとし、その地点まででの魔術効果の値をXとする。この場合、ロッシェの魔術限界距離はX=MC/Aと求まる。この場合、面積の単位はメートルとなる。これは魔術は効果を与える面積によって、効力が薄くなり、魔術レベルに比例して魔術の性質はより強度を増すということを意味している。Xの値は、数式を見て分かる通り、Aが0にきわめて近い場合、無限大へと発散することとなる。この場合、魔術は最強の効力を発揮することとなるが、その周囲の空間も、当然魔術の影響を受けることとなる。それであっても、それ以外の地域に対して数式を適用して、魔術限界距離を求めることは可能だ。なお、この数式は、ロッシェ自身が導いた数多くの数式の一つだ。




