~涙と歩~②
ボーイズラブを含んでいる作品でございます。
無理な方は違う小説をご覧くださいませ。
「で?これからどこに行くんだ?」
「ファミレス」
「はぃ?」
「元旦はどこも休みだしそんぐらいしか開いてないっしょ?」
と涙はまともなことを口にした。
すると、歩が涙に聞いてきた。
「だが、ファミレスに行って何を?」
「は?食うに決まってんじゃん」
「何を?」
「ご飯。」
「ほーなるほど。」
「ファミレスきたことねぇの?」
「ない。」
「・・・・・・・・・・マジ?」
「大マジだ。」
歩の私生活が疑われる会話をしながら涙はファミレスに向かって歩いていた。
すると歩が涙に、
「キミは何故この時間にいたんだ?」
「は?なんでそんなこと聞くんだよ。」
「キミ高校生ぐらいだろ?」
「まぁな。」
「親は心配してないのか?」
「いないよ……親なんてもうとっくに俺の前から消えた。」
「………すまん。つまらぬことを聞いてしまった。」
「いいよ。」
涙の暗い過去が見えた会話をしながらさらに歩いているとようやく一番近くで24時間営業の年中無休営業のファミレスに着いた。
「やっと着いた。」
「ここがファミレスか。なるほど痛々しい。」
「痛々しい?はぃ?」
と謎の言葉を歩は吐き捨てファミレスに入った。店内は意外と空いていて4人がけのテーブルにゆったりと座った。
「これがメニューか?」
「そうだよ。」
「子羊のソテーはないのか?」
「なんだそれ?それより早く決めろよーもう店員呼ぶぞ。」
といい涙が呼び出しボタンを鳴らすと店員がやってきた。
「ご注文はいかがいたしましょう?」
すると、歩がメニューを見ながら、
「シーザーサラダときゅうりのピクルスを」
「え?そんだけ?」
「あぁ…キミは何にするんだ?」
「あのね、トロトロチーズがけハンバーグ・フライドポテト・ピッツァマルげりーた・お手軽チキン・和風ハンバーグと後それとね……。」
「もうやめろ!絶対食えないだろ!」
「食えるよーあとねトマトソースたっぷりがけのパスタをください!!」
「・・・・。」
と涙はたくさんの料理を頼み店員が自分たちのテーブルから離れたところで歩に屋上にいた理由を聞きだした。
「なんであんたあそこにいたの?死ぬ気だったの?」
「最初はそんなつもりじゃなかったけど勢いでつい……昨日は嫌なことがあって……ね。」
「嫌な事?」
「好きなやつに振られたんですよ……」
と真剣そうに歩がテーブルに肘をつき手を組みおでこにつけて悩んでるようにしてると、
「ふーん。よくあるやつね。」
「おい!その反応なんですかぁ!!」
といいテーブルを叩き立ち上がると涙が冷静に、
「そんなので死ぬってバカだなーって」
涙のその言葉を聞いて歩は落ち着き椅子に力が抜けたように座った。
「そうですよね・・・・・・・・。」
「うん。つらくても自分で命を落とすことを考えるやつは俺は嫌いだ。」
と言うと店員さんが料理を持ってきたすると先ほどまでの興味のない顔からキラキラと輝いた顔へ変わった。
それを見ていると、歩はなんだか涙を見ていると無邪気な幼い子供みたいで心が癒された。
「やーめた。悩むのはもうやめましょう。」
「そーだよ!!!食べろ食べろ!!」
「いや……そんなに食べたら……吐くカモ……。」
と言いながら楽しく食事をして歩は涙とファミレスの前で別れた。
「もう二度と会うことはない」と言う言葉だけを残して・・・・・・・・・・・・。