共有と絆
学校:主人公 長谷川 謎
俺が目を覚ましたのは授業中、 ちょうど午後六時間目古典の時間。
俺はアイシアに即メールを送った。
望月颯太
Re:未来の婿から
学校終わったら校門で待っててくれ。
………
……
…
まぁ普通の文章だな、 うん付き合ってるんだしこのくらいいいか。
俺は普通に送信した。
授業中なのにすぐメールが返ってきた…。
どれどれ…。
受信時間15:36
山野・アイシア・フォール
Re:未来の嫁から
了解です!
………
……
…
俺は心の中ですごくうれしかった、 嫁って…。
浮かれてるうちに授業が終わってしまった、 長谷川に退部すること…ちゃんと伝えよう…。
俺は授業が終わりすぐさま長谷川の元に向かった。
【颯太】「突然だけどごめん…俺退部させてもらう」
【長谷川】「そう、 まぁ別にいいけどね、 理由は?」
【颯太】「その…今…俺は大変たことをしたんだ、 とにかく俺はそれを償わなくちゃいけない」
やっぱり、 本当のことは言えない…。
【長谷川】「わかったわ、 その間は田島とどうにかするわよ」
長谷川は呆れたようにそういった。
【颯太】「じゃあな!」
俺は走って教室を出ようとした瞬間、 長谷川が突然こんなことを言い放った。
【長谷川】「結局あんたは人を殺した、 だから裁く私が…」
俺はすぐさま急ブレーキをかける。
【颯太】「長谷川、 どういうことだよ…」
こいつはゲームの参加者じゃない…なのになんで?
【長谷川】「さぁね、 私は何も知らない」
そう長谷川は言って俺の横を通って行った。
【颯太】「長谷川!」
振り返ったがもうそこには長谷川の姿はない。
すぐさまメールを確認する、 一件、 あの脱落者メールが来ていた。
受信時間16:00
神
Re:セカンドゲーム
本日の脱落者
希望:二宮 正樹
絶望:常盤 由香
堕落:藤原 元気
非情:城島 秀樹
嘘:澤田 順一
残り8人
以上
………
……
…
もう…みんなここまで殺しあっていた、 今日俺が殺した奴もこの中にいるのだろう…。
ただやはり気になるのは長谷川の件だ、 あいつはこのメールを見たのか?
でもこれじゃあ俺が殺したというのはわからない…何故だ?
長谷川の所にはもっと情報量がある何かがあるはずだ。
このゲームの誰かと連絡を取り合っている?
基本的長谷川はあまり人とは関わらないタイプだ、 俺や田島が一番よく知ってる。
駄目だ…やっぱり気になってしまう、 俺は長谷川がいると思われるヒーロー部の部室に向かった。
ヒーロー部前
鍵…閉まってるな…どうする? こじ開けるか?
長谷川がここにいるかもわからないのに開けてしまっていいのだろうか、 俺は悩む。
そして出した結果が、 こじ開ける。 俺は全力でドアを蹴り飛ばす。
ドアは外れる、 しかし部室には誰もいなかった。
大体わかっていた、 あのゲームを知ってる人間がこんなところにいるわけがないと。
どうする…このまま長谷川を捜索するか?
その緊迫した空気を打ち壊すようにケータイがバイブする。
受信時間16:30
山野・アイシア・フォール
Re:遅いです!
もう三十分も待ってます! 早く来てください!
…………
……
…
あーすっかり忘れてた、 今日彼女彼氏になったばっかなのに初日からこれじゃまずいよな…。
俺は今のッ全力の全力の全力疾走ですぐさま校門へ向った…。
校門
昇降口を出ると校門のほうに一人だけ違った雰囲気を持った女の子がいた、 間違いなくアイシアだ。
やっぱ可愛いな…。
俺はすぐさま校門に駆け寄った。
【颯太】「わりぃアイシア! ほんとにマジで!!」
【アイシア】「もうひどいです! 颯太が時間を守らない男性だなんて知りませんでした!」
【颯太】「ほんとに悪かったって! 帰り何かおごってやるから! な?」
【アイシア】「……クレープ」
【颯太】「え?」
【アイシア】「駅前にあるクレープが…クラスで評判がいいので…その…食べてみたいです…」
【颯太】「おう! お安い御用だ!」
俺たちは駅前へと歩き始める。
桜田市の駅前はショッピングモールとくっついており、 よく女子高生や男子高生のたまり場と化している。
【颯太】「アイシア、 駅前行ったことあるか?」
【アイシア】「はい、 私の…両親と行きました」
【颯太】「へぇ~、 そんときは何買った?」
【アイシア】「下着とか…えっとその…ブラのサイズがなかなかなくて困りました…」
【颯太】「正直だな…、 でアイシアのそんなとこ俺は好きだぜ」
自分で言うのもなんだが、 ちょっと照れ臭い。
【アイシア】「わっ私もです! 私も颯太のこと…好きです…」
うん、 俺より照れてるな。
そんな本当にくだらない話をしてる間に駅前に着いてしまった。
クレープ屋というのはまぁ自動車販売でカップルとか…まぁあとは桜田の生徒が常連っす。
【アイシア】「つきましたね! クレープ食べましょう!」
こうしてアイシアと一緒に歩いてるとかなり目立つ、 なんせ俺の隣にいるのは今話題の巨乳美少女転校生なのだから、 下手したらモデルに間違われるくらいかわいい。
俺たちの他にクレープ屋の前にはカップルが数組並んでいた、 すべて桜田の生徒だな。
そして俺たちの番が回ってくる。
【アイシア】「颯太は何食べますか?」
【颯太】「そうだなぁ~、 俺はアイシアに合わせるよ」
【アイシア】「じゃあこのストロベリーのやつ、 二つ下さい」
【店員】「まいど~!」
【店員】「しっかし、 嬢ちゃん可愛いね隣にいるのは彼氏かい?」
【アイシア】「いいえ、 違います」
ん? 俺たちって付き合ってるんじゃ?
【アイシア】「許嫁であり、 私の恋人です」
【颯太】「!? 何言ってんだお前!?」
【アイシア】「私は何も間違ったことは言ってませんよ、 何か変なこと言いました?」
一番驚いたのは俺だがやっぱり店員も驚いていた。
【店員】「すごいな…嬢ちゃん…」
【店員】「まぁ、 がんばりな! ほらクレープ!」
もちろん俺がお金を払い、 とりあえず近くのベンチに二人で座る。
【颯太】「あのさ…アイシア…さっきのって…」
【アイシア】「許嫁…のことですか…それはまたあとで説明します…」
アイシアの表情は真剣だった、 どことなく…。
俺たちはクレープを食べ始める、 俺はいま非常に動揺している、 まさか結婚なんて俺はそんな先のこと考えてねーし!
【アイシア】「これ…おいしいですね…初めて食べました…」
【颯太】「そっ、 そうだなって早!!」
アイシアの手元を見るともう既にクレープはたいらげられていた、 正直おれでも半分は食ってない。
俺も一気食いした、 さすがに一人だけ食ってても気まずい…。
【颯太】「ふぅ…」
【アイシア】「口に…クリーム付いてます」
【颯太】「え?」
そういうとアイシアは自分のハンカチで俺の口を拭いてくれた、 いいにおいすんなぁ…。
【颯太】「さんきゅ」
【アイシア】「その…喜んでもらえると私もうれしいです!」
まぁそれはいいとして…どうしても許嫁の件が気になる、 ああもうじれったい聞くしかねぇ!
【颯太】「許嫁ってどういうことだ?」
また表情がこわばった、 空気悪くなったかな…。
【アイシア】「それはここでは話せません、 それともし話してほしいなら…その…お願いがひとつあります…」
【颯太】「おうなんだ?」
【アイシア】「えっと私を望月家に泊めてください! 両親には話はしてあります」
【颯太】「同棲ってことだよな…でもなんで?」
【アイシア】「今は理由を聞かないでください、 そのことも許嫁と関係ありますし・・・」
【颯太】「いいけど…、 着替えとかは?」
【アイシア】「もう事前に持ってます」
【颯太】「今日から…だよな?」
【アイシア】「はい!」
俺はかなり動揺していたがまぁ了承した。
【颯太】「帰るか…」
あぁ、 気が滅入りそうだ…、 年頃の男女が同じ屋根の下で暮らすなんてよほどアイシア家は放任主義なんだな…。
帰り道、 俺たちは手をつないだもちろんつなごうと言ったのは俺。
アイシアが喜んでくれたのでいいか…。
俺は自分の能力についても説明した、 アイシアは颯太らしい能力だと言ってくれた。
ゲームのこと絶対に忘れてはいけない…、 そして俺が人を殺したという「罪」は忘れてはいけない。
俺たちは常に何かを共有している、 日常、 学校、 幸せ、 人によってさまざまだ。
でも俺たち「不規則存在」は違う、 共有できないから殺しあうのだ。
こんな幸せな時間も、 もしかしたら明日には死んでいるかもしれない、 俺は怖いのだ、 自分自身がそしてこのゲーム参加している人間が…。
でも俺はアイシアだけは守ろうと思った、 こいつだけは命に代えても守りたいと……。
自宅:主人公 アイシア 共有するという意味
俺はアイシアを家に入れ、 今リビングにいた。
【颯太】「まぁ適当にくつろいでくれ、 どうせ俺以外だれもいねーし何かいうやつはいねーだろ」
【アイシア】「………颯太はさびしくないんですか?」
【颯太】「そうだな、 さびしいって言ったらさびしいけど両親あんま帰ってこなくてこういうこと慣れてたし」
【アイシア】「やっぱり…許嫁の件気になりますか?」
【颯太】「当たり前だろ、 別に俺はお前と結婚してもかまわないけどな」
【アイシア】「…ありがとう颯太」
アイシアは心から笑ってくれた、 俺にはそれがとてつもなくうれしかった、 でも彼女は目に涙をためていた…。
【アイシア】「これからあなたにとっても私にとっても大事な話をします…」
【颯太】「あぁ」
こいつは明らかにいつもとは違う雰囲気、 俺は覚悟を決めた。
…………
………
……
数年前:アイシア 望月夫妻 共有できなかった過去
私の生まれた国、 それは民族紛争が絶えない国だった…。
町には死体が転がっている。
まだ8歳くらいだった私は両親はいなかった、 私の家族は紛争に巻き込まれてみんな死んでしまった。
国には絶望という言葉それしかなかった。
幼い私はどうすることもできず、 家族が死んだあとは親戚に引き取られた。
その親戚も、 次の親戚もみんなみんな死んでいった。
私はそれを黙って見ることしかできなかった…。
そんなとき日本からジャーナリストの夫妻が来た。
彼らは私たちの紛争を世界に伝えるために…。
彼らは道で泣いていた私を拾ってくれた。
【健吾】「もう大丈夫だよ、 僕たちが守ってあげるから」
【亜里沙】「そうそう、 こうみえてお父さんは体は頑丈なんだから!」
私は彼らが滞在中とまっていたホテルに一緒に暮らしていた。
彼らは日本語や遊び、 学校まで通わせてくれた。
【アイシア】「どうしてひとはころしあうの?」
私が彼らにこんなことを聞いたことがった、 なつかしいなぁ。
【健吾】「それはね、 人間は自分たちが共存できるということを知らないんだ」
【アイシア】「きょう…ぞん?」
【亜里沙】「共存て言うのはみんなで何かをしたり、 ともに生きていくって意味よ」
【アイシア】「私たちはきょうぞんできるの?」
【健吾】「できるさ…絶対」
このころの私にはまだあまり理解できなかった、 でもそれがとても大切なものだけわかった。
私がちょうど十歳になったころだろうか、 颯太という男の子の話をしてくれた。
【健吾】「颯太はな、 馬鹿だけど人の痛みがわかるやつなんだ」
【亜里沙】「あなたに似たのかしらねぇ…、 でもね颯太はきっとアイシアと仲良くなれると思うの」
【アイシア】「颯太さんは今どこに?」
【健吾】「日本にいるよ、 たまには帰ってやらないとさびしがってるかなぁ…」
望月夫妻は颯太という男の子がどのような人か説明してくれた、 私とそう年の変わらない、 馬鹿で、 やさしくて、 人の痛みがわかって、 何より誰かを助けたがる。
私はそんな彼にあこがれていたのかもしれない、 よく二人からは話を自分から聞きたいといったものだ。
彼らは私にとって第二の両親だった、 だから「パパ」、「ママ」と呼んでいた。
彼らは私を自分の娘だと大切に育ててくれた、 よく三人で日本の遊びをしたりしたものだ。
数年後望月夫妻はいったん日本に一週間だけ帰ることになった。
そのときちょうど紛争が激化していた、 街中には毎日銃弾と悲鳴が聞こえた。
怖かった、 望月夫妻は絶対に外に出るなと言ってくれた、 それだけで少し安心できた。
日本から戻ってきた夫妻は日本で颯太に会ったことをすべて教えてくれた。
【健吾】「またあいつ大きくなって、 相変わらずヒーローが好きだなぁ」
【亜里沙】「そうだアイシア、 もし颯太が大人になって結婚できなかったらお嫁に行ってあげてそのほうがきっと喜ぶと思うわ」
その時は普通に冗談で言ってくれた、 でもうれしかった。
外では相変わらず銃弾が鳴り響いている、 そんな日が毎日毎日過ぎ去ってゆく…。
もう、 この紛争は終わりをむかえるらしい、 旧政府軍が抵抗を南部でしているようだった。
【亜里沙】「もしこの戦争が終わったら、 颯太とアイシア、 私とあなた四人で暮らしましょう」
【健吾】「そうだね、 アイシアもそう思うだろ?」
【アイシア】「はい! 私もみんなで暮らしたいです!」
そうなるはずだった…だったのだ…。
私はもう14歳になっていた、 私は撮影に行くといった夫妻にレンズを届けるために外へ探しに行った。
とりあえず夫妻と合流できた。
【健吾】「今すぐ帰るんだアイシアここは危険だ!」
ちょうどそこでは銃撃戦が行われていた。
その瞬間だった、 私めがけて銃弾が…当たらなかった。
当たったのは亜里沙さんだ、 私をかばったのだ、 お腹からはすごい血が出ている。
【亜里沙】「ごめんねぇ…もう私ダメみたい…」
【アイシア】「ママ! 死なないで!!」
【健吾】「一緒にみんなで日本で暮らすんだろ!! 死んじゃ駄目だよ!!」
【亜里沙】「アイシア…颯太をよろしくね、 あなたなら颯太ときっといい関係を築けると思うわ……」
【亜里沙】「それとねぇ…パパ…あなたも生きて二人とも…愛してるわ…」
そういったあと目を開けることはなかった、 私は泣いた。
そしてもうひとつ悲しい出来事が起きた。
【健吾】「危ない!!」
私に飛んできた銃弾を健吾さんはかばってくれた、 亜里沙さんと同じだった。
【健吾】「もう…僕もダメみたいだ…、 ごめんな…」
【健吾】「ホテ…ルに帰ったら…トラン…クケースを見るんだ……、 君はそ…こで新しい人…生を歩むこ…とになる…」
【健吾】「忘れな…い欲しい、 私たちがア…イシアと颯太を本当に…愛して…いたことを…」
【健吾】「ごめ…んね」
健吾さんも亜里沙さんと同じように目を覚まさなくなった。
【アイシア】「うぁああああああああ!!!!!!!!!!!」
愛する人の死、 私は本当に苦しかった。
人間は共有できる生き物ではない、 ここで改めて実感した。
銃撃戦の最中私はずっと泣いていた、 そして銃撃戦が終わった。
どうやらこの銃撃戦は新政府軍と旧政府軍にいよるものだったらしい、 勝敗は新政府軍が勝利した。
私にはどうでもよかった、 大事な人を失った悲しみと比べれば…。
すぐさま紛争による死者の墓は作られた、 あの二人にの墓も…。
本当に目の前が真っ暗だった、 くやしい、 かなしい、 なさけない、 とにかく自分を責めた。
私はホテルに戻るとトランクケースのことを思い出した、 部屋に帰ってすぐさま開けた。
そこには莫大な大金と日本行きのチケットと遺書が残されていた。
親愛なるアイシアへ
この手紙を読んでる頃にはもう私たちは死んでいるでしょう。
でも大丈夫、 あなたはしっかりしてるから日本に行ってもい大丈夫だと思うよ。
日本には私たちと仲がいい山野さんって方がいるから、 その人たちがアイシアの新しい家族になるの。
大丈夫よね? あと颯太のこと、 あのこいろいろ抜けてるからよかったら世話見てくれると助かるなぁ。
あと恋愛はたのしいわよ! あなたは日本にいって素敵な男性だれでもいいからつかまえなさいよ!!
素敵な男性のなんてたくさんいるわ、 アイシアは可愛いからイケメンいっぱい捕まえられるわよ!
でもね、 あなたが好きになった男性が颯太だったら一生面倒見てあげて、 きっとあの子はあなたを守ってくれるわ。
頑張りなさいよ! 亜里沙 健吾
…………
………
……
…
彼らは最後まで私のことを思ってくれた、 すごくうれしいと同時にものすごい罪悪感を感じてしまった。
私は日本出発の日まで毎日欠かさず夫妻の墓に行って手を合わせていた。
この国には「革命」が起こりもう治安は安定していた。
そして日本出発の日、 私は夫妻に最後の別れを告げ日本に飛び立った。
空港で迎えてくれたのは山野夫妻だった、 彼らはとても優しく初対面の私にもよくしてくれた。
山野夫妻はあの国で起こったことをしっていた、 どうやら日本のメディアが報道したらしい。
山野夫妻は昔からあの二人と仲がよく、 家族ぐるみの付き合いだった。
そして私は山野という苗字をもらった、 日本に来て1カ月後学校に行くことになった。
桜田高等学校に転校生として入ることになった、 日本の学生はみんなよく笑っていた、 あの国でのことはもう十分後ろめたかった、 どうしても思い出させられてしまった。
みんな私のことをちやほやしてきた、 正直うれしくなかった私の人生を侮辱させられてるような気がしたからだ。
転校して一週間、 もう何人かの男子生徒に告白された、 好意を持っていなかったのではっきりと断った。
でも最近の日本は好きでもない相手と付き合うらしい…クラスメイトの篠山さんが言っていた。
転校して一か月、 私は「運命」の男の子と出会うことになる、 望月颯太。
ヒーロー部のインタビューということであったのが初対面だ、 彼と最初に会ったとき好意とは違う別の何かを感じた。
話してみて今まで話した男子とは明らかに違かった、 この人は本当に人を助けるのだと…。
そして私はのちにゲームに参加することになる、 颯太も参加していた。
彼とはセカンドゲームであった、 彼はやさしかった、 自分の「罪」から決して逃げなかった。
そんな彼に私はだんだん惹かれて行った、 あの時の手紙を思い出す。
「でもね、 あなたが好きになった男性が颯太だったら一生面倒見てあげて、 きっとあの子はあなたを守ってくれるわ」 私は本当に彼を好きになっていた、 だから私は一生彼に尽くすと…。
そして今に至る、 あの時の手紙も大事に取ってある。
そして今ここで彼にすべてを話してしまった、 私を怨むだろうか、 幻滅するだろうか…。
でも彼はこう答えてくれた。
【颯太】「俺はアイシアが好きだ、 アイシアに過去もくそも関係ない、 たぶん俺の両親も同じこと言ってると思うぜ」
【颯太】「それに俺はうれしいんだ、 俺の両親がさ誰かを守れる強い人で」
【颯太】「お前は過去に縛られることなんてない、 今の俺はアイシアが好き、 それだけだ」
私は泣いてしまった、 本当に颯太に会えてよかった、 私も颯太のことが好き…それが今の気持ち。
私は泣きつかれたのか、 いつの間にか寝てしまった。
颯太の手を握って…強く、 強く、 握った…。
……………
………
…
リビング:主人公 アイシア 共有の答え
【颯太】「そっか…つらい思いしてたんだなぁ…」
俺はそういって寝ているアイシアの手をそっと握り返す。
それにこたえるようなのかアイシアも握り返してくる、 俺たちは今この時を「共有」しているのだ。
「共有」それはともに感じあい、 信じあい、 笑いあい、 悲しむもの…もし人間が今の俺たちのように「共有」できるのなら、 人間は争うことをしないのだろう。
ゲームだってそうだ俺たちは理論を「共有」できない、 それはしかたない、 見てきた感じてきた世界が違うのだから。
俺は今答えを持ってる、 それはこのゲームで俺とアイシアが勝つこと、 俺の理論理想それはアイシアの理論理想だと思ってる、 俺たちは理論を「共有」しているのだ。
二人で乗り越えよう…アイシア……。
…………
………
……
…
リビング:主人公 アイシア 他者による殺人
【颯太】「うんしょ…」
俺は夕飯の支度にとりかかる、 アイシアはソファで寝ている。
さりげなくテレビをつけた、 何故だかわからないが見なきゃいけないような気がした。
テレビをつけると今政治のことについて報道している、 まったく最近の日本も頑張ってもらわんとな。
そこで速報のテロップが流れた。
桜田市で連続殺人
被害者は学生で桜田校の生徒
矢島彩花 黒沢優太 坂本レオ
……………
…………
………
……
…
【颯太】「こいつらって…!?」
殺されたのはあのゲームの参加者だ、 こいつはあきらかにおかしい。
すぐにテレビが殺人事件のあった場所三か所を生中継で届けている。
ゲームの参加者が殺したのだろうか…。
可能性は十分に考えられた、 しかしあの世界で人を殺しても裁かれたりはしない、 しかしここは現実当然人を殺した犯人は裁かれる。
犯人はいったい何を考えているんだ?
俺はそう考えこみながらといったら変だがそう感じながら夕食をできるところまで作った。
もう時間は7時、 夕飯にはちょうどいい。
【颯太】「そろそろ、 起こすか…」
アイシアの寝顔はまだまだ見ていたいが、 もう夕飯だしなんせこの殺人事件についても話さなくちゃいけない。
【颯太】「アイシア、 飯の時間だ起きろー」
いたずらしたい気持ちはあるが今はそんなことしている場合ではない。
【アイシア】「ん…っん…、 おはようございます…」
【颯太】「うん、 おはよ」
【アイシア】「颯太…さっきはありがとう…」
【颯太】「礼なんていいよ、 さっきのが俺の本心、 あとちょっとアイシアに言わなきゃいけないことがあるんだ」
【アイシア】「?」
夕食時、 俺はさっきの連続殺人のことをアイシアに話した。
アイシアもやはりおかしいと感じたようだ。
夕食後俺はアイシアと今後について話した、 俺たちが「罪」を獲得するということにアイシアは賛成してくれた。
数時間後
俺はもう風呂に入り寝る支度、 今日はいろいろと疲れた。
【颯太】「アイシア寝る前に一つ聞いていいか?」
【アイシア】「はい、 答えられることなら何でも」
【颯太】「お前の理論、 理想って何だ?」
【アイシア】「「共存できる世界を作る」ことです」
【颯太】「そっか、 わかった」
俺はこの理論を完成させると胸に誓った。
【颯太】「それじゃあ、 お休み」
【アイシア】「一つだけ…わがまま聞いてもらえませんか?」
【颯太】「何?」
【アイシア】「颯太をずっと感じてたいです、 一緒にいてください」
【颯太】「それは一緒に寝るってこと?」
【アイシア】「そっ、 そうなります…」
【颯太】「アイシア…年頃の男子と一緒に寝るなんてことは危険だ、 俺が獣になるかもしれない」
【アイシア】「いいんです、 颯太に何をされてもかまいません、 私たちは「共有」してるんですから…」
【颯太】「わかった、 その代りほんとに俺に何されても知らないからな」
【アイシア】「はい!」
俺たちは同じベットの中ともにぬくもりを感じながら眠った、 よくわからないがすぐベットに入ると眠れた。
まぁ最後は恋人らしくキスしちゃいましたけど…。
おやすみ、 アイシア……。
………
……
…
夢:主人公 ??? 談話
俺は夢を見た。
真っ白な世界、 どこからともなく声が聞こえてきた。
【???】「よう、 お前面白いよ」
【颯太】「俺は何も面白くないいだが……」
【???】「お前の生き方だよ、 なんていうか新鮮だ」
【颯太】「お前はどうなんだ?」
【???】「俺もお前と大して変わんねーよ」
【颯太】「じゃあお前も面白い生き方してんのか…」
【???】「俺のはお前とは少し違うかもな、 でも守るものがいるっていうのは一緒だ」
【颯太】「応援してるぜ」
【???】「俺もお前のこと応援してるよ」
そういって真っ白な世界は崩れていった、 てかさっきの誰だよ…。
【???】「じゃあな、 相棒」
そういって声は消えていった…。
…………
………
……
…・
水曜日 自宅:主人公 アイシア 朝ごはん
俺が起きた時にはアイシアは俺より先に起きてたようでもうベットにはいなかった。
俺はリビングに向かうそして元気よく…。
【颯太】「おはよー!」
【アイシア】「おはようございます、 今日もがんばりましょう!」
台所にはふりふりのエプロンをしたアイシアがたっていた、どうやら俺のために朝食を作ってくれたらしい。
俺は真っ先にアイシアのもとに向いすかさずおはようのキス。
【アイシア】「颯太は…欲張りなんですね…」
そういってアイシアもキスをし返してくれた。
朝食
アイシアの料理は相変わらずダークマターばかりだ…。
なんだかんだいってこれはこれでうまい。
【颯太】「あのさ、 おとといの「あーん」とかどこで覚えたんだ?」
【アイシア】「えっと…健吾さんと亜里沙さんです…」
まったくあの人たちは……。
【颯太】「一番気になることあるんだけどさ、 変な仮面に出会ったことない?」
【アイシア】「あれ…颯太ですよね、 すぐわかりました」
【颯太】「引いたよな…」
【アイシア】「そんなことないです! むしろ助けてくれたこと本当に感謝してます!」
【颯太】「まさかあれをそんな風に思ってくれるとは…」
【アイシア】「ヒーローみたいでかっこよかったです…」
【颯太】「さんきゅ」
朝食後
俺たちは学校に行く支度を始める。
【颯太】「今日もやっぱあるんだよな…」
また俺が人を殺してしまうかもしれない…そんな不安が頭のもやもやになっていた。
【颯太】「!?」
突然後ろから抱き締められる。
【アイシア】「大丈夫です、 あなたの「罪」私も背負います」
【颯太】「ありがとうな…」
そんな時だった、 世界が回り始めた。
【颯太】「始まったな…」
【アイシア】「私と颯太で生き残りましょう…絶対」
【颯太】「あぁ」
世界は完全に別世界、 始まったのだ理論と理想を巡る者たちのゲームが三度目になるだろうか…。
始まったのだ…。