孤独刑
20XX年死刑制度を廃止した日本に、ある事件が起きた。
三十人以上を殺し、その手段を選ばない犯行。
犯人は捕まったが、死刑制度を廃止にした日本では、犯人を死刑にすることができなく、
裁判ではどのような刑にするか決めかねていた。
「二度とこのような事件を起こすわけにはいかない」と死刑制度の復活を訴える者もいれば、
「懲役刑で済まし様子を見よう」と楽観的な意見もあった。
さんざん議論した結果新しい刑罰を作ることによって、みな一致した。
その刑の名前は孤独刑。高く作った塔の中に犯人を入れるという刑であった。
食べ物もつくし、なんて面白い刑なんだと笑っていた犯人も、中に入りしばらくたつと犯人は
こう泣きながら訴えた「何もやることもなければ、話す人もいない。すべては暇な日々だと・・・」
三日後、犯人は壁に頭を打ちつけた遺体となって発見された。自殺だ。
その頃刑務所の中からひそひそと
「うまくいったでしょう」
「あぁ、名前では孤独刑だが、外から見たら自殺の強要などだれも気づく人は・・・」